ビジネスでの人間関係には信頼や信用が第一です。それをわかっていながら、なぜか返事や対応を後回しにしてしまう人がいますが…、無料メルマガ『ビジネス真実践』の著者で戦略コンサルタントの中久保浩平さんは、そんな人は自から進んで信頼を失っていると批判、たとえどんない忙しくても迅速に対応するのが基本だと記しています。
返事や対応の遅い人は…
仕事をしているとこんな場面、ありませんか?
A 「こないだ打ち合わせした件、どうなった?」
B 「あっ、すっかり連絡するのを忘れてました(汗)」
とか、
A 「先日、お願いしておいた件ですが、いかがでしょう??」
B 「あっ、すいません。バタバタしてましてまだ検討できていません(汗)」
とか、
A 「先日ご依頼頂きました件についてのお見積もりを出してから2週間経ちますが、いかがでした?」
B 「あっ、あれね。まだちゃんと見てないや」
など。このように頼んだことや伝えたことに対してBのようなタイプの人が時々います。そして、言い訳に挙がってくるのが、
「バタバタしてまして…」
「うっかりしてました。」
「出張が続きまして…」
など、自己都合によるものが大半。仕事を依頼したり、企画を提案したり、問い合わせをしたりあるいは、依頼を受けてそれに応える側にとっては、たまったもんじゃありません。イライラして余計なストレスを抱えるだけならまだしも、ある意味、その相手に裏切られたって感じてしまうこともあるでしょう。
相手のことを信用して、仕事を依頼をしている。相手の力量を見込んで、提案をする(あるいは依頼を受けて提案や見積もりをする)。相手のことを信頼して、問い合わせをする。
完全に抜けていたり、反応が遅れる、遅いということは、こうした信用や信頼を台無しにしてしまうのです。たとえどんな些細なことでも、迅速に対応し、返事をするのがマナーです。忙しければ忙しいということを相手に伝え、返事がその分遅れる、とか、いついつまでに返事します、ということくらいはできるのです。それすらやらないというのは、自ら信用を失っていっているのと同じです。
たとえ返事に期日が決められていなくても、
「相手にしてみれば早く返事が欲しいと思っているのでは?」
「この返事によって、相手は判断し次の行動に移すのでは?」
と考えれば、返事くらいはできるはずなのです。ましてや、自ら「いついつまでにやっておきます」といっておきながらその期日が来てもなんの報告も連絡もない、という人もいます。最近も1つありました。相談依頼をして下さったとある経営者、いついつまでに必要な書類を提出します、といっておきながらその期日を平気で破り、その後一切連絡がありませんでした。こうした経営者は相談に乗る以前の問題です。
このようなことでは相手からの信用は完全に無くなります。印象が悪くなるなんて甘いもんじゃありません。特に現在はメールやLineでのやり取りが主流ですが、一言二言返信するのに、1分も掛かりません。その1分を
「まっ、あとでいいや」
「これが片付いてからでいいや」
「今日は疲れたから、明日にしよう」
となってしまうと、危険です。相手からの信頼や信用は時間と共に磨り減っていきます。お客様はもちろん、取引先や社内間での問い合わせ、依頼、提案、案件に対するやり取りなど、メールに気づけば、その日のうちに返信するのが原則です。返信時間を遅らせてしまっている分、相手は身動きが取れないということも十分に考えられるのです。つまり、相手のその時間を奪っているのと同じです。
逆に反応・対応の早い人もたくさんいます。明らかに忙しいだろうという人に多いのが特徴的です。こうした人は、忙しいからできるときにできることをやっているパターンが多く、自分が忙しいからこそ時間の価値を十分に理解していて、相手にとってもそうである、ということが自然と身に付いています。いわゆる相手への配慮が行き届いている人です。だから、人から信用も信頼もされるし、仕事が忙しいのです。
たかが、返事と思う人もいるかも知れませんが、返事は、大切なコミュニケーションです。返事や対応が遅ければ遅いほど、相手の時間を奪っていることになります。コミュニケーション能力を高めるノウハウ本を読み漁ったりセミナーに通う前に、まずは、自分自身の対応や返事の早さを疑ってみましょう。
■今日のまとめ
『返事や対応が遅ければ信用や信頼を失っていく。』
- 取引先やお客様、あるいは社内間における返事や対応を早めることで相手にどのようなメリットがあるか? 考えノートに書き出す。
- 逆に対応や返事れが遅ければ相手にどんなデメリットを与えてしまうか? 考えノートに書き出す。
- 上記2点を社内で話し合う。
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