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ビジネスメールにちょっぴり知性を。仕事に使える「大和言葉」

毎日、数え切れないほどやりとりされるビジネスメールですが、四角四面の形式張ったものばかりだと味気も何もありませんよね。今回の無料メルマガ『仕事美人のメール作法』では著者の神垣あゆみさんが、「大和言葉」を元にした、仕事に使える気の利いた言い回しを紹介しています。

仕事に使える大和言葉 伝えそびれたときに

遅ればせ

遅れて馳せ参じること。「遅ればせながら」は、肝心なときに人より遅れて駆けつけることを意味します。最も良いタイミングは逃してしまったけれど、相手に気持ちを伝えたいときに用いるとよい言い回しです。

例えば、年賀状を出しそびれた相手に今年最初のメールを送るとき

遅ればせながら、新年のごあいさつを申しあげます。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

といった具合に使います。お祝いを相手に直接言うタイミングを逃してしまったときも、メールでやりとりする際に

このたびはご結婚おめでとうございます。
遅ればせながら、お祝い申しあげます。

と、ひと言添えておくこともできます。

お礼を伝えそびれた場合も、相手への感謝の意をメールやはがきに書き、結びに「遅ればせながらお礼まで」として送れば、たとえ短い文でも相手に伝わります。

仕事に使える大和言葉 決して特別ではない、と伝えるときに

ご多分に漏れず

「例に漏れず」と言い換えることができるように、ほかと同様に例外でなく、という意で使う言い回し。例えば、他社と同様の課題や問題を抱え、自社も同じ状況である、と伝えたい場合

ご多分に漏れず、当社も人手不足に悩まされています。

のように使います。自分の例を挙げ、それが特別なことではないと伝える場合も「ご多分に漏れず」を下記のように使うと説得力が増します。

私もご多分に漏れず、仕事のストレスから体調を崩した時期があります。

私もご多分に漏れず、メタボと診断されてから運動を始めました。

「ご多分に漏れず」は、思わしくない状況が他と同様であるというときに用いる言い回しです。「カープ人気の影響でご多分に漏れず、関連グッズがよく売れる」といった好調で、良い状況のときには使いません。また、表記するときは「ご多聞ではなくご多分」と書くので、注意が必要です。

※ 参考
「ごたぶん」<間違いやすい漢字(4)>VOL.1920

仕事に使える大和言葉 断るしかないときに

やむなく

やむを得ない仕方がないという意味の言葉で、どうしようもない状況に使うことが多いのが「やむなく」です。例えば……。

都合や事情があり、参加や人からの誘いを断らなければならない。そんなとき、「どうしてもだめで」では説得力がなく、かといって「ちょっとその日は…」という曖昧な断り方もすっきりしません。そのようなときは、参加できない理由を挙げたうえで、「やむなく」を使うと、相手にも断る事情が伝わります。

社内行事と日程が重なっており、今回はやむなく欠席いたします。

「やむなく」を用いることで、「どうにも都合がつかないのでやむを得ず諦めた」という心情が伝わります。

断りを入れる場合も「やむなく」を使うことで、「残念ながら」という意味合いを添えることができます。

早々に定員に達し、やむなく申込みをお断りした次第です。

いろいろ事情があり、なんとかしたくてもどうにもできない状況を伝えるときに適した言葉が「やむなく」です。

※ 参考:「やむなく」と意味を同じくする言葉
「心ならずも」< 大和言葉の活用 >VOL.2724

仕事に使える大和言葉 目上の相手からもらうこと

賜る

人から何かをもらう場合それが目上の相手からのときに使うのが「賜る」です。へりくだって相手を立てる謙譲語として用います。

この度は結構なお品を賜り、ありがとうございます。

このように贈答品のような形のあるものをもらったときに使うほか、目に見えないものをもうときも

このよう機会を賜り、心より感謝申しあげます。

来賓の佐藤様からお言葉を賜りたいと存じます。

このほか、客先に対しては「ご愛顧を賜り」、人との出会いには「ご縁を賜り」を使います。相手から自分には過ぎた言葉や心遣いをしてもらったときに、相手に対する敬意を込めて使うことの多い言葉です。式典や改まった席でも用います。

上司の指示や客先からの依頼を引き受けるときにお受けする、という意味で「承る」は、目上の相手からの命令を「受け」て「いただく」という意の「受け賜る」から生じた言葉です。

※ 参考:「もらう」の謙譲語 など
「くれる」「もらう」「あげる」<敬語の言い換え(4)>VOL.781

【お知らせ】メルマガ『仕事美人のメール作法』が一冊の本に。メルマガを元に「ビジネスに使える大和言葉」を紹介した、著者・神垣あゆみさんの新刊『仕事で差がつく言葉の選び方』がこのほど刊行されました。ご興味を持たれた方は、ぜひご一読ください。

image by: Shutterstock.com

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仕事上手はメール上手! 「ご返事」「お返事」どちらが正しい?
メールで間違いやすい敬語の使い方は? など、気になるビジネスメールの基本やマナーをご紹介。2005年1月創刊、まぐまぐ大賞「ビジネス・キャリア部門」入賞。「迷わず書けるメール術」など、メール対応関連の著書8冊刊行。まぐまぐ!から有料メールマガジン「仕事のメール心得帖」も配信

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【著者】 神垣あゆみ 【発行周期】 平日日刊

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