「スキルが高いからあの人はデキる社員だ」といった発言、よく聞きますよね。ではその「スキル」とはいったい何を指すのでしょうか? 今回の無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』では著者の佐藤しょ~おんさんが、スキルの定義付けを紹介するとともに、その磨き方を記しています。
スキルとはパターン認識である
スキルとは一般に「何かを自分の意志の通りに変化、変形、加工させる」能力のことです。これは冷静に考えてみたら理解出来ますよね。
仕事とはインプットがあって、それを加工、処理して、相手の要求通りのものに変化、変形させて納品するんですから。
料理人なら、肉や魚といった素材を加工して、一皿の料理にする。データが一杯詰まったエクセルのワークシートで分析をして、必要な数字を集計する。お客さんからの問い合わせというインプットを受け取って、解決、納得というアウトプットに変化させる。お客さんとのコミュニケーションというインプットから、相手のペインを見つけてそれを解決するものを提供しておカネをもらうというのも、広義の意味ではこれに当てはまります。
そういう一連のスキルをどうやったら磨けるのか、という問いがビジネスの場ではいつでもあるんですが、そもそもその問いって、
● スキルとはなんぞや?
が分かっていないとピントがズレるんです。だからここで書いておきますけど、スキルとはパターン認識なんです。
ある場面、あるインプット、ある要求という加工前の何かと、加工後にこうあれかしと考える理想像というふたつの情報があった時に、このインプットのどこをどのようにいじくったら、自分が欲しい、作りたい理想像になるのかを考えられるのがスキルなんです。
そしてそれはいつでも、一定のパターンで出来ているんです。パターンとは法則、ロジック、手順、何をどうしたらどうなるという流れ全体のことです。
料理ならば、
- 材料をキレイに洗う
- 頭を落とす
- 骨を取る
- 内蔵を取る
- 必要な大きさに切る
- 盛り付ける
というパターンでお刺身が出来上がるわけです。これなんて完璧にパターンですから。
コンサルとか問い合わせ、クレーム処理、医者なんてのも同じくことをやっていて、話を聞いて、データを集めて、そこから状況や原因に切り分けて、それを分類して既に対処方が分かっているパターンごとに、「こうしたらどうなる」という処方箋を当てはめて行くだけですから(もちろん細かな条件分岐はたくさんあるんですよ)。
問題は、そのパターンをどれだけ持っているのか? だけなんです。
この抽斗をたくさん持っている方が有利に決まっています。だってどんな状況になっても、それがどんなに複雑で困難なように見えても、
● この場合には、まずはこれをやって、次にこれをやって、最後は…
とやっていくと必ず解決する、と分かっている人には全然困難じゃないんです。手順が長かったり、面倒な作業があったり、作業の中に別の作業が入れ子状態になっているというだけの違いなんです。やっていることは、方程式を計算するのとほとんど同じなんです。
ですから、仕事が出来るようになりたければ、今やっている仕事をパターン分類するのですよ。そういう意識を持って仕事を眺めるのです。漫然と手を動かすのではなく、
● あれっ? これって前回のケースとはパターンがちょっと違うぞ
みたいなところに見つけようとするのです。
普通の難易度の仕事なら、1年とか2年もやれば、勝手に脳みそにそんなパターンのマップ(地図)が出来るんですが、これを意識してやると3ヶ月で脳内に地図が出来ますから。それを出来る人のことを「仕事が出来る人」と呼ぶのですよ。
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