初雪が遅い、木枯らし1号がなかなか吹かないなど、暖冬傾向の今年の冬ですが、こういう年こそ長引く咳に悩まされる人が多いと注意を呼びかけるのは、メルマガ『鍼灸師・のぶ先生の「カラダ暦♪」』の著者・のぶ先生です。風邪じゃないのに咳が長引く「冷えのぼせ」の症状とその対策について解説しています。
咳が止まらない人が増えている
毎年、10月2週目くらいから、長引く咳風邪をひく人が増えます。原因はさまざまですが、咳症状を抑え込めないカラダは、元気を消耗しているか、カラダのバランスを崩しているかのどちらか。
【咳の出所】
咳は「胸に詰まったものを吐き出す手段」です。呼吸器を含めた「胸」にバイ菌などの感染があれば、それを吐き出そうと、発熱を伴いながら、必死に咳をして感染源を吐き出そうとします。「誤飲」なんていうのもそうですね。間違って「胃袋」ではなく「胸」に飲み込んだ飲食物が落ちてしまった時、むせるように激しい咳が出ます。
意外なところでは、「ストレス」を「胸」に抱え込んでいて、それが原因で咳が出ることがあります。嫌な人の前に出たり、雰囲気の悪いところでは、咳がよく出やすい。咳には「積極的に息を吐き出す」という「換気」の役割もあります。どうやら急に寒くなるこの頃の咳は、そんな「換気」の意味合いが多いように思います。
【暖冬なときほど、咳は止まらない】
よっぽど寒ければ、厚着もするでしょうし、暖房器具もフル稼働します。それほど寒さを強く感じない今時分、カラダの冷え込みには何となく「無頓着」。そんな「無頓着」で足元が無自覚に冷えていると、足元と上半身との間で「温度差」が生まれます。 冷えてこわばる足元への血流は悪くなり、なかなか全身が均等に温まらない。血行不良を起こして体内にこもる熱は、胸に集まります。イライラしたり、息苦しさや胸苦しさを感じたり、むやみなのぼせと無意味な汗をかくようなら、それは「冷えのぼせ」です。
【冷えのぼせの咳対策】
冷えが原因でのぼせているわけですから、それは足元を温めてあげれば問題解決です。
- 座っているときは膝かけをする
- 長めの厚手の靴下をはいたり、レッグウォーマーをする
- アンカに足を突っ込んでおく
- 湯たんぽをひざに抱えておく
- 足湯はオススメ
- こたつで温まる時は、背中が冷えないように注意
こんな心がけとともに、下半身の血行不良を解消するために、足腰を使った運動は必須です。咳が出るけど、歩いているときは楽になる、というひとは、足腰の筋肉がこわばって血行不良がおこって「冷えのぼせ」している状態。こんなひとは、足腰のストレッチやウォーキングは積極的に取り組んだらよいです。
毎年寒くなる頃に、ひんぱんに咳をするひと。もともと冷えやすいタイプであるし、運動不足で足腰がむくみやすいのが原因なのかもしれません。長引く咳は、様々な原因でおこります。まずは風邪を疑ってみて、風邪でなければ、ライフスタイルを疑ってみる。生活の勘どころがうまくみつかると、冬を楽に過ごせるポイントも見つかりそう。
対人関係のストレスとか、忙しさで仕事のストレスとか、ないですか?ストレス発散するための咳であれば、笑って過ごせるライフスタイルを取り入れることが効果的。楽しい会話を心がけるだけでも、こんな咳症状は楽になるはず。
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