人気講師が語る、学校で数学嫌いになった人が数字を理解する方法

1分で1つのことを最大3つの要素で説明する

──もしかしたら、「ロジカルプレゼンテーション」という言葉(横文字)すら要らないのかもしれないなと、お話を聞いていて思いました。

深沢:そう思います。私は企業研修で「ロジカルプレゼンテーションとか、小難しい言葉は忘れてください。1分で1つのことを最大3つの要素で説明してください。要するにそれだけでなんですよ」と指導しています。本当にそれだけでいいんです。それが出来ていれば、十分論理的な説明が出来ているんです。

──今度は時間を区切り、要素を絞っていくと。

深沢:「1分で1つのことを最大3つの要素で説明してください」と言うと、人はそこに収めようとするわけです。そうすると10分かかっていた説明が必然的に簡潔になるわけです。これは先ほどの「分ける」と「つなぐ」を使い、大きく3つの要素に「分けて」、その3つを1分間で説明するために「つなぐ」わけです。

──なるほど。確かに、本当に1分しかなかったら、私たちはどうにかして1分で説明しようと創意工夫しますよね。

深沢:大学で教える際にも、私はこういったことを学生に要求しています。もちろん学生は嫌な顔をしますが(笑)、実際に多くの学生が見ている前に一人でたち、1分間の説明をしてみる。実践することが大事なんです。自分で理解し、整理し、組み立てることをしないと、人前で恥をかく。教員がただ手法やフレームワークを説明するだけの授業では意味が無いんです。

──確かに人に説明するためには、自分だけが納得しているよりも、もう一段深く納得できていたり、理解していないとできないです。

深沢:最近売れている本などを見ていると、どうやったら説得力がある話をするのか、ということが多く語られていますが、個人的には「数学的に喋れるようになればいい」というのが答えです。

「今から話す内容はこういう内容です」と何を話すのかを説明する。

「したがってこれがゴールです」と結論を述べる。

「まずは~」「続いて~」とその根拠をつないで説明する。

「以上により、私の主張についての説明は終わりです」と締める。

たとえばこれらは数学の証明問題を解き、説明する時の行為と同じですよね。難解な数学の問題が解ける必要はなく、日常で数学的に語ることが出来るようになればいい。

──なるほど。こういったビジネス数学を学ばれる、セミナーを受講するのは、やはり企業での新人研修が多いのでしょうか?

深沢:新人研修はもちろんですが、もう1つ、管理職への研修です。二極化しています。若手、新人研修は優秀な人材に育てるためですが、意外にも管理職に向けてもビジネス数学の必要性が高まっています。例えば、ある企業の社長さんから「うちの部長、課長連中が、説明する時に頑張りますとか、いい感じですとか、ばかりなんです」という相談がありました。

──それは意気込みであって、説明にはなっていないですね(笑)。

深沢:企業としてはそんな意気込みは必要がなく、論理的な思考が必要なんです。特に管理職は上にも下にも何をするべきなのかを説明する必要があります。その際に感覚的なことばかり並べられても、具体的な方針や数字がまったく見えてこない。それでは意味がありません。管理職のほうが、論理思考、具体的な数字を示す必要があるんです。管理職、あるいは管理職候補というフェーズでは、実は数学的なリテラシーが必要になるのです。

不確定な要素が多いビジネスだからこそ「正しそうな内容」が重要になる

──ところで深沢さんがプレゼンがうまいと思う人というのは、どういう方なのでしょうか?

深沢:これは現場で実際に見ていて分かったのですが、大きく分けて3つあります。まさに「分ける」であり、最大3つの要素ですね(笑)。

1つ目が「少ない言葉」
2つ目が「丁寧な話し方」
3つ目が「正しそうな内容」

です。

3つ目の「正しそうな内容」というのが、実はキモなんです。ビジネスの世界で確実な正解が分かることはありません。つまり、正しいかどうかは実は誰もわからないのです。ゆえに統計データなど数的な裏付けやロジックがあり、「正しそうな内容」を伝える必要があるのです。余談ですが、いま仕事が出来る人というのはとても話し方が丁寧なんです。いまの時代、丁寧でないことは致命的だと思っています。

──確かに電車やバスなどのアナウンスも以前に比べてだいぶ丁寧になったように思います。「いまの時代」とおっしゃったのはそういう背景もあってのことでしょうか。

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深沢:まさにその通り。これだけ「丁寧に伝える」がスタンダードになっている現代、雑な伝え方はそれだけでNGでしょう。それがたとえ正しい内容だとしてもです。これは私が企業研修や大学の講義などで強烈に意識していることです。ビジネスパーソンの皆さんも必ず意識して欲しいと思います。

──少し本題から逸れるかもしれませんが、たとえばプレゼンで、論理的なプレゼンよりも、熱がある、ある意味で感情的なプレゼンの方が通ってしまうことがありますよね。そういった「ロジカルなのに勝てなかったプレゼン」についてどう思われますか?

深沢:結論から言えば、私は「論理9:感情1」のバランスでプレゼンしていますし、そう指導もしています。もちろん理由もあります。もし論理100%でいいなら、極論ですがプレゼンはAIに任せればいい。完璧なプレゼンをするでしょう。一方、エモーショナル100%なプレゼンだとやはり「根拠は?」という突っ込みをされてしまう。相手は「根拠を求める、感情を持った人間」ですから、AIがするようなロジカルプレゼンテーションに近づけつつ、人間にしかできない感情へのアプローチも忘れない。つまり論理90%で相手に納得してもらい、最後の10%で熱意や想いなどを伝えて共感してもらう。というバランスが重要だと思います。

──数学的な論理思考は重要だけど、人を説得するには熱意も必要。論理的思考での説明はあくまで一部に過ぎないと。

深沢:ビジネスパーソンならば、ぜひビジネス数学を使いこなしてほしい。それはすなわち、数字と論理を使いこなすことを意味します。でも、機械にはなってほしくないのです。機械ならもう世の中に存在しますし、これからさらに優秀な機械がビジネスシーンで活躍することになります。AIの時代だと言われていますが、だからこそ私たちは人間らしく、数学的思考を使いこなす必要があると思うんです。数学的かつ人間的であれ。といったところでしょうか。

──では最後に今後、メルマガどのようにしていこうと思っていますか?

深沢:このメルマガを購読されている方が参加できて、みんなで考える「研究室」のようにすることができればいいなと思っています。今はSNSがありますから、そういうところからも質問をもらい、みんなで考える場を作る。もちろんメルマガでも皆さんからの質問に答えていきますし、それについてさらにみんなで考える、ということが出来ていけばいいと思っています。メルマガと言っても、人と人とのつながりですから、皆さんと「つながって」いきたいと思っています。

──今後のメルマガ、期待しております。この度は、お忙しいところありがとうございました。


「ビジネス数学の専門家」ということで、インタビュー前はどんな難しい話が飛び出すのかと構えていたのですが、意外にも人間臭さがあったように思います。深沢さんが語られたのは、人と人とのコミュニケーションの本質であり、とてもシンプルなものでした。

お話を聞いて、「数学」と「数学的」の違いをなんとなく感じ取ることができたように思います。そして、これからの時代はロジカルでありつつ、人間的に人と語る必要があるということを痛感させられました。深沢さんの発行するメルマガにも、その「人間臭さ」があふれています。

これからのビジネスコミュニケーションについて真剣に考えている方は、これを機会に、深沢さんのメルマガ『~伝える力が身につく~ 数学的思考の授業』をご購読ください。

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