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【書評】なぜ知識や知性だけにこだわるとプレゼンは失敗するのか

資料も論理展開も完璧、それでもなぜかプレゼンがうまくいかない…。そんな悩みを抱えている方、もしかしたらそこにあるのは「知」だけで、「情」や「意」が足りていないのかもしれません。今回の無料メルマガ『起業教育のススメ~子供たちに起業スピリッツを!』では、著者で長く人材育成に携わってきた石丸智信さんが一冊の本を紹介しつつ、「知・情・意」をバランスよく磨いていくことの必要性について記しています。

物事を考える時、何を重視していますか?

 『本質をつかむ思考法
高萩徳宗 著/中経出版

以前拝読した書籍の中に、伊藤真氏のご著書『本質をつかむ思考法』があります。その中では、書名にあるように思考、考えることについて内容が著されていました。

本書の中で、考える時には、「知・情・意をバランスよく磨いていくことの必要性について著されている部分がありました。産学などにおいて、一人ひとりが自ら考えることが求められる中で、本号では、この「知・情・意」の3つについて取り上げながら、考えること、試行することについて考察していきたいと思います。

著書の中で、伊藤氏は、「知」「情」「意」について、それぞれこのように著されています。

では、私たちは、一般的に何か物事を考える時、この3つの中で、どれを重視しているのでしょうか。「考える」ということをイメージすると、知識や知恵などの「知」の部分に焦点を当て、重視する傾向にあるのではないでしょうか。

伊藤氏は、著書の中で、このようにも著されています。

「考える」とは、知性や理性だけで進められるものではありません。

人間が考える際には、知性だけでなく、感情や意志といったものも大きな役割を果たしているのです。

改めて、考える時のことを少し振り返ってみると、自分の感情などをあえて排除して、データなどの事実のみを取り上げて、「の部分を活かして、論理的に考えることもありますね。また、何らかの感情であったり、意志や意欲などが動機づけとなって物事を考えることもあるのではないでしょうか。

例えば、「もっと工夫したい」「もっとこうしたい、ああしたい」などと意志や意欲などを持つことで考えることがあるでしょう。

また、「人の笑顔を見るとうれしい」「難病の子どもを見ると悲しい」「○○だと不安だ」「こういった対応をしてくれてとても感動した」などというような感情によって、「相手を笑顔にするにはどうしたらいいか」「難病の子どもたちを楽しませるにはどうしたらいいのだろう」などといったように解決策を考えることにつながることもあるでしょう。

この「知・情・意」のバランスをとるということは、考える時に限らず、その他の様々な場面においても活用できるように思いました。例えば、相手へ提案するためのプレゼンテーションでも使えそうですし、新規事業を考える時であったり、面接・面談であったり、そういった場面でも活用できるように思います。

では、プレゼンテーションについて考察してみましょう。データなどが多く盛り込まれているような知識や知恵などの「だけに焦点を当てた論理的で理路整然としたプレゼンテーションを聴いたとしたら、どのように感じるでしょうか。

感じ方は人それぞれとは思いますが、知的で説得力があるかもしれませんが、すこし冷たい感じを受ける人もいるかもしれませんね。この知識や知恵などに、自分の感情を交えたり、自分の意志や意欲を伝えるなど、「」をプレゼンテーションに加えることにより、人間味がプラスされ暖かい感じがするように思います。

とは言うものの、もし「だけのプレゼンだとしたらどうでしょうか。人間味はあるけど、データや数値などの「知」の部分がないために、相手に対する説得力に欠けてしまうように思います。

時流としては、論理的思考に重きが置かれる傾向にあるように思いますし、それによって、知識や知恵などといった「知」の部分が重視されているように感じます。

しかし、物事を考えることにしても、相手に何かを提案するにしても、「知」の部分だけに焦点を当てるのではなく、感情や感性、情緒、感動などの「情」の部分と、意志や意欲、意地などの「意」の部分を合わせるなど、今後は、「知・情・意の3つをバランスよく磨いていくことが大切ではないでしょうか。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 いしまるとものぶ 【発行周期】 週刊

 
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