MAG2 NEWS MENU

良い意味で予想を裏切る、NYのメディテーション(瞑想)教室体験

日本の都市部では女性を中心に人気のