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私は母として子どもに認められてない。義母に嫉妬する母親の苦悩

「もともと子供があまり好きではなく、仕事のほうが楽しかった。出産後すぐに復職したが、娘は自分よりも預け先の義母に懐き、そんな状況に違和感を覚えている」ー。無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』著者のパピーいしがみさんの元に、読者からそんな悩みが寄せられました。義母との関わり、娘との接し方…、パピーさんはどのようなアドバイスを送ったのでしょうか。

義母への嫉妬

こんばんは。パピーいしがみです。今日のメルマガのタイトルは「義母への嫉妬」とさせて頂きました。ご紹介させて頂くのはルルさんです。ルルさんからは、こんなご相談を頂いていました。

始めまして、2歳の娘を育てるルルと申します。私がご相談したい内容は、義母に対する嫉妬。そして子供に認めてもらえない私は、これからどうしたらよいか?です。

 

私は出産後約半年で育児休暇を切り上げて復職しました。もともとあまり子供が好きではなく、仕事で評価されることの方が楽しくて、子育てで仕事を休む事に抵抗がありました。

 

「早く仕事に復帰したい」、そんな気持ちを主人に話をしたら、主人のお母さんが「ちょうど定年になるから預かってあげる」と言ってくださり、渡りに船だと思って、生後半年の娘を義母に預け、出社する日々を続けています。

 

義母は若い頃、保育園の先生をやっていた方で、主人が生まれた時に退職し、2つ下の妹が幼稚園を卒業するまで専業主婦でした。子ども扱いがとても上手で、娘を預かってもらう時にも「又、赤ちゃんと触れ合えるなんて嬉しい♪」と言ってくれました。育児よりも仕事の方が楽しかった私にとっては、願ったり叶ったりで、有り難くお願いして、1年数か月が過ぎたところです。

 

ですが、娘が1歳になるぐらいから違和感を感じる様になりました。義母が「ほら~、ママが迎えに来てくれたよ」と言っても嫌がって泣いて、義母から離れようとしません。私は「お婆ちゃんの家では甘やかしてもらえるから、帰りたくないのも当然だよね…」とその時はあまり深刻には考えていなかったのですが、ある時、早く帰れる時があり、こっそり遊んでいる様子を見ようと庭の方からリビングを見てみた時、そこにはニコニコしながら義母と義父に遊んでもらっている娘の姿がありました。その姿は、家にいる時の娘とは全くの別人でした。「家ではみせた事がない屈託のない笑顔」「声を上げて楽しそうにはしゃぐ姿」「こんなに違うのはなぜ?」と心配になった瞬間でした。

 

そんな心配を持ちつつ、いつものように義母に娘を預けて出社する時、娘が義母を見るなり「だっこだっこ」と甘え、義母は優しい笑顔でそれを受け入れました。抱っこされてニコニコしながら、私を振り返る事もなく義母宅のリビングに消えていき、1人玄関に取り残された自分に強い孤独を感じて「私は娘にとってどういう存在なのだろう?」と、とても悲しくなると共に強い喪失感に襲われました。

 

家にいる時の娘は、とても大人しく、声を上げる事もありませんし、ワガママも言いません。「だっこ」とせがむ事もあまりありません。ですが義母宅の娘は、別人のように、子供らしく甘え、駄々をこね、でもイキイキしているのです。

 

その時私は、子供を生めば母親になれると思っていたけど、大事な事をないがしろにしていたのではないだろうか?と、とても不安になり、ネットでいろいろ探してパピーさんにたどり着き。「自分が母として娘に認めて貰えていない」という事が分かったのです。

 

娘が生まれて半年間。私は義務感で育児をしてきました。もちろん虐待などはしませんが「あ~、泣いてる、しょうがないオムツ変えなきゃ」という感じでした。その頃は、「親はなくとも子は育つ」という思いでしたし、必要な教育やしつけは、もっと大きくなってから。できるだけ手がかからず静かで大人しい子を望んでいました。今、思うと、私は娘にとって、とても冷たく、無表情で、一緒に居ても楽しくなかったと思います。

