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記録的な寒い冬。ひと頃騒がれた温暖化問題とはなんだったのか?

今年に入り、東京、北陸、北海道などでは記録的な大雪が続いています。しかし、それでも日本人の多くは「地球は温暖化している」と考えているのではないでしょうか。メルマガ『武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』の著者で中部大学教授の武田先生は「地球温暖化はアメリカの思惑によって大々的に公表された」との裏事情を明かしたうえで、その後もフェイク報道を続けるNHKと朝日新聞を強く非難しています。

今年は記録的な寒い冬。ひと頃騒がれた温暖化問題はどうなったのか?

今年の冬は寒い。埼玉県では観測史上最低のマイナス9℃を記録したり、雪も多い。今年の寒さは日本だけではなく、ヨーロッパもアメリカも厳しい寒波に襲われています。

温暖化が進み寒くなった」などと非科学的なことを言ってもがいている「温暖化脅威論者」がいるけれど、いくら何でもこんなウソに騙される人はいないでしょう。本当のところは、上がっていた気温も2000年ごろから下がり出し、学会では「第四期」と言われる気温低下時期に入っています。今後も温暖な冬寒冷な冬を繰り返しながら徐々に寒冷期に向かっていくと予想されています。

でも、日本人の多くは地球が温暖化していると思っていますが、それは主として気温が下がっているというデータそのものがこれまでの報道と違うので、メディアが報道しないことによりますが、奥底には、1988年から30年続いたNHKと朝日新聞の報道の姿勢によっています。

かなり複雑で、報道それ自体は間違っていたわけではなく誤報でもありません。それではなぜ、視聴者や読者は温暖化に対して間違った認識になったのでしょうか?

温暖化報道を振り返ることで、日本の闇、世界の闇を取り除くことができるので、ここで整理をしておきます。

1988年6月23日、アメリカ上院の公聴会は、NASA(アメリカ宇宙航空局)のハンセン博士を読んで、来るべき地球温暖化の話をさせました。

ハンセン博士に公聴会での演説を促したのは、メディア(CNNの会長)、金融(ロスチャイルドと言われている)、それに農業議員でした。新しい地球の危機ができれば、核戦争の脅威が減った当時、メディアは騒ぐ種ができてホッとしたのです。それがCNNの狙いでした。

金融界は直接的に温暖化に関係する収益(たとえば、ロンドンのシティで始まった排出権取引など)と、原発の危険性より温暖化の危険の方が大きいという宣伝が功を奏すると、一気に膨大なお金がいる原発が進むということです。これも金融機関としては魅力でした。

そして最後に農業関係者ですが、1980年代はアメリカの小麦やトウモロコシの相場が思わしくなく、農業は苦境に陥っていました。そこで、なんとか補助金を獲得できる政治的な活動をしたいと思っていたところに、NASAから耳よりの話があり、「工業が出すCO2のために気象が変動して被害を受けた」というイチャモンをつけて補助金を受けたいと思ったのです。

そして当日の6月23日、議場の冷房のスイッチをすべて切断し、汗だくの中で議論が行われ、「温暖化防止」の政策が決まったのです。準備は万端できていましたから、その年のうちに国連にIPCCという温暖化防止の国際組織ができて、活動が開始されました。

イギリスのサッチャー首相は、北海油田の寿命が限られているので、原子力発電を進めたいという考えがあり、反対運動を抑えるのに温暖化が使えるので、大賛成でした。またドイツをはじめとしたヨーロッパ諸国は、すでに自分たちは成長しているし、中国、インドなどのこれから発展する国の成長を抑制するのに役立つと考えて参加する姿勢をとったのです。

IPCCがスタートするときのこのような世界情勢は、NHKも朝日新聞も特派員などを派遣しているのですから、国連関係の動きはよくわかっていましたが、「温暖化防止は正義」というスタンスで、裏の活動はまったく報道しませんでした。もし1988年から日本のメディアが表と裏を正確に報道していたら日本人の判断は大きく違っていたでしょう。

「政府が右と言ったら右」のNHK報道をこれからも信じるのか

ところがその後も、朝日新聞が北極海の氷が解けたら海水面が上がる」(アルキメデスの原理に反することでフェイク報道)、NHKがツバルが沈む」(現実には国土面積は増えている)などのフェイク報道を続け、さらに1997年の京都議定書では、アメリカが最初から批准するつもりがなく(バード・ヘーゲル決議という上院の決議があり、中国、インドが参加しなければアメリカは批准しないと決まっていた)、ヨーロッパは共産圏諸国を入れることで実質的に排出量の増加を勝ち取った(EUバブルという)ことも報道せず、世界で実質削減になった日本とカナダのうち、カナダが離脱したので、日本だけになったことなどもまったく国民に知らせませんでした。

さらに2000年からの気温上昇の停止と低下も報道しなかったことによって、結果的に偏った情報が国民に伝わり、すでに回復できないほどの先入観で覆われてしまっています。

なぜ、受信料をとっているNHKや、日本の新聞である朝日新聞が、日本国民を間違った方向に誘導するのでしょうか?

NHKは政府の認可をもらう必要から、「政府が右と言ったら右」(NHK会長談話)という態度で、政府は温暖化利権をとり、朝日新聞は危機をあおって販売部数を増やすことに熱心だったからです。今になってみると、これほどのフェイク報道が続けば、さすがにおとなしい日本国民も嫌になって、NHKの受信料の拒否運動や、朝日新聞の販売部数低下ということになって顕在化しています。

「闇」はつねに存在しますが、それを報道が隠し、闇を暴かない態度を続けるなら、近い将来、本当にNHKを見たり朝日新聞を買ったりする人はいなくなるでしょう。お金を出してウソの情報をつかまされるのはたまらないからです。

image by: Narongsak Nagadhana / Shutterstock.com

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中部大学教授の武田邦彦です。主に環境問題や資源に関して研究を行っております。 私のメルマガでは、テレビや雑誌新聞、ブログでは語ることが出来なかった原発やエネルギー問題に鋭く切り込みます。

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