MAG2 NEWS MENU

アフリカの地元食材のみで日本料理店を開業した男の奮闘記

以前まぐまぐニュースでも紹介した、西アフリカ・セネガルにて日本式食堂の開業を目指している原田翔太さん。自身のメルマガでは、難航する店舗探しにくわえて、限られた現地食材を用いての料理試作など、開業に向けての準備に大わらわな日々が、リアルに描かれています。

日本食堂「和心」週間報告

この1週間の近況報告をさせていただきます。

今週は、外国人登録証の申請が完了しました。この申請が通れば、次はレストランの資格申請に入ることが出来ます。

やっと、レストラン開業までの道のりが見えてきました。

◆◇◆ 3/16(月) ◆◇◆

午前中に近所の警察署でNINEAという営業許可証のようなもののコピーをもらいにいくも、「明日の朝9時までに来い。」と言われてしまい渋々引き返す。

その後市場を廻ったり今まで行ったことがない場所へ。そんなことをしているとたまたま、携帯電話会社「TIGO」がキャンペーンをやっているということで、プリペイドをチャージ

セネガルではプリペイド携帯が一般的で(多分100%プリペイド)、通話料がなくなったら、チャージをしていく。たまに今回のように10,000CF(2000円)チャージで20,000CF分通話可能といったキャンペーンがある。

今回もそのキャンペーンをやっていたが、なんと!間違った番号を教えてしまい、あわや10,000CF(2000円)を全然違う人の携帯にチャージしてしまいそうになる。

しかし、携帯会社の人が頑張ってくれて、なんとか無事10,000CFがチャージすることができた。その為、今日は乗り合いタクシーに乗って3回も同じ所に来てしまった(笑)

夜は息子が寝た後、久々に妻と映画「ALWAYS 三丁目の夕日」を観賞。1958年頃が舞台のこの映画は人付き合いや街の活気など一部分は、現在のセネガルに近いものがあると思う。セネガルの街を歩いていても「昔の日本はこんな感じだったのかな?」と思ったりする。

映画を観ながら「良い時代だなぁ。」なんて思いつつ、今自分はまさにそんな時代にいるというのが少し不思議に思った。

映画と同じように、ダカールはこれから益々発展してくる。そんな気がする。

◆◇◆ 3/17(火) ◆◇◆

朝8時に出発して、今日こそは警察署にNINEAのコピーをもらいにいく。

セネガルの役所に書類を提出する際、そのままオリジナルを提出するのではなく、オリジナルをコピーしたものを警察官サインをしてもらい、提出する場合がある。今回はまさにそのケースだ。

「もしかして賄賂とか請求されるか?」と思っていたが、そんな雰囲気は全くなく、しかもコピーも全て無料でしてくれた。

その後、マルシェカストーロというダカールでも最大級の市場へ。今日は夕飯にアジフライの試作をするために、小アジ10匹(50円)を購入。その他にも鯛4匹(50円)、海老10尾(60円)を購入した。

このように、ダカールでは、水産物がかなり安い。逆に肉は魚に比べると少々高い。鶏肉モモ肉が1kg400~500円程。

帰宅して、妻と料理の仕込みへ。妻が淡々と鯛の味噌汁やポテトサラダ、きゅうりの漬物などを作っている姿を見るとかなり心強い。僕と違って料理人の彼女は和心にはなくてはならない存在だ。

食事は友人であるアフリカ商会の2人もご招待。ちなみにこちらではパン粉がないので、フランスパンをミキサーに掛けたもので代用。ちょっと贅沢だが、フランスパンが安いセネガルではそれ程高くつかないし、何より新鮮で美味しい。

アジフライ、エビフライ、鯛の吸い物、ポテトサラダ、きゅうりの漬物など、自分で言うのもなんだが、かなり美味しかった。

料理の方は着々と進んでいる。また、今日はタルタルソースを作ったが、やはりウスターソースでも食べたいということになり、近々ウスターソースも作る予定だ。

◆◇◆ 3/18(水) ◆◇◆

朝一でAPIXへ。今日は外国人登録許可証を申請する日だ。

約束通り9時にAPIXに到着すると、車に乗りなさいと言われる。どうやら、この車に乗って役所をいくつか廻るそうだ。

僕の他にもスペイン人男性も同じく外国人登録許可証を取るらしく、車に同乗した。彼はスペインの建設会社に務めていてこちらで駐在員として来ているらしい。ちなみに日本にも旅行で2週間行ったことがあるらしい。

和心の事を言ってみると「日本食は大好きだ! オープンしたら是非行かせてくれ! 特に俺は餃子が好きだ!」と言われて嬉しい限り。彼が来てくれる時にはなんとか餃子も用意しようと思う。

肝心の外国人登録許可証の方も無事に申請完了。ちなみにこの資格を取るためには保証金として約30万CF(約6万円)を支払う必要がある。とはいえ、保証金なので、帰国の際には返金される。

その後は、セネガル人の友人に会いに行く。そうしたらなんとこれから日本人と一緒にご飯を食べるから一緒に来ないか?と言われる。

日本人の方は青年海外協力隊の小学校の先生だった。1年9ヶ月の人気を終え、丁度明日帰る予定だという。

ちなみにセネガルの教育はまだまだ問題が山積みらしい。セネガルでは一般的にウォロフ語という現地語が話される。しかし、小学校に上がった途端にフランス語での授業が始まる。当然生徒たちは、先生が何を言っているのか全くわからず、何も理解できない。

