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【書評】動物行動学研究家が看破、リベラルの正体はモテない男だ

「日本型リベラル」と揶揄されるほどの理想論を掲げ続ける我が国の「リベラル派」。そんな、世に沿わないことがわかっていつつも共産主義や社会主義を主張し続ける彼らの「奥深くにある心情」を、動物行動学の観点から辛辣にわかりやすく解いた一冊が話題となっているのをご存知でしょうか。今回の無料メルマガ『クリエイターへ【日刊デジタルクリエイターズ】』では編集長の柴田忠男さんが、そんな書籍を取り上げ詳細にレビューしています。

偏屈BOOK案内:『「浮気」を「不倫」と呼ぶな――動物行動学で見る「日本型リベラル」考』 

「浮気」を「不倫」と呼ぶな――動物行動学で見る「日本型リベラル」考
川村二郎 竹内久美子 著/ワック

川村二郎は元「週刊朝日」編集長、竹内久美子は動物行動学研究家・随筆家。タテマエの朝日新聞、ホンネの週刊朝日といわれていた頃、新聞の世界に戻ると、タテマエの新聞は国旗国歌法反対のキャンペーンをやっていた。おなじみ「軍靴の響きがする」というアレである。朝日の主催する全国高等学校野球選手権大会では、開会式も閉会式も国歌吹奏、国旗掲揚の儀式を行っているのになぜソレをやる。

言行不一致も極まる。子供でも分かることが分からない編集委員たち。そのうちの一人が「会場に『君が代』が流れると、席を立つ観衆が多い」と書いたので「あれはホントかよ」と聞くと「あれはウソですよ。でも、今はああ書いておくほうがいいんですよ」。リベラル派の牙城の実態はそんなものだった。

戦後の日本をミスリードした進歩的文化人とやらが、いまは「リベラルという仮面をつけている。彼らの正体は現実離れの空理空論を弄ぶ子供無責任でいざとなると逃げ隠れする卑怯者である。こういう考え方は間違っているのか、動物行動学の立場からは現代の人間社会の諸相がどう見えるか、そして動物世界の異性関係とか親子関係はどうなっているのか、そういったことを研究家の竹内に聞く構成だ。

竹内が入学した京大は民青の巣であった。政治的な思想についてはよく分からなかったが、民青の男は揃いも揃って救いがたいブ男で暗かった。動物行動学を勉強していろいろ分ってきたのは、彼らの本質はモテない男が平等や貧富の差の解消を叫んでいるに過ぎないんじゃないかということだった。人は外見で判断してはいけないというのがポリティカル・コレクトネスだが、それは違う。

外見は中身の反映である。きれいな羽をもつクジャクのオスに、メスの人気が集中する。優秀な子孫を残したい本能があるメスとしては、声やルックスがよく、ケンカが強い、より完璧に近いオスに惹かれるのは当然だ。人を外見で判断してはいけないというのは、外見も中身も冴えないモテない男たちのプロパガンダだ。「自由・平等・平和」が典型で、それが正しいと刷込まれている。

動物の最も重要な課題は、次の世代そのまた次の世代に自分の遺伝子をいかに多く残すかにある。浮気をしてあちこちばらまくタイプと、手堅く奥さんをガードし、子育てもしっかりやるタイプもいる、ということである。竹内は、浮気を通じて人間は脳が発達し、言語能力が高まったという『浮気人類進化論 きびしい社会といいかげんな社会』を著し、浮気推奨本だと批判されたことがある。

竹内は「浮気」という言葉が嫌いだ。単なる「浮気倫理に反するという価値観を導入しているのは人間だけだ。「浮気」は動物学では「ペア外交尾」と表現される。人間は非常に特殊な生物だ。なぜなら一夫多妻でも、一夫一妻でも、その夫婦がしょっちゅう別行動をとるのは、哺乳類の中では人間だけだからだ。ほかの哺乳類はペアになったらずっと一緒に行動する。なぜなのか?

