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【書評】韓国が「騙される方が悪い」と考えるルーツは何か?

ここ数年来、すっかり冷え切ってしまった日韓関係。両国間で合意を見たはずの慰安婦問題についても見直しを表明するなど、韓国サイドの反日姿勢は強まるばかりと言っても過言ではありません。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』で編集長の柴田忠男さんが紹介しているのは、日本に帰化し大学教授となった著者が韓国の反日感情のルーツと苦悩について記した1冊。激しさを増す「反日」は、韓国国内の「社会倫理の崩壊」も少なからず影響しているようです。

反日韓国の苦悩
呉善花・著 PHP研究所

呉善花『反日韓国の苦悩』を読む。副題は「老いも若きも未来に希望がない」。著者は済州島出身、1988年に日本に帰化。拓殖大学国際学部教授。知日派。「反日」という「バカの壁」を超えた人。韓国に対して批判的な評論活動をしているためか、韓国は理由を示さず入国を拒否している。

韓国には反日でない政治家はいない。反日は政治家の必須条件で、穏健か強硬かというだけである。民意とは事実上、国民情緒を意味し「民意は天意」とするポピュリズムが政治世界を強く支配している。与党も野党も国民の人気を得ようと、反日愛国の姿勢を競い合って強めている。政府は国内の批判をかわすため、国外の敵(日本)に国民の関心を強くひきつけておかなければならない。

呉善花によると、現在の韓国で重要なことは「政治・経済・社会・家族・個人間と、あらゆる面での倫理が音を立てて崩れている」ということだ。なぜそうなってしまったのか、直接の原因は経済再建に伴う経済計画の失敗にある。彼女は、この問題と真剣に取り組まないかぎり、韓国に未来はないと考えている。

韓国の倫理崩壊は、国家経済がIMF管理下に置かれた時期から始まった。突然、市場開放がもたらされ、企業内で極端な成果主義が採用されていった。激しい優勝劣敗の社会では、甚だしい拝金主義、利己主義、人間不信の嵐が吹き荒れた。かつての礼儀、友情、尊敬、孝行、忠誠のような精神的な支えが全壊した

韓国では子供の頃から「お金をあげたりもらったりするのは当たり前」という考え方が身についている。訪日して日本人の友達にお金を借りたら「あとで返して」言われたとか、「日本人の友達にお金を貸したらあとで返された」とかで気分を害する。著者も初めは「日本人は人情もないのか」と思ったそうだ。

いわゆる慰安婦問題にしろ強制労働問題などにしろ、韓国が国家レベルで、日本人から見たらとても理解できない不当な要求をしてくるのも、実はすべてがそうしたルーツにつながっている。こういった一種の被害者ビジネスも、社会倫理の崩壊と大きく関係してくる。昔はここまで恥知らずではなかったと思う。

さらに、個人レベルでも国家レベルでも「騙されるほうが悪い」ときたもんだ。世界遺産登録で日本をペテンにかけても、なんの痛痒も感じない。「汗を流すことが貴い」日本に対し「汗を流すのはみじめ」の韓国。職人を尊敬する文化がないから高度な技術も生まれない。芸術家を学者の下において軽視する。

日本と韓国の価値観や文化の違いは非常に大きく、相互理解は難しい。教養のあり方がまったく違う。「韓流ブームの頃まではなんとかなったのですが、もはや日本と韓国の関係は、これ以上後戻りできないところまで冷めたものになってしまいました」。けっこうだと思う。もう関わりあいを絶ちましょう。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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