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両親を豪華旅行に連れて行くのは「親孝行」?「自己満足」?

読者からのさまざまな質問に回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、「両親に豪華旅行をプレゼントしたい」という方からのご相談です。そもそも一般的な親というのは、子どもが大金をはたくことについてどのように考えているのでしょうか。永江さんのちょっと斬新で思わず納得してしまう回答とは?

「両親に豪華旅行をプレゼントしたい」ってどう?

Question

最近、「親孝行をしたい」と思うようになりました。親が元気なうちに…というのもありますが、しばらく病気で働けない時期があり、その時、親のありがたみが、身にしみ、働けるようになったら、お返ししたいと考えていたからです。

私の母はゲンキンなタイプで物をあげると喜んでくれます(あげないと拗ねますので、今までも母の日や誕生日など、忘れた事はありません。ただ無職の時は、安い物しかあげられませんでした)

働けるようになったので、去年は、今までより、金額をグレードアップして、洋服やバッグ、時計に、観劇招待など、出来る範囲の事をしましたが、今年は是非、旅行に連れて行ってあげたいと思っています。(これまで家族旅行は、皆で旅行貯金をして割り勘でした。格安ではなく、ランクは普通の旅館を利用してきました)

今回も、家族旅行で(母が海外嫌いなので国内)私も同行し、交通機関も、旅館も、いつもの3倍くらいの値段の所に連れて行ってあげたいと思います(私が同行するのは、私が一緒に行く事が一番の親孝行だからです)。そこまでは決定です。

この旅行で、どうやったら一番喜んで貰えるか…?が、今回の質問です。

  1. 旅館での夕食時に「この旅行、全部、私が出すからね」とサプライズ
  2. 行く前に「旅費は全て出すから」と「事前」に「招待だ」と伝える

何故、こんな下らない事で悩んでいるかと言うと、事前に全部出すから!」と伝えると、親が遠慮して、「高いお酒とか頼んではいけない」とか考えそうで、嫌なのです。(私が逆の立場なら、奢りってわかっていると、遠慮してしまうので)

では、サプライズの方が良いかと言うと、上記で書きましたように、普段の家族旅行の何倍もする旅館に泊まる予定なので、奢りでない場合、「旅費で結構お金掛かるなぁ」と、自分の旅費の心配をしながら夕食を迎えるのかな…と。

最初は、「旅館代も交通費も要らない、旅行中の移動も、食事も全部出す、お土産も買ってあげる。良いアクセサリーとか売ってたらそれも買ってあげる!着て行く服がないなら、それも買ってあげる!」って言ったら、喜ぶかなぁ?とニヤけていたのですが、逆の立場だったら、遠慮して楽しくないのかな?もしかして、私の自己満足!? と。。

ビジネスの質問でなくて、すみません。永江様と私の母では、住む世界も金銭感覚も全然違うと思うのですが、何とかアドバイスを頂けたら…と思いました。

永江一石さんの回答

一見とても良い話に見えるのですが、私がお母さんの立場なら「そんなことするよりもっと自分のために使って欲しい」と思いますね。「物をあげると喜ぶゲンキンなタイプ」とありますが、単純にプレゼントが嬉しいのか自分の誕生日や記念日を忘れずにいてくれる気持ちが嬉しいのかを見極める必要があるのではないでしょうか。

もし後者であれば、お母さんにとっては質問者さんの気持ちが一番嬉しいのであって、豪華な旅行など望んでないかもしれませんよね。「病気で働けない時期に親のありがたみを感じたのでお返ししたい」と言っても、質問者さんが健康になったことが一番の恩返しだと思っているかもしれません。

もちろん復職後バリバリ稼いで十分な余裕があるなら別ですが、そうでなければ無理して旅行に招待しても親としては嬉しさより心配が勝る恐れがあります。

洋服や靴と違い、家族旅行を全額出すってかなりの負担になるので、そんなお金があるなら将来のために蓄えたり、自己投資して欲しいと思うのが親心ではないかと推測・・。

もし前者であっても、旅行で浪費するよりこれで好きなもの買ってと預金通帳を渡した方が喜ぶかもしれません。逆に貯金してなにかのときに「あなたにもらったものだけど」と返してくれるかもしれないですが・・・。

もしくは後々換金出来る保険を契約してもいいですね。「自分は元気になったから今度はお母さんが健康診断受けてね」と15万くらいのフルセット健診をプレゼントするのもアリだと思います。

まとめると、身の丈を超えた親孝行はただの自己満足かもしれないということ。

親は本当にそれを望んでいるのか、もう一度よく考え直した方がいいと思いますよ。本当に喜んでいるのか、それともあなたを喜ばせようとしているのか、そこをきちんと見ないといけないと思います。

もちろん消費は景気の拡大につながるのでどんどんやってほしいのですが、無理してまでやっても意味ないわけです。

image by: Shutterstock.com

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商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。

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