「過去や他人は変えられない。大切なのは自分と未来だ」。カナダの精神科医エリック・バーンの金言です。しかし…、わかっていても、私たち人間は他人の言動に反応し、ついついイライラ・ムカムカしてしまうものですよね。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、ちょっとの工夫で常に心穏やかでいられる対処法を紹介しています。
なぜか夕食のあと
さて、本日は改めてビックリなお話。
いや、実際ね、自分以外の他者と一緒に毎日毎日仕事したり食事したり掃除したり眠ったりしていれば
「イライラ! ムカムカ!!」
とくるのってフツーだと思うんですよ。このイラムカがなければ、日常生活はどれほど楽しく穏やかなことか。そう思うのは私だけじゃないよね。
でね。このイラムカ退治について、いままでとは違う対策を立ててみたんです。
フツーは「●●をやってストレス発散!」みたいな話しですよね。でも、これじゃストレス自体の発生は防げず、いわば後手に回った対策なんですよ。イラムカとくるだけで十分ストレスなんだから、この発生自体をなんとかしたいんです。
でね。やってみました。まず、自分がどんな感情を持っているのかを
- 記録
してみるんです。
「は? キロク?(@@?」
と思いました? ここがそもそもひとつめの大事なポイントなんですよ。自分のキブンや感情って、記録したことナイですよね? たとえば
- 子供が電車でギャン泣きした!
- 乾いている洗濯物を誰もたたまない!
- 義理両親がシュミじゃない服を送ってきた!
- トイレットペーパーが補充されてない!
- 子供が壁に落書きした!
- ゴミ出しの仕方が悪いって注意された!
などなど。些細で数えきれない日常の出来事で、キブンが悪くなったりしますからね。
ところが、人間はネガティブな出来事を
- より強く覚えている(◆_◆)
悲しい生き物です。つまり、逆に言えば、ネガティブな出来事の数自体は
- それほど多いわけでもない
ということです。人間は、大した数でもないのに、選択的にネガティブなことを『繰り返し』思い出し、
- 不快な感情を勝手に再生産している
可能性があるのです。いや、実にハタ迷惑にして不幸な話だわ。
ところが、これはアタマで理解していても、なかなか実感できないんですよ。なので、記録してみたんですよ。自分の気分を。
記録するのに難しいことはなく、
- わーい(^0^)
- ムカムカ(`皿´)
- イライラ
- くすーん(T_T)
- ウフフ (^ー^)
- ガッカリ
- ひどい (▼_▼)
と感じた時に、さっと
- その気分と出来事をメモって
おくんです。あるいは、ランチタイムや夜寝る前などちょっと落ち着いて今日を振り返る時につけてもオーケーです。その場合には、おそらくその日の出来事三つ四つくらいをピックアップして記録することになるでしょう。
それで十分です。
ちなみに、この記録のためにピッタリのアプリがあります。
というアプリです。ま、手帳にメモるのもアリですが、最近はやはりアプリの方が便利でしょう。
で、毎日キブンをこつこつと記録します。そうすると、アタリマエですが、あなたのキブンの記録が出来上がるわけですよ。
この「しばらく」は、少なくとも数日、できれば1週間以上あるといいです。データですから、ある程度のボリュームがないと意味がナイんですよ。多ければ多いほどいいです。で、次にそれを
- ポジティブとネガティブに分類
してみるんですよ。わーい! とか嬉しい! とかありがとう♪ みたいなのがポジティブです。逆に、むかつく~! とかメソメソ…とかうじうじ…などがネガティブです。いいですよね?
で、この分類をつくづくと眺めてみるんです。あ、いや、眺めるっていうのは、詩的な表現かな。要は、
- 何か共通項はないか探す
んです。ある感情が立ち上がったときに、なにか共通することはないでしょうか。たとえば
- 「ムカつく」のは、朝に多い
- 「怒る」のは、ママ友関連
- スタバのフラペチーノを飲むと「幸せ」になる
- 「嬉しい」の大半が上司に褒められた時だ
- 寝る前にヨガをやると「達成感」を味わう
などなど。なんでもいいんですが、特に
- 時間帯
- 相手
- 場面
- イベント
などに注目すると、共通項が見つけやすいです。
このとき気をつけたいのは、細かなキブンの違いは無視するようにしてください。ざっくりポジティブかネガティブかくらいに分けておくくらいがちょうどイイです。
この共通項を見つけることは、あなたが気分良く毎日を過ごすために非常に重要ですよね。
ちなみに必ず共通項はあります。人間のキブンや感情のバリエーションは無限じゃないもん。いくつかの種類のキブンや感情を、同じくいくつかのパターンのシーンで繰り返しているだけなんです。
そして、更にチェックしてほしいのが、
- ポジティブとネガティブの比
です。キブンや感情をザックリとポジティブとネガティブに分けてみて、その比率はどうなっていますか? ありうるのは
- ポジティブ大:ネガティブ小
- ポジティブ = ネガティブ
- ポジティブ小:ネガティブ
の3パターンでしょう。ここで当然問題なのが最後の
- ポジティブがネガティブより小さい
パターンです。このパターンだと、毎日
- ネガティブなキモチで過ごしている
ということです。辛いよね。
この場合、どうするのかと言えば、まずは
- ポジティブなキブンを増やす
ことです。これは比較的簡単ですよ。
ネガティブな感情ばっかりが立ち上がっている人はいないわけで、回数は少なくてもポジティブな感情が立ち上がることだってあるはずです。そこで、ポジティブな感情が立ち上がったときの共通項を見つけ出し
- 意図的に再現する
んです。たとえば、ワタクシ。私は
- 美味しいものを食べたとき
に「幸せ♪」になるパターンが多いんです。ということは、私の場合、凹むようなことが起きたりネガティブな感情が立ち上がったら、まずは
- 美味しいものを食べる
んですよ。すると、ほら、直近の美味しいものがネガティブな感情を和らげてくれるわけです。オットには、コレを見破られていて、
- コイツの機嫌を取るには、旨いメシ…
と思われているようです。いやだわ、そんな安い女のつもりはないのに。
ちなみに、私の場合、もうひとつのハッキリした傾向は
- 夕食後にすぐに後片付けを始めると機嫌が悪くなる
ということです( ̄∇ ̄)。なんでなんだろう、解らない。理由は解らないけど、とにかくそうなんです。なので最近では、夕食後にすぐに片付けず、ちょっとだけピアノを弾くようにしています。すると、あっさり解決。なんだかカンタンだわ~。
もうひとつは、
- ネガティブなキブンばかりに注目しない
ことです。ネガティブなキブンや感情ばかりが立ち上がっているという方は、ネガティブなコトばかりに
- 自分自身で選択的にフォーカスしている
可能性が高いんです。いや、これは経験上そう言えます。1日終わって、楽しいことや嬉しかったこと、幸せなキブンを思い出せず、あるいは
- こんなことくらい大したことない(▽_▽)~3
とポジティブなキブンや出来事を
- 軽視する
んです。ネガティブなキブンや出来事は、あれもそれもこれも重視するくせにね。
自分がネガティブばかりにフォーカスしているのではないかと疑ってみてください。方法としては、これの方が難易度高めですがこっちの方がずっと効果があります。是非そのクセは治しましょう。
毎日を穏やかに過ごすためには、キブンや感情をコントロールすること。記録はそのための第一歩ですよ。
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