人気講師が語る、学校で数学嫌いになった人が数字を理解する方法

ビジネスに必要な数字はパーセンテージと実数だけ

──なるほど。ビジネス数学を理解することで、自らの行動力を手にいれることができるのですね。では深沢さんが提唱するビジネス数学のキモ、ビジネス上で使う数学的思考の中でもっとも大事なところとはどういったものなのでしょうか?

深沢:実はビジネスの数字は2種類しかないんです。その2種類とはパーセンテージと実数です。私の経験則にはなりますが、ビジネスマンは実数で物事を理解することはできるけれど、パーセンテージという数字で理解するのは苦手なのです。

──確かに会社にいると「売り上げを30パーセント伸ばせ」などと、パーセンテージで言われることがありますが、確かに曖昧に感じることがあります。

深沢:パーセンテージで表現する時は、実数でも表現しなさい、実数で表現する時は、パーセンテージでも表現しなさいと言っています。例えば「不良品発生率が0.1パーセント改善しました」と言われてもイメージだけで良く分からない。そこで「具体的な数量でいうと130個不良品がなくなりました」と言うと、そこで初めてイメージと事実が両方伝わるんです。これは逆でも同じで、「不良品を130個、改善することができました」と言っても、全体の中でどのくらいの割合なのかが分からない。ですが「不良発生率は0.1パーセント改善しています」というと、理解してもらえる。

──なるほど。同じことを二つの数字で説明することで、確かに物事が正確に伝わりますね。ビジネス数学は「数学」という言葉を使っていますが、相手に伝えるためにどのようなことをすればいいのかという、論理的な思考も必要だということですね。

深沢:そうなんです。私が伝えていることの本質は論理思考なんです。「数学」という言葉を使っているので、よく「数学を教えているのですか?」と尋ねられます。いわゆる学校数学そのものを教えているのではなく、「数学的であること」を教えています。そしてその本質は、まさに論理思考なんです。

論理思考は「分ける」と「つなぐ」だけでいい

──さらに突っ込んだ話になってしまいますが、実際に企業などで論理思考を教えていく際に、どのような説明をされているのでしょうか?

深沢:ロジカルシンキングというと、様々なビジネス書やセミナーが存在し、その中で横文字のテクニックなどがいくつも紹介されています。たとえばロジックツリーとかMECE(ミーシー)とか。しかし、私はそのような横文字はいらないと言っています。何かを考える時や、何かを説明する時は「分ける」と「つなぐ」だけしなさいと言っています。例えば「売り上げはなぜ落ちているのか?」といった時は、まず売り上げが落ちている原因はいくつあるのか? ということから進めます。それもこれ以上分けられないというところまで分けてくださいと言うんです。その中で一番大事なものは3つ選んでくださいと。あとはその3つをつなげて説明するだけなんです。

──凄くシンプルで基本的なことですけど、なかなかそれが出来ていないと。

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深沢:そうなんです。様々なツールやフレームワークが存在しますが、論理的なプレゼンテーションというものは、要するに「分ける」と「つなぐ」の2つの行為だけで作ることができる。もっと具体的に言うと、まず考える時に「分ける」を使い、次に説明する時に「つなぐ」を使えばいい。

──確かにカタカナで表現されるようなフレームワーク、たくさんありますよね?

深沢:それらの手法も基本は同じだと思っています。ただ、私はそういったオシャレな言葉を使わないということが大事だと思うんです。みんな言葉に踊らされてしまっている部分がある。例えばセミナーで講師が「ロジックツリー」という言葉を使うと、参加者は「ロジックツリー」という言葉を好んで口から発する。しかし、ロジックツリーを作ることだけが目的になってしまい、本質を理解しないままセミナーが終わる。残ったのは、ロジックツリーという謎の言葉と、それを使えばいいらしいという曖昧な教えだけです(笑)。

──なるほど「ロジックツリー」という言葉を使うことで、やった気になってしまうと。いま言われていることって、文章の組み立てと同じですね。人に何かを説明する際に、その材料を用意し、筋道を立てて説明する。文章を作る際にも、まずはどのような内容を伝えるのかを箇条書きにして、それをどのような順番で説明するのかを考えて文章を構成します。筋道を立てるということが重要なんですね。そして「ロジカルシンキング」という言葉に踊らされるのではなく、基本的な考え方を理解して、使いこなさないと意味が無いと。

深沢:その通りです。文章は誰かに伝えるためのもの。つまり、いかに伝える力を身に付けるのか、ということがこの話の本質です。答えは論理思考であり、そのために数学的な考えが大事になるわけです。これは数学の問題を解く時と同じ。計算するものを複数の段階に分けて計算して、最後にそれをつなげて答えを出す。文章を書くことやビジネスのプレゼンと何ら変わりませんよね。私の申し上げている数学的思考と「伝える」がなぜリンクするのか、そろそろご理解いただけたのではないでしょうか。

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