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年金受給額の減額も?マイナンバー制度の「不都合な真実」

いよいよ10月から通知が始まるマイナンバー。国民全員に12桁の番号が割り当てられるこの制度、導入されると生活はどう変わるのでしょうか。『辛坊治郎メールマガジン』で辛坊さんが税金・年金に絞って解説してくださっています。

マイナンバー、基本的には賛成だが…

今回読売新聞などが大反対してとりあえず潰した形になっている例の「日本型軽減税率」導入騒動で、財務省が何故「外食を含むすべての食料品を消費税還付対象にする」なんて一見太っ腹な事を打ち出したのかというと、本音のところで、脱税の温床となっている飲食店のレジを全て税務署の監視下におくシステムを築きたかったんだと思います。そうでなければ、国民一人当たり4,000円の還付のために、日本中のレストラン、食料品店にマイナンバーカードの読み取り機を設置するなんて、サルが考えても「そんなアホな」って思う事を言いだしたりしません。

マイナンバーを導入する法律が成立した際には、「税」「社会保障」「災害対策」の3点が導入目的でした。具体的には、日本国内で働くすべての人は、給料をもらう会社に自分の番号を届けなくちゃいけなくなります。個人番号とは別に会社にも番号が付与され、この2つが税務署のコンピューターと結ばれることで、日本中の給与や年金の支払いは完全に国に捕捉されます。これによって内緒のバイトなんてできなくなりますし、複数のパートを掛け持ちしていたような場合、今までならばれなかった合計103万円以上の所得が税務署に捕捉されて、配偶者控除打ち切りになるなんてケースは続出するでしょう。

また、高齢者の中には、自分の老齢年金以外に公務員だった配偶者の遺族年金などを支給されている人って結構多いんですが、今までは、正直に自分で申告しない限り実は合計の年金受給額って、国は補足してなかったんです。そのため、わずかな本人の老齢年金だけに基づいて様々な福祉の恩恵に浴していた高齢者って決して少なくなかったんですね。今後はマイナンバーですべての年金支払い状況が一元検索できるようになりますから、このようなケースは完全に適正化されることになります。色んな意味で「甘かった」現在の収入捕捉状況が、マイナンバーの稼働で一変することは間違いありません。

ちなみに私は、既に司会等の「バイト収入」を含め(もう何年も、流石に結婚式の司会等はしていませんが)、所得一切を完全に申告していますから、別に困ることはありませんので、マイナンバーには基本的に賛成です。しかし制度には賛成ですがね、この制度の危険性は、住基ネットとは比べ物にならないほど高いですよ。

image by: 政府広報オンライン

 

辛坊治郎メールマガジン』第238号(9月25日発行)より一部抜粋

著者/辛坊治郎
「FACT FACT FACT」をキーワードに、テレビや新聞では様々な事情によりお伝えしきれなかった「真実」を皆様にお伝えします。その「真実」を元に、辛坊治郎独自の切り口で様々な物の見方を提示していきたいと考えています。
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