 

それに対して、義母はとても表情が豊かで、娘に向ける笑顔がとても穏やかで優しく、しゃべれない娘に対しても、何かと声を掛け、娘の反応に喜んでくれていました。私はそんな義母と娘を見て「私と一緒にいるより娘はずっと楽しいだろう。お義母さんが見てくれることになって良かった♪」と安堵していました。

 

ところが、いつまでたっても我が家で過ごす娘の姿が変わって行きません。娘が私に見せる顔よりも、義母に見せる顔の方がずっとにこやかで、安心しているように見えます。そして私よりずっと素直に義母に甘えるのです。休日も、私がいるのに「ばあばのお家に行かないの」と何度も聞いて来たり、「ばあばに会いたい」と言ってメソメソしたりします。

 

自分が望んだこととは言え、今になって、わずか生後半年で義母に預けたことをとても後悔していますし、どうしたら娘の気持ちを取り戻すことができるのか、悩んでいます。この頃は「私は子供に必要とされていない母親なんだ!」と、強い無力感を感じており、子供にとって母親である私よりも信頼されている義母に嫉妬をしてしまっています。

 

勉強を始めてから、子供が自分よりも義母に信頼を寄せているのは、娘をないがしろにしていた自分のせいだったと分かって、とてもショックでしたが、なんとかこの関係性を改善して行きたいと思っています。

 

今、できるだけ子供に笑顔を向けるようにしたり、楽しく過ごそうとするのですが、到底義母には叶いません。どのようにすれば娘から「お母さん」として認められるでしょうか?信頼を得る事ができるのでしょうか?厳しいお返事でも結構ですので、教えて頂きたいです。よろしくお願いします。

こんなご相談をお聞きして、私はこのようにお返事しました。

ルルさん、こんにちは。パピーいしがみです。

 

メール拝見しました。なるほどルルさんは、育児よりもお仕事に熱心で、生後半年で娘さんを義母さんに預けて見てもらったんですね。そして、今、義母さんと娘さんの繋がりが、ご自分と娘さんとよりも強く感じられたり、ご自分が母親としての無力感をお感じのようです。

 

ルルさんも「今になって、わずか生後半年で義母に預けたことをとても後悔している」と書かれていましたが、私は「早い段階で、子供との触れ合いの重要さを知る」ことができて返って良かったのでは?と感じています。と言いますのも、今のルルさんは「娘さんの気持ちを取り戻したい」「ご自分がお母さんとして認められたい」と強くお考えですよね(^^)。その気持ちは、やはりご自分の失敗が無ければ、ずっと感じることができなかった、と思うのです。

 

以前のルルさんは「親はなくとも子は育つ」というお考えをお持ちだった。教育やしつけはもっと大きくなってから、と考えていたとも書かれていましたが、私は、この乳幼児や幼少期の時期、特に0歳~1歳の時期の、お母さんと子供の関係はとても大事だと思っているんですね。それは教育でも、しつけでもなく、子供が「自分は大事な存在だ」と感じる為の時間だと思うからなんです。メルマガでも時々登場しますが、その思いが「自己肯定感」であって、教育も、しつけも、その自己肯定感の上に築かれていくのです。

 

子供に必要な一番の基礎に「自己肯定感」があって、それはまだ話もできない赤ちゃんの時から、お母さんの笑顔に満たされて、声を掛けてもらったり、大事に扱ってもらったり、ワガママを聞いてもらったりするところから育んで行くものなんですね。

 

