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NYで話題の新スポット「ハドソン・ヤード」は、何が面白いのか?

2005年の区画整理により開発が進められることになった「ハドソン・ヤード」。2016年に先行開業していたオフィスビルや一部フードコートに続き、今年3月ついに本格オープンを迎え、大きな話題となっているようです。ニューヨーク在住のりばてぃさんが、自身の『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』で、そのユニークな施設の数々と楽しみ方を数回にわたり紹介してくれます。

ついにハドソン・ヤードがオープン!!

常に新しいものが生まれるニューヨークで現在、建設が進んでいるハドソン・ヤード(Hudson Yard)がついに一般公開され多くの人々が集まっている。

場所は、マンハッタンのミッドタウン西部(29~34丁目、10~12番街間)。ちょうど国際展示場のジャビッツ・センターに隣接するように広がるエリアで、空中公園ハイラインの最北端部分に位置している。

ミッドタウンというくらいなのでマンハッタンのど真ん中にあり、周辺には住居ビルも数多くあるが、ハドソン・ヤードの部分だけ使用していない列車を保管する車両基地や関連する倉庫街となっていたため、未開発のエリアだった。

そこを、2005年の土地区画整理によりハドソン・ヤードが作られ、数十億ドル規模(数千億円)の開発が進められることとなったのである。

以前、ブログでもご紹介したが、オフィスビルの10 Hudson Yardsは2016年から入居開始。ファッション・ブランドのコーチや化粧品メーカーのロレアル等々の大手企業が入っている。

以下記事1枚目写真が10 Hudson Yardsのビル。高すぎてすべてが画面に収まりきれないほど。

ご参考:再開発の進むハドソン・ヤード(Hudson Yards)

また、フードコートの一部もオープンしていたが、積極的に行こうというほどの規模ではなかった。でもそれがついに、大型のショッピング・モールと変わった形の展望台が3月15日に一般公開となり大きくニュースになっているのである。 せっかくなので、今週から数回に分けてハドソン・ヤード特集をお伝えしていこうと思う。

まずは、ニューヨークで再開発される際に必ず作られるものについておさらいしておこう。何が作られるのか?このメルマガやブログを長くご愛読くださっている方はすぐピンとくるかもしれない。

答えは、『公園』。そう、まずはコミュニティみんなにとって憩いの場となる公園を真っ先に作るのがニューヨーク流の再開発なのである。

上述したようにハドソン・ヤードの再開発は2005年の土地区画整理後だが、それのずっと以前から計画のあった空中公園ハイラインは2009年6月に第一区間をオープンしてからハドソン・ヤードに繋がる第3区間は2014年にようやく完成した。

この流れに合わせるかのようにその翌年の9月に、マンハッタン内では26年ぶりとなる新たな地下鉄の駅34ストリート、ハドソン・ヤード駅(Hudson Yards)が完成。同時に、周辺にはハドソン・パーク&ブルーバード(Hudson Park and Boulevard)という名の公園が作られていた。

そしてさらに、先日一般公開されたショッピング・モールと展望台周辺には公共広場と庭(Public square & Gardens)が作られている。今後、住居ビルも続々とオープンするがその周辺にも公園が作られる予定だ。とにかく『公園』なしでは再開発が進まないのである。

以下は、新たに作られた地下鉄の駅とハドソン・ヤードの開発模型についての記事。模型にもたくさんの緑の木が植えられている。

ご参考:
NYにできた地下鉄の新駅「ハドソン・ヤード駅」と周辺の公園
NYの建築好き必見、『ハドソン・ヤード』(Hudson Yards)開発展

ハドソン・ヤードはまだまだ建設中ですべてが完成するのは2020年を予定しているが、完成後は新たなニューヨーカーの憩いの場になるかもしれない。

公園や新たな施設の他に世界的にも注目となっている理由は他にもある。それは、世界初の『定量化されたコミュニティ』(First Quantified Community)となるためである。

近年、環境問題や資源を大切にするなどのサステナビリティの観点から、私たちが住む街ももっとスマートに変えていこうという動きが出ている。そのため、新たに開発が進むこのハドソン・ヤードはそりゃもうこれでもかというほどの新たなテクノロジー満載となっているのだ。

例えば、通行量の計測、大気の観測(Air Qualityの管理)、電力などのエネルギーの生産と消費量、さらに、このエリアで働く労働者や住民の健康や運動状況まで様々なことを観測して、そのビッグ・データを使い、ハドソン・ヤードのコミュニティでより良い環境づくりを進めていくなどである。ニューヨーク大学の専門機関も協力しての開発ということで商業関係だけでなく学術的にも注目されている。

ユニークな建築が並ぶハドソン・ヤード

なお、ハドソン・ヤードがすべて完成すれば、アイルランドのGDPを超える規模の年間189億ドル(1兆8,900億円)もの経済効果となるそうだ。様々な面から注目を集めるハドソン・ヤードにオープンしたショッピングモールは、体験やアートを重視するなかなか興味深いものととなっていた。

「The Shops & Restaurants」の目の前にできたガーデンと広場の真ん中にどーんと建築された変わった形の展望台は、アート作品のようなユニークなデザイン。

高さ7階建て。仮称で「The Vessel」(ベッセル)と呼ばれているが名前を一般公開中なので将来的には変わるかもしれない

7階建ての高さということで、1つだけゆっくり進むエレベーターが用意されているので、車椅子や足の不自由な方、小さいお子さんや疲れている方も楽に7階まで上がることができるようになっている。

歩けるという人でも全部歩いても階段が緩やかなので、意外に大変さを感じないで頂上まで登れるようになっている。

なお、登るのは無料だが、公式サイトで事前にチケットを予約する必要あり。今はオープンしたばかりで混み合っているため、チケットが取れなかった場合でも現場でチケットの予約が可能なので、指定の時間までショッピングモールやハイラインをお散歩しているとあっという間に時間を潰せると思う。

ご参考:Vessel公式サイト

ところで、ハドソン・ヤードには、ベッセルのほかにユニークな建築が先日オープンした。ザ・シェッド(The Shed)という文化施設がオープン。これがまた非常にユニーク。

ご参考:The Shed公式サイト

これ、本体のビルの外側に本体を覆う外枠がついていて、普段は本体を覆った状態だが、開催されるイベントに合わせて外枠を横にスライドさせて施設を拡張できるようになっている。

しかも、拡張方法は、外枠の足元についている巨大な6つの車輪を動かして拡張させるというもの。車輪を動かして拡張しきるともう1つ建物ができるのだ。

言葉で説明するよりも見てもらったほうがわかりやすいので、以下イメージビデオをどうぞ。

ご参考:The Shed will create an adaptable and expandable cultural venue for New York

image by: SCOOTERCASTER, shutterstock.com

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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