MAG2 NEWS MENU

犬とマスコミに日本語は通じない。モリカケ騒動で感じた違和感

自称リベラル派や左派メディアの矛盾した発言に対し、歯に衣着せぬ批判を繰り出し続ける無料メルマガ『マスコミでは言えないこと』の著者でITジャーナリストの宮脇睦(みやわき・あつし)さん。今回は、「日本語が通じない大人が増えている」と指摘した上で、2020年の「プログラミング教育」必修化の問題点と、連日のモリカケ騒動で抱いたマスコミ報道の違和感について持論を展開しています。

日本語が「ヤバイ」という危機

近所のワンコが殺処分されたことをきっかけに、犬の躾についてちゃんと学んでみようと一念発起し、先日、ドッグトレーナーの資格をとりました。「一版社団法人 日本ペット技能検定協会」が認定する「家庭犬トレーナー2級」というもので、ついでに「ペットロスケアアドバイザー」と「セラピードッグトレーナー」にも認定されました。

DVDを見てテキストを学ぶ程度で取得できる資格ながら、肩書きに弱い日本人を相手にするとき、「私ドッグトレーナーの資格をもっています」という語りかけは有効なのではないかという目論見です。冒頭に触れたように、近所の柴ワンコが殺処分され、その理由は「しつけ」を飼い主ができなかったから。

たぶん、どんな手段を使っても、その元飼い主は手放したでしょうが、それでも殺処分の決断をする前に相談してもらえるような立場になれれば…という目論見です。

座学程度の資格ながら、我が家のワンコの「外面」をみてもらえば、さぞや優秀な家庭犬トレーナーと錯覚することでしょう。とりわけ先住犬の「さくら(黒柴♀7才)」は、近所では「よい子」として有名なワンコです。

民間資格ということもあり、中学生程度の日本語力があれば、認定されるであろう資格ながら、やはり体系的に学ぶことで気づかされることは多々ありました。

その最たるものがこちら。

犬に日本語は通じない

たぶん、英語もフランス語もポルトガル語も通じません。犬はハンドサインや、声符やコマンドと呼ぶ「発声」による条件反射をしているに過ぎないからです。つまり論理的に従っているのではなく、ご主人様の発する命令により態度を変えているに過ぎないのです。

一方で、ワンコにだって愛情と感情があります。これを飼い主が拡大解釈したとき、犬に勝手に「論理性」を見つけて、こんな態度をとってしまいます。

「こんなに言っているのに何でわからない」

これで犬の説得はできません。また、

「いまはちょっと待って。後で」

という指示を理解する論理性もありません。この場合は「待てで待たせておいて、「後でのタイミングでよしとゴーサインを出すのがベターです。

躾けに失敗する飼い主は、これを混同します。これを学んで以来、ご近所で躾けに苦労している飼い主に、口を酸っぱくして繰り返すのが「犬に日本語は通じない」。愛情がワンコを擬人化させている飼い主にはかなり有効なようです。

飼い犬の躾に困っている方、ご相談ください(プロモーション)。

さて、ワンコはともかく、昨今、日本語が通じない日本人が増えているようです。

いわゆる「○○人は××」というヘイトではなく、国籍はともかく日本語を母語とし、ほぼ日本で生活をしていながら、日本語のリテラシーに劣る人々が増えていることを確認します。

2017年11月28日の産経新聞の記事にこんなのがありました。

● 中高生の読解力ピンチ 文法分からず中学生43%が誤答 国立情報学研究所調査

AIによる東大合格を目指した「東ロボくん」プロジェクトでお馴染みの新井紀子教授らの研究チームによる調査結果です。

新井博士は数年前から、日本の学生の読解力の低下を指摘しており、2020年に必修化されるプログラミング教育」においても、その前に日本語教育のテコ入れが必要ではないかと疑問を呈する、数少ない有識者。

「プログラミング教育」について語るもの、また有識者会議に呼ばれる方々の大半が、諸手を挙げてマンセー同然の賛成ばかりだからです。

それもそのはず、有識者会議のお歴々とは、ここでは名前を控えますが、幼児教育産業の関係者であったり、そこでプログラミング教育という、つまりは「カルチャースクール」の運営者であったり、さらには「プログラミング」という言葉への抵抗感をなくしておくことが、中長期においてビジネスに有利に働く「人材派遣会社の会長」らだからです。

つまりは利益当事者がプログラミング教育の必修化を決めたといってもよいでしょう。

これを単純に「悪」とはいいません。それぞれのビジネスが社会に役立つと思い取り組んでいるのなら、自らのビジネスを社会に拡大させることは、結果的に社会的な利益=国益を実現することもあるからです。

しかし、物には順序があり、さらには道理もあります。

新井博士は先の記事の中で「読解力が不十分だと社会生活を送る上でも大きな影響が出る」と懸念を表明しています。

まず、これが「順序」。教育現場においては、日本語がわからない学生をどうにかするのが先だろうということ。

次の「道理」とは、そのプログラミングとは「読解力」を最も必要とする技術で、読解力がなければプログラミングを理解することがそもそも論でできないからです。掛け算九九もできない学生に、連立2次方程式を解けと指導するようなものです。

プログラミング教育の必修化など愚の骨頂。と断言して良いのは、どれくらい、日本語が「ヤバイ」レベルになっているか。先の記事に明らかです。

例えば中学の教科書から引用した「幕府は、1639年、ポルトガル人を追放し、大名には沿岸の警備を命じた」の一文と、「1639年、ポルトガル人は追放され、幕府は大名から沿岸の警備を命じられた」の一文とが同じ意味かどうかを尋ねたところ、「同じ」と誤答した中学生は約43%を占め、高校生でも約28%が間違えた。

設問の要点を絞れば、前者は「幕府→大名」に沿岸警備を命じており、対する後者は「大名→幕府」という図式で、今風にいうなら真逆、すなわち正反対の文章を同じと答えた中学生がほぼ半数で高校生でも約3割が間違えているのです。

「ヤバイ」でしょ?