そうしなければ、メスが他のオスと交尾をするおそれがあるからだ。だから、オスが必死になってガードする。そういう自然界の常識とは裏腹に、人間はなぜか別行動をとる。浮気が発生するのは当然だ。だから、浮気がいけない、倫理に反するというのは、言葉によって他者をコントロールできるようになった人間の特有な価値観であり、単に浮気に成功できない冴えない男たちのプロパガンダではないかと思う、という竹内。そーだったのか。

浮気はオスの専売特許と思われがちだが、メスだって浮気をする。ただし、相手は自分の亭主より質のいいオスに限る。「考えてみて下さい。自分の亭主より劣っているオスと、わざわざ高いリスクを冒してまで交尾する必要がありますか。浮気が成就できるできるオスは、メスから見て非常にレベルが高い。川村さんは浮気に成功されたんですよね(笑)」。そうなんです。川村は不器用でバカ正直で……。

男と女の浮気、どちらが罪が重いかというと、実は女の浮気です、と竹内がいう。男は常に「浮気ができないかな」と思っているが、女はこの人だと決めたら一発で仕留められる巧妙な手段を駆使して浮気をしその男の遺伝子を取り入れる。自分の排卵期に、浮気相手と亭主両方と交わりアリバイ工作をするのだ。

アメリカで行われた研究。学生に質問を投げかける。「あなたの彼(彼女)が、異性と情熱的なセックスをしている状況を思い浮かべてください。あなたの彼(彼女)が、異性と心の深いところでつながっている状況を思い浮かべてください。どちらも嫌でしょうが、より嫌なほうはどっちですか」。結果、男性が嫌がったのは体の関係女性が嫌がったのは心がつながっているほうだった。

男性が体のつながりを嫌がったのは、恋人が知らぬ間に別の男と子供を作り、知らぬ間に育てる羽目になるかもしれないと、本能的に恐れているからだ。女性のほうは、もし恋人が別の女と心の深いところでつながってしまうと、自分のもとに戻ってこない可能性が高くなる。そうなると、物心両面での援助がストップする。それが一番困る。そういうことが本能的にわかっているからだ。

日本型リベラル」は驚くほどあらゆる分野に巣くっている。歴史的に見て共産主義、社会主義が立ち行かないことが分っても、彼らはしがみついている。なぜなのか。現実を見ない、現実から目を逸らしたい、一旦染みついた思想はぬぐいされない、など考えられるが、もっと根深いところに原因がありそうだ。共産主義、社会主義は、貧富の差がなく平等である社会を目指すとかいっている。

「一見すると何ら反論を許さない理想論にみえるが、要は何らかの能力や才能によってものすごく稼ぐことができる男性と、あまり稼ぎがない男性がいる。稼ぎの少ない方が、それはけしからんと言っているだけみたいに思える。『平等自分が女性にモテないから俺のところにも等しく女性を分け与えろ、そういう意味ではないかと思った」。わはは、今までで一番わかりやすい解釈である。

共産主義社会主義とは要は女にモテない男にとってこのうえなく心地よい響きを放つ存在なのではないだろうか。そしてわざわざ『日本型リベラル』と名付けられるほど、日本に共産主義、社会主義に惹きつけられる人間(特に男)がなぜ多いのか」「男の魅力を演出するテストステロンのレベルが比較的低い人は男の魅力に欠けるし、浮気したくても女に相手にされない。

この後者の男たちが、共産主義、社会主義にこのうえなく惹かれ、『日本型リベラル』と呼ばれる特有の存在となる可能性がある──それが真相ではないだろうか」。捏造、改竄、隠蔽、研究妨害をいとわないリベラルの科学者、その現実を知った竹内は学者になることをやめた。それにしても、この本のタイトルは芸がなさ過ぎる。素晴らしくいい本なのに、まことに残念である。

編集長 柴田忠男

image by: Shutterstock.com

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