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冷戦開始。米中覇権戦争の本格化が日本に与える好影響と大打撃

10月4日に事実上、中国との冷戦開始を宣言したペンス米副大統領。いよいよ米中覇権戦争が本格化すると見られますが、これを「日本にとってよいニュースであり、悪いニュースでもある」とするのは国際関係ジャーナリストの北野幸伯さん。北野さんは自身の無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』にその理由を記しています。

米中貿易戦争の影響がではじめた中国

米中貿易戦争が米中覇権戦争に転化してきました。これは日本にとって、「よいニュース」であり、「悪いニュース」でもあります。

なぜ「よいニュース」?アメリカが本腰を上げて中国打倒を目指している。その中国は、「日本には尖閣だけでなく、沖縄の領有権もない!」とトンデモ主張している国です。完全証拠はこちら。

反日統一共同戦線を呼びかける中国

これ、口だけでなく、「マジ」です。たとえば…。

中国公船4隻が日本領海に侵入 尖閣諸島の魚釣島沖

朝日新聞DIGITAL11/11(日)15:04配信

 

11日午前10時5分すぎ、沖縄・尖閣諸島の魚釣(うおつり)島沖で、中国海警局所属の公船「海警」4隻が日本の領海に侵入した。海上保安庁の巡視船が退去を求め、正午ごろまでにすべて退去した。

こういうニュース、あまりにも頻繁すぎて、いちいちメルマガで取り上げられない。テレビニュースにも出ないのではないでしょうか?

そもそも、中国は、「アメリカ、ロシア、韓国と一緒に【反日統一共同戦線】をつくって、日本を破滅させよう!」と提案し、実際に動いている国です。だから、「アメリカが動きだしたことはよいニュース」なのです。

では、なぜ「米中覇権戦争」がはじまったことは「悪いニュース」でもあるのか?「景気が悪くなるから」です。

米中は、共に核大国。それで、大きな戦争(戦闘)には、なりにくい。そのため、戦争の形態は、「情報戦」「外交戦」「経済戦」などがメインになります。トランプは、「経済戦」からはじめました。「経済戦」の目的は、「中国経済を破壊すること」。その中国は世界第2の経済規模である。そうなると、当然、全世界に影響が波及し、日本も大きな打撃を受けるでしょう。

貿易戦争の影響がではじめた中国

ところで、「貿易戦争の影響」がでてきたようです。こちらをごらんください。

中国新車販売台数が前年割れ 1~10月、景気失速影響

 

【北京共同】中国自動車工業協会が9日発表した1~10月の新車販売台数は前年同期比0.1%減の2,287万900台となった。新車販売は減少傾向が鮮明で、通年でも前年割れとなる可能性が出てきた。

「…影響っていっても、前年同期比0.1%減なんて大したことないのでは???」と思えますね。しかし、こちらをごらんください。

中国の新車市場は長らく右肩上がりの傾向が続いてきたが、足元の景気失速の影響が新車市場にも及び始めたもようだ。10月単月の新車販売台数は、前年同月比11.7%減の238万100台だった。
(同上)

10月は、前年同期比11.7%減(!)。これは、もう深刻ですね。

今年前半はプラスの傾向が続いたが、7月以降、単月ベースで4カ月連続のマイナスとなった。10月の内訳を見ると、乗用車が13.0%減の204万6,800台と大きく落ち込んだ。
(同上)

今年前半はプラスだったので、1~10月では、前年同期比0.1%減。しかし、7、8、9、10月と4カ月連続でマイナス。10月の乗用車販売台数は13.0%減(!)。これはもう、「大変なことになってきた」といえるのではないでしょうか?

RPEでは今年ずっと「危機が近づいているので備えましょう」という話をしています。そして日本は、

という二つの大ネガティブ要因を抱えている。皆さん、冬への準備を怠らないようにしましょう!

image by:360b / Shutterstock.com

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【著者】 北野幸伯 【発行周期】 不定期

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