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なぜ「アキハバラ」のはずの秋葉原が「アキバ」と言われるのか

「雰囲気」を「ふいんき」と読んでいる人を笑えない日が来るかもしれません。今回の無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では著者の須田將昭さんが、最初は誤用だったのがいつの間にか定着してしまったり、言いにくいのを解消しているうちに読みが変わってしまった言葉等を紹介しています。

音が前後で入れ替わる

「秋葉原」。よく「アキバ」と言われますが、「秋葉原」は「アキハバラ」ですね。なぜアキバと略されているのでしょう

明治に入って、大火事の火除け地に設けられた鎮火社が「秋葉大権現」として親しまれ、当初はこのエリアは「秋葉の原(アキバノハラ)」と呼ばれていました。ですから「アキバ」は地名の略称としてはこちらが正しいようです。

どうやら鉄道駅の開設の際に、あやまってアキハバラ」という読み方がついてしまったようです(諸説あります)。

このように「ハ」と「バ」が入れ替わってしまい、地名としては「アキハバラ」で、略称は「アキバ」となる。なかなか不思議なことになっていますね。

ちなみにこんな感じで音が入れ替わるのは、今回のように間違い(?)の定着だったり、言いにくいのを解消しているうちに…というのがあります。

例えば、今の季節の花「サザンカ」。漢字で書くと「山茶花」です。そのまま音読みしてみると「サンサカ」。これが濁って「サンザカ」だったのです。これも音が入れ替わった例です。

「新」はどうでしょう? 「新しい新たな」。

これも「タ」と「ラ」が入れ替わりました。こういう現象を「音韻転換」と言います(音位転換とも言います)。

時々ネットで

「ふいんき」を携帯が変換してくれない!

などというのを見かけたりもします。

「雰囲気」は「フンイキ」なんですが、音韻転換してしまって、「フインキ」と思っている人は少なくないように思えます。今は誤用なんですが、200年後あたりに入れ替わって定着していてもおかしくありません。「原因」は「ゲーイン」と読んでいるうちに「ゲイイン」と入力するものと思っている人も増えていそうです。

最初は誤用だったのがいつの間にか定着するのはよくあることです。「あらたし」が「新しい」と「新たに」の両方で残ったり、「秋葉原」が「あきばはら」と「アキバ」で残っているように、両方が生きる場合もあります。言葉はやっぱり面白いですね。

これはどちらかが「入れ替わったもの」と思いがちですが、実は全く別の語。「おざなり」は「お座なり」で、誠意のない、その場限りの対応、間に合わせ、という意味です。「なおざり」は「等閑」と書き、物事を軽く見ていい加減に扱うこと。おろそかにすることです。よく似ていますが、間違わないようにしたいですね。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 1日1粒!『幸せのタネ』 【発行周期】 日刊

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