過熱する「ふるさと納税」の返礼品競争は、総務省の通達でおとなしくなったかと思いきや、それを無視して納税額を伸ばしている自治体が後を絶たないのが現状のようです。過疎化が進む地方の自治体も、税収確保のために、なりふりかまっていられないという事情もあります。無料メルマガ『音多秀茂の【富と成功の5つのタネ】』の著者・音多さんは、自身のメルマガ内で「ふるさと納税を通じて会得する、価値あるものを見定める力」という面白いテーマについて論じています。
ふるさと納税で拡げるお金の価値観
今日はお金のタネからお金の価値観シリーズをお伝えします。
今回お題とするのは「ふるさと納税」を使ったお金の価値観の広げ方。ふるさと納税は以前簡易マニュアルをお伝えしていますので、やり方が良く分らない方はご覧下さい。
● へぇやってみようかな。10分でできるお得な「ふるさと納税」
2019年にはさらに消費税が上がりますので、今のうちから節税対策を見につけて置きましょう。今年分の納税はまだ間に合います。
さて、私がふるさと納税を始めて早4年が経ちますが、私の場合は毎年2月頃に申し込みを済ませてしまうようにしています。年初に済ませておけば申込み忘れがありませんし、また返礼品が忘れた頃に届くのもまた良いものです。ちなみに今までは主に食材系の申し込みをする事が多く、去年は北海道の当麻町に念願の「でんすけすいか」を送って頂きまして、あれは絶品でした。
その他おススメは長野県豊丘村の桃も美味しかったですねぇ。こうした人気商品は申し込みが遅れるとすぐに枠が埋まってしまいます。なので年初に申し込みを済ませておくのが良いでしょう。
…しかしながら、今年はこうした食材系には一つも申し込まず、食器類や寝具などを申し込みました。というのも今回お伝えする内容を自分でやっていたら、価値観が変わったからです。
では早速ですが今回おススメしたいお金の価値観の拡げ方とは何か?
それは、ふるさと納税の返礼品を選ぶ際に、
- 最も高額な寄附金額で得られる返礼品を眺める事
です。これ、給与所得を得ているサラリーマンの方であれば、自身の納税枠と乖離し過ぎていて見る機会が無いかもしれませんが、この超高額の返礼品を眺める事が富と成功を掴むのに一役買ってくれるんです。
例えば定番のふるさとチョイスで寄附金額の選択項目を見ると、最低額は2,000円から始まり、最高額は100万円以上となっています。
ふるさと納税は普通、自分の年収ベースで考えて得する納税額を選ぶ事から始めます。例えば総務省のHPで年収500万円の独身者であれば6万円迄の返礼品受取りが2千円で済んでしまう事が分ります。単純計算では5.8万円の節税が可能というわけですね。
すると「6万円という限度額の中で、何を選ぶのが一番お得か!?」という点にだけ思考が集中してしまい、1万円や2万円の返礼品の中から最も返戻率の高い商品を選ぶ事がふるさと納税の全てになってしまうんですね。私のこれまでの4年間がまさにそんな感じだったわけです(笑)。だって元々「節税」の為に始めたアクションですから、そういう考え方で問題無いわけですしね…。
ですから今回お伝えするのは、そうした基本から一歩枠外に足を延ばすアクションです。節税目的のふるさと納税を利用し、豊かなお金の価値観を得る為の活動へと目的をシフトチェンジしていきましょう。
ではとりあえず先程述べたように、最も高額な寄附金額で得られる返礼品を眺めていきましょう。寄附金額の選択画面で最高額の「100万円~」にチェックを入れると何が出て来るか? こんなものが出て来ます。
● ふるさとチョイス
これ、私が今年の始めに見た時は数が少なかったんですが、7月現在では500件近く登録されています。6月に見た時は470件でしたから毎月登録が増えているようです。
但しこの画面をただ眺めていてもあなたの身には何も起こりません。今回お伝えするお金の価値観の拡げ方とは、ある前提に基づいてこの画面を眺める事なんですが…。
その前提とは、
◆ あなたの年収が今の10倍だったらどの返礼品を選ぶのか?
という視点で眺める事。そして大事なのがここから始まる以下の思考です。
年収が10倍になるとすれば、年収500万円の人なら5,000万円、1,000万円の人なら1億円をベースに納税枠の上限を算出する必要が有ります。
実際にあなたが5,000万円、1億円といったの年収を得た場合、真っ先に驚くのがその納税額(所得税、住民税)の大きさです。所得形態にもよりますが、一時的な雑所得で得たお金なら最大で55%も納税額となりますからね。55%という事は5,000万円の所得のうち約3,000万円が税金に持って行かれるという事です。
ですから、そのうち少しでも手元に戻す方法は無いかと必死に考えるはずなんです。そんな時にふるさと納税をすれば、本来納めなければいけない税金の一部を節税出来ます。単純計算では5,000万円の所得で3,000万円納税するうち、約200万円をふるさと納税の返礼品で取り戻す事ができます。
とまぁ、こうした思考をあなたが自分の年収を元に考える事で、お金の価値観が拡がっていくわけですね。
では実際の高級返礼品を見てみましょう。あなたは必要に迫られて納税で消える分を返礼品として貰いたいわけです。ですからここでは自分にとってきちんと価値のあるものを必死に選ぶ必要があります。もちろんそれを現金化する事も考えるでしょう。
しかし実際にそうした視点で見てみると、本当に欲しい物、自分にとって価値のある物があまりに少ない事に気づくと思います。例えば100万円を超える寄付額で出て来るのは、
- 高級箪笥:100万円
- アルミ製ガラス温室:100万円
- 食器や陶器:100万円
- 高級真珠:100-200万円
- 産業用ドローン:130万円
- 羽毛布団:162万円
- 高級屏風:150万円
- グランドピア:800万円
- 高級絵画:1,000万円
などですが、まずなかなか趣味に合わないものばかりでしょう(苦笑)。
何の前提も無しにただ眺めていた時は「いいなぁ~、スゴイなぁ~」と溜息が洩れて、羨ましくなっていたかもしれませんが、こうしたリアルな視点をかませて見ると、本当に必要な物はごく少数である事に気が付くと思います。
食材系で「黒毛和牛200万円」なんてのもありますが、定期便で毎月送られてきても果たして食べきれるかどうかわかりません。
あとはイベント系で、
- ふるさと結婚式:100万円
- 長崎検番と東京で優雅に過ごす:130万円
- 花火打:150万円
- 四国88か所霊場巡礼:200万円
などもありましたがどれも微妙。「長崎検番と東京で優雅に過ごす」は面白いと思って原価を調べたら、返戻率は3~4割程度。他の高級納税品目も同じような感じで、特に絵画なんて1,000万を超えるものもありますが原価を考えたら納税できません。
とまぁ高級返礼品ほど元を取ろうとしたら難しい事も分るわけですが、こんな視点で一度高額納税者になったつもりでふるさと納税品目を選んでみて下さい。あなたの寄附可能額が山ほどあっても、交換したいと思える価値ある物が少ない事に気付いた時、あなた自身にパラドクスが起こります。
それはお金がどんなにあっても、それを有意義に使える対象が世の中には意外と少ない事です。今回あなたがそこまで腑に落ちるかどうかは分りませんが、本当に湯水の如くお金を使える成功者になるとそうした感覚が起こるわけです。
その感覚を今のうちに感じる事が出来れば、真に価値ある物にだけに投資する選定眼も身に付きますし、富と成功を得た人達がどんな感覚で生きているかをリアルに体験する事も出来るんですね。
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