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欧米でCBD(カンナビジオール)関連産業が急成長する理由と可能性

古来日本人は「麻」を衣服や様々な道具などに巧みに利用し、生活を営んできました。しかし、現代では、「大麻草栽培」や「大麻所持」による逮捕などのイメージもあってか、なんとなく遠ざけたほうがいいと思っている人の方が多いのが現実です。しかし、世界ではまったく逆の流れが起きているようで、『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者でNY在住のりばてぃさんは、さまざまな広がりを見せながら急成長しているCBD関連などのビジネスの現状をレポートしています。

マリファナとは違うCBDとヘンプの可能性

(1)CBDとは?

今週、ブログのほうでCBDに関する興味深い情報をご紹介した。

ご参考:
ニューヨーク初”CBD”入り炭酸水”Recess”(リセス)のPop-up店
米国“CBD”関連ビジネス市場、わずか3年で約40倍に急成長、2022年には220億ドル(2兆4,200億円)へ?!

せっかくなので、ブログには書ききれなかった「投資も盛り上がってますよ」というお話をお伝えしておこうと思う。

まず、CBDとは何ぞや?というのを整理すると、『カンナビジオール』(Cannabidiol)の略称で、ヘンプ(Hemp)という大麻(Cannabis)の一種から抽出される(気分がハイになる)精神活性作用のない成分のこと。日本で麻薬取締法で逮捕される、いわゆる大麻の『マリファナ』とは違う。

CBDやヘンプとマリファナの違いを決めるのは、『テトラヒドロカンナビオール』(THC)という物質の量で、通常、マリファナには10~15%ほどのTHCが含まれており、CBDやヘンプは0.2~0.3%以下となっている。

マリファナのようにこのTHCの含有量が多いと、精神の活性作用(いわゆるハイな気分)依存や乱用に繋がるということで、日本では麻薬取締法で規制されている。ちなみにアメリカでは州によっては(アメリカは連邦で取り締まる法律以外に州ごとの州法もあり、影響が高い)マリファナの使用が解禁されているところもあり、以下のリンクからその状況を確認できるようになっている。色分けは、濃い緑が合法(Legalized)、緑が医療と解禁(Medical and decriminalized)、濃い黄緑が医療のみ(Medical)、黄緑が解禁(Decriminalized)、薄い黄緑が完全に違法(Fully illegal)。 ニューヨークの場合は、医療目的では使用が可能だが、解禁は条件つきとなっている。
MAP OF MARIJUANA LEGALITY BY STATE

医療目的で使用されているマリファナがあるように、THCの含有量が非常に少ないCBDやヘンプは、不安(社交不安障害)やうつ病を和らげるサプリメントとして、ここ1~2年、アメリカで急速に注目を集めている。 ただし、使用や服用については個々人によるところがあるため、今後、普及が進むにつれて適応問題などが出てくる可能性はあると思われる。

(2)急成長するCBD市場

近年、注目のCBD関連ビジネスは、これだけで、今年2019年に5億9,100万ドル(1ドル=110円換算で約650億円)の市場規模が、わずか3年後の2022年には220億ドル(2兆4,200億円)へと爆発的に成長するとの調査結果が出ているが、調査レポートによっては、320億ドルとも言われており、その可能性は計りしれないものとなっている。 また、調査会社CBインサイトによると、今後、CBDは少なくとも23の業種に影響を及ぼしていくと伝えている。

ご参考:Cannabis For … Everything? 23 Industries Seizing The $32B Market Opportunity

薬品や健康グッズ、飲食関連はブログでも伝えているとおりだが、他に、パッケージ産業、銀行、ブロックチェーン、Eコマース、広告、ファッション、プラスティック、エネルギー産業、紙、工場、ペット産業、CBD関連のツアーなどなど。

例えば、パッケージ産業はCBDやヘンプ入りの食品を子どもが口にしないようなものにする必要があったり、麻素材は環境に優しいとか、軽量であるなどからファッション業界やスポーツ用品、工事現場で使用する素材として再注目されているという。 興味深いところでは、CBD関連の産業が急成長していることで地方銀行への預金額や口座開設の増加につながっており、銀行の新たな大口顧客として注目されている。 もう少しそれぞれの産業での影響や商品開発の需要について知りたいという方がいれば、他の事例も交えて解説しようと思うので、ご意見いただければと思う。

マリファナの悪影響への懸念が強すぎて、数年前に大麻農場への投資の話題が出た際は賛否両論あったが、たったの数年で大きな変化が出ているので、今後も注目の分野だろう。

image by: Shutterstock.com

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ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

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