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「いきなりステーキの業績改善策は?」人気コンサルに聞いてみた

読者からのさまざまな質問に回答してくれる、メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』の著者で人気コンサルの永江一石さん。今回は、「いきなりステーキ」が打ち出した業績改善策に疑問を感じる読者からの「永江さんならどんなコンサルをするか」という質問に答えます。永江さんは、「いま肉を熱心に食べている人の属性をよく分析」することが大切とアドバイス。その人たちを意識した改善案を披露しています。

わたしが「いきなりステーキ」のコンサルをするなら

Q. タイのバンコクで起業している者です。1年ほど前からメルマガに登録し毎週拝読しております。さて、私が永江様に伺いたいのは「いきなり!ステーキ」の業績悪化についてです。

J-CASTニュース(全文表示 | いきなり!ステーキが「肉離れ」? 今後は「牡蠣」投入、メニュー拡充の意図は)では、同グループの業績が厳しさを増し、19年3月は前年同月比73.3%にまで落ち込んでいると報じられています。

要因として挙げられている主なものは「競合他社の参入」。この状況で同社は、他社との差別化を図るため打開策として「メニューの拡充」を掲げました。拡充するメニューとは「子どもや女性、年配客をターゲットとした「わんぱくワイルドステーキ」「わんぱくハンバーグ」を、5月16日からは「生牡蠣」「焼き牡蠣」を一部店舗で販売開始」したそうです。

ステーキに特化した「専門性」をウリにした『いきなり!ステーキ』が、牡蠣やハンバーグをメニューに加え拡充すると、いままで培ってきた「専門性」が薄れ、ブランディング力を低めてしまい、地盤沈下につながるように感じます。

もし永江さんが「いきなり!ステーキ」のコンサルをするならば、「次の一手」は何を打ちますか?

永江さんからの回答

わたしがコンサルするなら、まず最初にサラダやワインなどのメニューを拡充します。次にWeb予約ができるようにして店舗の利便性を高め、居心地を良さを向上させますね。

順番に説明しますと、まず1つ目はいま熱心に肉を食べに来ているのは健康志向で体作りをしている人なので、その人たち向けのサービスを向上するんです。1~2か月に1度来るファミリー層を狙っても儲かりません。

具体的には、まず何よりサラダバーを始めるか大きなサラダメニューを用意します。健康観点では肉とご飯だけ食べるのは超致命的で、まず野菜をたくさん食べなきゃいけないのに、いきなりステーキには小さなレタスサラダくらいしかないので足が遠のいてしまうんです。

よく肉を食べている健康志向のお客さんのトレンドを完全に外しているわけですね。競合のステーキガストもご飯の代わりに野菜と肉だけ食べられるようになりましたし、筋肉食堂もバケツみたいなサラダがあって、まず野菜を摂ってから肉を食べられます。

それから1つしかないソースの種類を増やして、わさび醤油とかシーズニングなど健康志向の人に向けて味の種類を広げることも重要です。

ワインの種類も増やし、安いハウスワイン以外を楽しめるようにしてつまみも揃え、まずはワインを飲みながらサラダとおつまみを食べてもらってから肉を出す、といった流れで飲み食いしてもらった方が満足度も高いし儲けも出ると思います。

次に2つ目ですが、店舗やサービスの利便性が非常に低いので改善します。今どき予約もできずWebで番号表を取れないというだけでもかなり不便ですし、さらにいきなりステーキは店外で並んで待たされるんです。

その時点で特に高所得者で多忙な層は行かないし、そうでなくても夏場や真冬、大雨の時に店外で待つなんて考えられないので自然と利用する機会は減るでしょう。まずはファミレス並みにWebの順番取りなど最低限の利便性を上げ、空調が効いて落ち着ける待合室を作ります。

ついでに以前ブログにも書きましたが、メルマガを止めると肉マイレージとアプリが使えなくなるというあり得ない仕様を改善しますね。いきなりステーキはこのようにリテラシーの低さを疑うことが多過ぎて、とにかく肉だけ食わせておけば良いと考えているのかなと推測…。

長くなりましたが、私なら今肉を熱心に食べている人の属性をよく分析して、その人たち向けにサービスを拡充します。牡蠣を食べにいきなりステーキに来る人はいないので、そんなメニューを追加しても無意味だと思います。

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商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。

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