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やるとNGな親の手助け「3過剰」が、子の成長と可能性を阻害する

小学校に上がった子が2ヶ月過ぎても忘れ物が多く、常に確認を怠れないと悩む親御さんから、メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者で家庭教育のプロの柳川由紀さんに相談が届きました。柳川さんは、「失敗しないため」、「恥をかかせないため」の親のサポートは成長を阻害すると指摘。自分で考え挑戦する子どもに育てるためのサポートの仕方を教えてくれます。

転ばぬ先の杖はNG?

Q. 新学期が始まって早ふた月。子どもの忘れ物が多く日々気が抜けません。私が見直しをしなければ必ず何かを忘れています。体操着、給食袋、予定帳、プリント、数えきれません。幸い、私が気がつくので忘れ物をして恥をかくことは今のところありません。忘れ物をしないようにするためのコツなどはありますか?(年中長女、小一長男のママより)

柳川さんからの回答

お子さまは大らかですね。忘れ物をさせないためにお母様が毎日見直しているとのこと。まさに「転ばぬ先の杖」を実行していらっしゃいます。これは、失敗しないように、万が一に備えて予め十分な準備をしておくことを言いますが、成長途中のお子さまにとって、「失敗を避けるためのサポート」は、子どもの成長と可能性を阻害してしまう可能性があります。

1.失敗があるから成功する

「失敗するのが嫌だから」「恥をかきたくないから」という理由で 消極的な子どもたちが増えているのをご存知でしょうか?「したことがないから、やりたくない」という失敗を恐れる「挑戦しない子どもたち」です。挑戦しない子どもたちは、自分の能力の限界を自分で決めてしまいます。

「成功する」とは、自分の今の能力よりももっと上の能力を身に付けないとできないことに挑戦し、それができたときに初めて実感するものです。失敗の分だけ大きな喜びが得られるのです。大きな成功は大きな喜びを生み、そのためにはそれに匹敵するとびきりの失敗、何百回という失敗が必要なのです。

2.失敗を見守るサポート

ご相談者の場合、お子さまに全てを任せてみましょう。お子さまはお母様をあてにしているかも知れません。実際に忘れ物をしたときに初めて気づくことがたくさんあるはずです。子どもはその経験を生かし、忘れ物をしないためにはどうするのかを自分で考えることが大切です。

子どもは忘れ物(失敗)をして泣くかもしれませんが、それを可哀そうだと思う必要はなく、悔しい思い、つらい思いをしている子どもに対し、親として愛情ある励ましの言葉をかけることが大事です。

「だから言ったじゃない」「ほらやっぱり忘れちゃった」などと追い打ちを掛けるように言われると、失敗を恐れるようになり、何も挑戦しない子どもになってしまう可能性があります。

「〇〇を忘れて不便だったね」「次からは忘れないようにしよう」
「きっとできるよ」「何に気をつければいいと思う?」などと失敗を見守り、子どもを信じる勇気と、励ます気持ちを忘れずに声をかけ、できるようになったときに、きちんと褒めることで、挑戦する気持ちが育ち、自分で考える主体性をもった子どもが育っていくのです。

3.やめたい子育て「3過剰」子どもを育てる中での「最悪の触れ合い」と言われる3カジョウ

  1. 過剰保護:先回り
  2. 過剰干渉:口出し
  3. 過剰期待:大きなプレッシャー

これは絶対にやめましょう。子育てで大事にしたいのは「子どもの自立心を育てること」。自分でできることは自分でさせることです。
手本を見せ、させてみる。そこで失敗したら、次へのステップとして温かく見守り、子ども自身に成功するためにはどうしたらいいのかを考えさせることです。
飢えた子どもに「魚を与えるのではなく、釣り竿を与え、飢えのしのぎ方を教えましょう」

家庭教育アドバイス…「失敗経験が自己効力感を高める」

自己効力感とは、できる!と自分を信じられる力であり、自分自身を信じて実際の行動に移せる力を言います。自分の行動に対する期待感や達成への信念を持てることです。
子どもは自分で試すことで、何かを発見したり創造したりします。失敗経験から学ぶことの方が、親から正解を教えられるよりもはるかに子どもの逆境を乗り越える力、問題を解決する力を養うことができます。「自分はできる」と思えるような自己効力感を高めることに繋がります。

image by: pikselstock, Shutterstock.com

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家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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【著者】 家庭教育アドバイザー 柳川由紀 【月額】 初月無料!月額508円(税込) 【発行周期】 毎月 第1月曜日・第2月曜日・第3月曜日・第4月曜日(年末年始を除く) 発行予定

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