ところがこの記事を見た私を、ハンパではない既視感が襲います。

それが「モリカケ問題」。

いまも野党どもが国会で全力投球している騒動です。

森友騒動は財務省のいかさま的払い下げや、籠池泰典被告による詐欺的募金集めに補助金詐欺容疑など、数々の「疑惑」があがっていますが、ここまで野党が騒いだ本質は

安倍首相および昭恵夫人の関与

です。

そのロジックをひとことで言えばこんな感じ。

怪しいと思われたらその疑った人物が納得するまで説明を尽くせ

怪しいと思うかどうかは主観によります。そして「何もなかった」ことを証明するのは「悪魔の証明」と呼ばれる不可能なこと。

例えば本稿をお読みのあなたが「先月、よからぬ企みをしていただろ!」と追及されたとします。先月の何日か、その企みとは何かを説明されないまま、どう「釈明」ができるでしょうか。しかも「よからぬ」とだけで、具体的な違法行為が指摘されていなければ、

「上司の悪口を匿名でツイッターに投稿した」

でさえ、「よからぬ」に含まれる、とみることもできます。ちなみに上司が特定できるような悪口なら、名誉毀損に触れる恐れがあるのがご注意ください。

つまり、具体的な犯罪性違法性疑惑を提示せずに説明せよと、野党や朝日新聞らがやっているのはこういうことです。

籠池泰典被告が、2万円の札束を返そうとして話題になった「安倍昭恵夫人からの寄付金」にしても、仮にそれが事実だとして、選挙区も異なれば、なにより貰ったではなく「あげたお金」のどこに罪がみつかるのか。

普通に日本語を理解できる人ならわかることを、国会議員と言論機関を自称する朝日新聞や、TBSが理解していない可能性が高いのです。

獣医学部の認可を巡るワーキンググループの議事録を素直に読めば、獣医学部の新設を不要とする論拠を示せなかったのは文科省で、その文科省が説明責任を加計学園に求めて喝破されたのが

挙証責任がひっくり返っている

です。

仮に国家戦略特区の認定において、加計学園理事長の加計孝太郎氏と安倍晋三首相の「友情」により、なにがしかの「忖度」があって、そこに「違法性」が確認できたなら、野党もマスコミも追及すべきですが、少なくとも獣医学部新設について、論理的に敗北しているのは文科省です。

なにがなんでも安倍首相、政府が正しいなどとは口が裂けても言いません。

読解力低下が明らかになるなか「プログラミング教育」を必修化するなど、支離滅裂な政策も多く、是々非々、むしろ個別政策には非々のほうが多いと考えますが、野党と朝日新聞らのロジックのおかしさがかえって安倍首相を助けている面が多いことを批判し、同時に国会議員とマスコミの日本語がヤバイ」と指摘しているのです。

挙げれば切りがないのでひとつだけ。『気分は形而上』でお馴染み、涙必死の最新作『天国にょーぼ』の作者、漫画家の須賀原洋行先生のツイートを引用します。

ネットスラングでいう「ダブスタ(二重基準)」に過ぎないと言えば、それまでですが、ある条件の時にはOKだけど、別の条件になるとNG。

必ず同じ条件で適用されるなら、それは「論理的」でありますが、そうでないなら「非論理的」となります。

これが「政権攻撃」のためならば、論理性も倫理も法律もすっ飛ばす、という方針が野党と朝日新聞、そしてTBSにあるとするなら、そのロジックは共産革命を目指したコミンテルン共産主義者)のものか、ISに代表されるテロリストと同じロジックです。

仮にも国会議員となり、あるいは天下の朝日新聞に入社し、公共の電波の利用を許されたTBSの社員がテロリストとは信じたくありません。

そしてその可能性を否定したときに浮かび上がる結論は

日本語が通じない大人が社会の中枢にいる

という悪夢です。中高生の読解力を憂いている場合ではありません。

動画版はこちら

● 日本語が「ヤバイ」レベルになっている

image by: 安倍晋三 - Home | Facebook

宮脇 睦この著者の記事一覧

ネット番組「みやわきチャンネル(仮)」の宮脇睦が氾濫するメディア情報から社会のホントを指摘しています。マスコミは本当の「全部」を話しません。嘘つきとは言いませんが、誠実な正直者でもありません。そして「情報」はその裏に隠されている「真実」を伝えているとは限らないのです。

無料メルマガ好評配信中

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 マスコミでは言えないこと 』

【著者】 宮脇 睦 【発行周期】 ほぼ 週刊

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け