「うちの店の味が一番だ! わからねぇ奴はさっさと帰んな!」ー。そんな良くも悪くも昔気質の店主が守るお店、残念ながら現代では淘汰されてしまう可能性が高いようです。今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』では著者の佐藤しょ~おんさんが、「頑固一徹の飲食店経営者が陥りやすい落とし穴」と「生き残るための秘訣」について、ご自身の経験も交えながら記しています。
上の世界を知らないと反省出来ない
私は昔、お寿司屋で出前持ちのバイトをしたことがあります。なんだかんだで通算2年以上やったと思います。
あの頃は、回転寿司ではない、カウンターで握ってもらう寿司というのはそれだけで高級な感じがしたものです。プライベートでも何度か食べているうちに、寿司とはこういう味のことをいうのだという刷り込みが出来てしまいました。
そんな寿司屋でバイトをしていた時に、ある一見のお客さんが来たのですがその人は軽く飲んでつまんで(寿司を食べて)サラッと帰ったんですが、帰り際に
■ この店は谷中生姜が一番美味いな
って捨て台詞を吐いたんですね。っていうか当時20代だった私にはこれが捨て台詞だとも、侮辱の言葉だとも理解出来なかったんですけど。当然ですが寿司屋の看板はお寿司であって、谷中生姜じゃありません。ですからこれは、「この店の寿司はマズいな」と言ったのと同義語なんです。もちろん店の人間はみなさん、プンプン怒っていました。
これ、今なら完全に理解出来るんですよね。色々なことが。まず私がその寿司屋の経営者なら、怒ったりせずにまずは振り返ると思うんです。ホントにオレの握る寿司は美味くないのか? という一点こそが知りたい真実になると思うんです。
プロって毎日がルーティンの繰り返しで、それに馴染む、そこから微差をキャッチするということも重要なんですが、それだけだと独善的になっちゃうんです。自分が作りあげたマイワールドにドップリ浸って、そこだけがザ・ワールドなのだと思ってしまったらそこからの進化はありません。
ちなみに飲食店の経営者ってその穴にハマってしまうんですよね。
- オレの作るラーメンが一番だ
- この寿司が一番だ
- ここよりも美味いケーキは無いはず
- 味はウチのが一番
って言う店主は多いんですよ。言わなくてもみんなそう考えていますから。それなら、どういう同業者のお店で食べたことがあるんだ? と訊くとこれが貧弱な経験しか無かったりするんです。そもそも個人で経営している飲食店って休みが週に1回しかないというのが当たり前で、そのせっかくの休みに自分が商売にしている食べ物を食べ歩くというのが出来ないわけですよ。寿司屋ならラーメンとか天ぷらとか焼肉を食べたくなるでしょ。
そうすると時代の変化やら、美味しいお店の感覚やらを学べなくなるんですね。それが3年も4年も続いたらどうなるかって、ちょっと想像したら分かりますよね。
私もようやくこの歳になって、回らない寿司屋の食べ歩きが出来るようになったんですが、そういう経験を積むと、かつてバイトしたあのお店は如何にもヌルかったと言わざるを得ないんです。でもそれは研究が足りないというだけの話で、店主が東京の有名どころの寿司屋を10軒くらい連続で行けば、それなりに追いついてしまうくらいの違いなんです。
そのことが「上の世界を知る」ということなんです。上の世界を知って、自分と比較しない限り反省なんて出来ませんから。私は毎年100万円以上を勉強に使うんですが、それもまた上の世界を体験するためなんです。自分がやっているセミナーの価格帯以上のセミナーにも行くことで、取り込める何かがあるはずだと考えているんです。そしてそれは必ずそうなるんです。
自分がビジネスにしている領域で、上の世界がどこにあるのか、そしてそこではどんなことが行われているのかを知るというのは、あなたのビジネスの発展に重要な事だと思いますよ。
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