一つの例として(これは実際にあったことなのかどうか定かではありませんが)800年ほど前、ローマ帝国のフリードリヒ二世が、赤ちゃんに対して人体実験をしたと言われています。それは「全く愛情を与えられなかった赤ちゃんはどうなるか?」という実験だったそうです。生きる為に必要なミルク・排泄の処理・お風呂などは与えても、目を合わせたり、抱っこしたり、笑いかけたり、語りかけたり。コミュニケーションを全くしなかったら、赤ちゃんはどうなるか?を試したのですね。50人の赤ちゃんを集めて、実験をしたそうですが、その赤ちゃんは全員、1歳の誕生日を迎える前に死んでしまった…と言われています。

 

又、このような実験は、フリードリヒ二世だけでなく、ルネ・スピッツという心理学者も行ったそうで、第二次世界大戦のスイスで、戦争孤児に対して「日常の世話はしても、話しかけたり笑いかけたり、スキンシップを一切しないと、どのような人間が育つか?」を確認したと言われています。結果は、ほとんどの孤児が数年以内に命を落とし、生き延びた子供も将来的に精神疾患を患ったり、障害を負ったりした、という結果になったそうです。

 

どちらの実験も、それがどこまで信頼できる情報なのか?は分かりませんが、ルネ・スピッツについては、文献もあり、他にもさまざまな検証をされているようなので、全くの事実無根ではないのだろうと思います。

又、ルルさんの義母さんが、とても丁寧に娘さんに接してくださったことで、ルルさんの前ではそれほど見せない表情も、義母さんには人が違うように嬉しそうに振舞う、という違いがあったとすると、幼少期、特に乳幼児期の子どもへの笑いかけ、話しかけ、スキンシップなどの愛情表現はとても重要だったと言えると思うのです。だとしたら、早い段階で義母さんに預けたことで、娘さんは「自分は大事な存在なんだ」と感じながら育つことができた、と言えるのかもしれないな、と思うのです。

 

もし、義母さんに預けず、ご自分だけで育てていたら、今、義母さんに見せている、明るく笑ったり、素直に甘えたり、元気な姿はなかったかもしれません。それを考えると、義母さんに預けたからこそ、ルルさんは、乳幼児・幼少期の子どもへの接し方の重要性を知り、又、娘さんはとても大事な時期を良い環境で過ごす事ができた、と言えると思うのです。とすると、今思うべきは「嫉妬」よりも「感謝」ですよね(^^)。そして義母さんの接し方を参考にして、ルルさんも同じように娘さんに笑いかけ、声を掛けて、スキンシップを取るようにしてほしいのです。

 

確かに今は、お婆ちゃんの実績や経験に負けているかもしれません。ですが、ルルさんには全くそのチャンスがないか?と言ったらそんな事はありません。たとえば、ルルさん自身が笑顔を意識したり、眠る前には絵本を読んだり、お休みに一緒に遊んだり、娘さんが楽しいと感じることを一緒にやってみたり、もちろん日常で抱っこを増やしてみたり、スキンシップを増やしたり、できる事はいくらでもあります。

 

まずは今「娘さんにお母さんとして認められたい」とお感じになったこと。そして「娘さんとの関係を良くしていこう」とお考えになった事を念頭に、今後も意識して娘さんと接してみてほしく思うのですね。義母さんへの嫉妬、娘さんの気持ちをご自分に引き寄せたいとの思いもとてもよくわかりますが、まずはご自分ができることをやってみる。娘さんが「甘えたい」と思えるような母さんになる事を目指して頂きたいのです。

 

そこでとても大事な事は「あなた(娘さん)の事が好き」というルルさんの気持ちです。以前は子供嫌いだった、と書かれていましたが、「嫌い」と思っている相手を好む人はいません。その人の思いは雰囲気や態度にも現れますから、いくら子供であってもそれを感じるのです。ですからまずはルルさんが、娘さんに「大好き」「大事な存在」「あなたのお母さんでいたい」という気持を持ち続けてほしいんですね。

 

