「算数が苦手!」というお子さんをお持ちの親御さんに朗報です。今回の無料メルマガ『親力で決まる子供の将来』では著者で漫画「ドラゴン桜」の指南役としても知られる親野智可等さんが、算数の力を伸ばす3つの方法を紹介。算数の力もつく上に、子どもと親の繋がりも強まるという一石二鳥の裏ワザとは?
算数の力を総合的に伸ばす3つの方法とは?
算数の勉強で大事なのは計算力と数学的思考力の2つです。この2つは車の両輪のようなものであり、どちらも共に大事です。
計算力しか鍛えない勉強は偏ったものであり、算数の力を総合的に伸ばすには不十分です。同じように、思考力のみを重視して計算力を軽視するのも偏った勉強です。
そして、計算練習をたくさんすると思考力がなくなる、ということもありません。むしろ計算力は思考力を補うものです。計算が素速く的確にできることで、思考がより円滑に行われるようになります。
計算力をつけるには反復練習が欠かせません。その際は、子どもが飽きないように、楽しく反復練習できるように工夫してあげてください。時間を計って記録し、新記録が出たら大いにほめる、という方法は効果抜群です。計算力の反復練習にはスポーツのトレーニングと似た要素がありますし、子どもたちは自己新記録に挑戦することが大好きなのです。
「がんばって練習すればできるようになる」「自分はがんばることができる。目標を達成できる」ということを身を以て学ぶことができます。親にとってもほめる材料ができて、毎日ほめることができます。子どもは自己肯定感を持つことができますし、ほめてくれる親の愛情を実感することもできます。
目先を変えて飽きさせないようにするためには、電子器機や学習ソフトによる反復練習も効果があります。
数学的思考力をつける方法としては、よく文章問題を解くことが推奨されています。私もその通りだと思います。ただし、かけ算の単元の時にはかけ算の文章問題しか出さない、というようなやり方では効果がありません。学校や塾の授業やテストでも、あるいは通信教育の教材でも、このようなやり方がとても多いのです。
でも、これでは子どもたちの力がつきません。子どもたちは、「かけ算の単元のときにはかけ算の式で解けばいい」と知っていますから、思考力などつかないのです。本当に力をつけるには、かけ算の単元でも、足し算、引き算、わり算などの文章問題が混在するように教材を作るべきです。「これはどういう式で解くのか」を考えることが一番のポイントなのですから。
数学的思考力をつけるために、文章問題と並んでもう1つ効果的なのがパズルです。算数パズルといわれるパズルです。算数パズルを解くためには、自分の頭と手を使って試行錯誤しながら考えます。仮説を立てて計算したり、単純な要素に分解したり、要素を移動したり組み替えたり、別の角度から見たり、論理的に詰めて考えたりします。この試行錯誤が数学的思考力を鍛えてくれるのです。
もちろん、「パズル」ですから「遊び」です。算数パズルとは、数、図形、論理などの問題を「遊びとして解く」ものです。でも、「パズル」だから「遊び」ということになっているだけで、扱っている問題内容は本質的に算数の問題内容と何ら変わりはありません。
ですから、数、図形、論理の問題を解く力をパズルで鍛えることは、算数の力を上げることに直結します。算数とは数、図形、論理の問題を「勉強として解く」ことに過ぎないからです。
まとめます。算数の力を伸ばすためには、次の3つに心がけてください。
- 楽しい反復練習によって計算力を鍛える
- いろいろな種類の問題が混じった文書問題で思考力を鍛える
- 算数パズルで思考力を鍛える
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