お子さんに習い事をさせている親御さんは多いと思いますが、その習い事は本当に「お子さんのため」にやっているのでしょうか? 今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、「教育費を無駄にしない習い事の決め方」を紹介しています。
聖域に目標を
さて、本日は聖域のお話。あ、アヤシい話じゃないですよ。「教育費」です。
家庭全体の運営のためのお金、家計。シメるところはシメて、かけるところはかける。とカッコ良くいきたいところですが、それを阻む聖域が教育費です。なにせ大義名分がありますから。そう、子供のため(^3^)♪です。親の心を抉る言葉ですよね。こう言われてこころの動かない親は、めったにいないはずです。
特に比較的高所得のご家庭で、つまりお金が出せて教育の重要性をよく認識している家庭で教育費が高額になりすぎることがあるようです。大義名分もある上に重要性も認識していれば、そういうことにもなりやすいでしょう。
子供の教育費には、いろいろなものが含まれますがザックリ分けて
・勉強系
と
・習い事系
があります。勉強系とは、塾や家庭教師、参考書代のことで解りやすいですよね。モンダイは、意外となのかやはりなのか
・習い事系
の方です。現代の日本には、たくさんの習い事がありますよね。スポーツひとつとっても、サッカーやバスケ、水泳、空手、剣道、バレエ、新体操なんていうのもあるかもしれません(*^O^*)。
このため、どの習い事をさせるのかは、各家庭に依るのですが、あまりにも選択肢が多いので、親の側で軸がブレやすいんですね。ちょっと子供が出来たりすると
「この子には才能があるのかも!」と欲目で見て…あ、いや期待が高まってしまってどんどん鼻息が荒くなっちゃったりするんですよ(^Д^)。軸がぶれると、無意味にたくさん習い事を増やしたり関心を失っている子供のオシリを叩き続けて長期間習い事を続けさせたりしてしまうんです。
また、近所や仲のいいご家庭が通わせている習い事はついやらせたくなってしまうんです。日本特有の同化圧力習い事ってヤツですかね。
子供のためにと思って通わせ始めた習い事がいつの間にかなんのために誰のためにやっているのか解らなくなり、時間とお金だけが浪費されていくことはよくある悩みなんです。
よくあるけど、なかなか脱出できない悩みをどうするのか。これを防ぐためには、習い事の目標をハッキリさせることです。この目標は
・長期・中期・短期
を分けて考えると良いようです。たとえば、ピアノを習うことを例に挙げてみましょう。Aさんのご家庭では長期目標を
・世界的なピアニストとして活躍する
と設定したとしましょう。こうなると、
・中期の目標はコンクールでの入賞
でしょうし
・短期の目標は、ソナタを弾けるようになる
ということになるでしょう。
この場合、ピアノを止めてしまうわけにはいきませんね。目標がピアニストですから。どうしても止めるなら長期目標自体を見直して、別の楽器にしたり、あるいは全く別の才能を開発していくことになるかもしれません。ま、著名な音楽一家に生まれた子供だったら、実にアリな話です。
他方、Bさんのご家庭では長期目標を
・目的達成力のある人間になること
と設定したとしましょう。
これだと、
・中期目標は課題曲を弾けるようになること
で
・短期目標は、毎日練習すること
くらいになると思います。この場合、ピアノがキライなら全く別の習い事でもいいですよね。だって他の習い事でも、努力して的達成力を培うことは可能だからです。楽器でさえある必要はなく、水泳でもサッカーでも絵画でも構いませんよね。
このようにAさんとBさんでは、全然違います。どちらが良い悪いの問題ではありません。ですが、目標をハッキリ持たないせいでこの二つがごちゃまぜになった状態の習い事は少なくないでしょう。
初めはBさん的な目標だったのに、いつの間にかバイエル後半でウロウロしている子供を叱ったり発表会でご近所さんの子供より簡単な曲しか弾けなかったといって落ち込んだり。あるあるでしょ?
AでもBでもいずれでもイイんです。ただ、明確でムリのない目標を持っていれば、習い事についてブレる危険が少なくなるはずです。
家計の聖域、教育費。聖域にも目標を設定して。そうすれば無制限な支出を抑えられますよ。
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