その為、小学校4年生ぐらいまでは、保育園の様な感覚で、生徒たちはとてもまともに授業を受けられる体制ではないらしい。

そういう話を聞くと、自分の息子はやはりインターナショナルスクールに入れようかな。。と思ってしまう。

◆◇◆ 3/19(木) ◆◇◆

今日は最近知り合ったセネガル人に、アフリカンバティックというアフリカの布を作ってる工場に連れて行ってもらった。

ダカール郊外にあるので、バスを乗り継ぎ友人と合流。そこから更にタクシーで走ること10分。

到着した場所はアフリカの伝統の置物やアクセサリーなどが沢山作られている工場だった。よくお土産物屋さんで売っているものも多く、街中のお土産屋さんはここで仕入れをしているのかもしれない。

ん? でもアフリカの布は一切作られていない。それを伝えると、「なに? アフリカの布を見たいのか?」とこちらの要望が上手く伝わっていなかったようだ(笑)。何やら、僕がお土産物を見たいと解釈していたらしい。

しかし、そこから、知り合いのつてを辿りアフリカの布の工場に連れて行ってもらった。予想に反して、5人ほどでやっている小さな工場だった。少しイメージとは違ったが、このような場所を知ることができて良かった。

その後はその知り合いの家に招待されて昼食をご馳走になった。セネガル伝統のチェブジェンはやっぱり美味しい。

その後お茶などもご馳走になり、帰宅しようとすると、知り合いがバス停まで送ってくれるという。その際に、「お金ちょうだい。お昼ごはんも出したんだし。」と。こういうこと、セネガルではたまに言われる。

まぁ今日は一日お世話になったしということで、少しのお金を渡した。その人は、家族の為にと言っていたが、明らかに自分で使う為だろう。

やっぱりこういうことがあると、その人に対する信用度も低くなる。例えば、僕の友人を彼に紹介したりはしないだろう。

お互いに非常にもったいないな。と思う。

その後は魚市場に行った。初めて来た魚市場だったが、ここは夕方に捕れた新鮮な魚が売っていると評判の魚市場だ。確かに新鮮な魚が売られていたが、今日は特に買う予定もなかったのでそのまま帰宅。

また来よう。

◆◇◆ 3/20(金) ◆◇◆

今日は、マルシェカストーロというダカールでも大きな市場へ。いよいよ本日ウスターソースを作るということで必要な食材を購入。ソースだけ作ってもしょうがないので、今日の夕飯はコロッケに。

帰宅後は和心のホームページの作成など。やっと公開できました! 日本食堂「和心」公式ホームページ

ホームページはまだまだこれから追記や改良をしていきます。何かお気づきの点がございましたら、是非ご連絡いただけたら嬉しいです。

さて、夕飯のコロッケとウスターソース作りに入る。ウスターソース、かなり旨い!

正直、日本の市販よりも全然美味しい。身体にも良いし、これは和心で出したら喜んで頂けるだろうな。コロッケもアジフライの時よりも衣の乗りが良くできた感じ。

こうやってメニューに合わせて料理の試作をやっていくのはかなり楽しい作業。次は何を試作しようかな?(笑)

◆◇◆ 3/21(土) ◆◇◆

朝一で予定がキャンセルになり、突如予定がなくなる(笑)

昨日の続きのホームページ作成の続きをやったり、子どもと家で遊んだりと過ごした。

それにしても子どもの成長には驚くばかり。セネガルに来た当初はセネガルの家でも落ち着かなかったが一日で慣れ、今では僕がほうきを持ちだして掃除をしていると、ちりとりを持ってくる(笑)

まだ、全然喋れないけど、「あー」とか「はい!」とかでも全然コミュニケーションが取れてきている。

海外での生活や子育てには、メリットもデメリットもあると思う。でも家族と過ごせる時間は確実に長くなる。日々成長している1歳の息子を見ていると、本当に楽しいし、幸せな気分になる。

さて、和心ホームページの方はちょこちょこ修正を加えた。ただ、僕はコーディングが出来るわけではなく、サイト製作のプロフェッショナルではないので、少し時間が掛かってしまう(笑)

でも和心のホームページは力を入れたいと思っていたし、満足のいくサイトが出来たと思う。

夕方は息子と2人で近くのスーパーまで買い物へ。鶏肉と米を購入。

今日は妻が鶏じゃがを作った。こ、これは、旨い!

和心でおつまみとして出しても美味しいだろうし、弁当に入れても絶対に旨い! セネガルの食材、調味料だけで、この味が出せるとは恐れいります。

◆◇◆ 3/22(日) ◆◇◆

今日は家族でセネガル人の友人宅へ遊びに行く。美味しいご飯もごちそうになった。

こちらの家庭は家族でレストランも経営しているだけあって料理がすごく美味しい! 普段はセネガル料理は食べられない息子も初めてのセネガル料理は気に入った様子だった。

食後は、和心の出店場所についてみんなで話し合ってくれた。遊びに来ていた親戚の一人が、良さ気な物件を知ってるらしく、今度紹介してくれるという。その後は市場に買い出しへ行き、帰宅。夕飯はトマトパスタ。

そして、食後にあんこを作る。あんこは手間はそれ程掛からないが、煮こむこと約2時間半。美味しいあんこが出来た。とてもセネガルの食材だけで作ったとは思えない味。

これで白玉あんみつとか作ったら美味しいだろうな~なんて思いつつ、今日はもう遅いので就寝。

 

『【西アフリカに日本食を!】日本食堂「和心」開業への道 in セネガル』
著者/原田翔太
西アフリカのセネガルで、日本食堂「和心」という名前の日本食料理店を開業するまでの手続きや物件の契約、料理メニューの開発など、本当に立ち上げの段階から書いています。
≪無料サンプルはこちら≫

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け