ルルさんにとっては、しばらく辛い時期が続くかもしれませんが、娘さんが育ってくると、「お婆ちゃん」よりも「お母さん」の方が、ウエイトが大きくなる時が必ずやってきます。ですから今は「嫉妬」ではなく「感謝」を持って、義母さんのされている事を参考に、ご自分も「笑顔」と「スキンシップ」を増やし、娘さんとの良い関係を目指してほしく思います。頑張ってくださいね♪きっとルルさんの願いは届きますから(^^)。

このメールを差し上げた後、ルルさんからは「実は、娘を保育園に預けようと思っていました」とご連絡頂きました。義母さんから娘さんを離すことで娘さんの気持ちが自分に向いてくれるのでは?との思いがあったそうです。ですが、それをやっても、娘さんの為にならないし娘さんの気持ちを自分に向ける事はできない、と分かったルルさんは、今、ご自分が娘さんに対してできる事をしよう!とお気持ちが変わったそうです。

その後のお返事にはこうありました。

パピーさん、ご無沙汰しています。義母に対して嫉妬をしている、娘の気持ちを取り戻すにはどうしたらよいか?と相談をさせて頂いたルルです。

 

お返事を頂いた時に「愛情を掛けないで育った子供はどうなるか?」の実験のお話を教えて頂き、とても怖くなりました。そして「義母に娘を預けることをやめれば、娘の気持ちが自分に向くのでは?」と安易に考えていたことを深く反省しました。

 

娘が「ママ、私への愛情が足りないよ」と教えてくれているのに、私は娘の事よりも、自分の不安を取り除く事ばかり考えていました。義母への嫉妬の気持ちも、パピーさんに“「嫉妬」よりも「感謝」ですよね”と言って頂き、すぐには納得できなかったものの、何度もお返事を読みなおすことで冷静に受け止めることができるようになりました。

 

どこかで義母に負けている事に不満を募らせていましたが「完全に負けているんだから、それを認めて、自分に足りない物を吸収しよう」と開き直り、気持ちを切り替えました。

 

そして「できる事はたくさんある」「これから良い関係を目指しましょう」の言葉を胸に私なりに頑張ってきました。特に一番大事と言われた「あなたの事が好き」という気持。そして笑顔。それから抱っこなどのスキンシップ。今までどれもないがしろにしてきたものばかりです。

 

ぎこちなかったそれらも、毎日続けることで、最初は様子を伺っているような状態だった娘も少しずつ心を開いてくれたみたいで、私にもワガママを言うようになったり「ママ、あのね…」と内緒話をしようとしてくれる姿がとても可愛いです。

 

先日は「ママ…あのね…」と耳に口を近づけて小声で「…ママのこと好き」って言ってくれて、涙が出るほどうれしかったです。義母に見せていた可愛い笑顔は、私には見せてくれないのか?と辛く落胆していた時期もありましたが、着実な変化を感じ、今、とても幸せです。やはりまだまだ義母には勝てないとは思いますが、それでも「私はママに愛されている」という事は感じてくれているのではないかな?と思います。

 

時間はかかったかもしれませんが、私も一つ一つレンガを積み上げ、幸せなお母さんになれそうな気がします。貴重なアドバイス。ありがとうございました。

ルルさんの娘さん、来年から保育園を考えているそうです。保育園に入ると、同年代の友達や、そして保育園の先生など、子供の世界はさらに広がりますしお母さんが関わることが増えてきますから、きっと「お婆ちゃん」よりも「お母さんの存在が上回ってくると思います。

過去の触れ合いの少なさから、母子の関係が希薄になっていたルルさんですが、早い段階で気が付き修正できたことは、本当に良かったと胸をなでおろしました。ずっと不安だったルルさん。「ママ、あのね…ママのこと好き」と言ってもらえた時の喜びは、何物にも代え難いものだったと想像します。

是非これからもこの良い関係を続けてくださいね♪きっとさらに幸せを感じる日々になると思います(^^)

image by: Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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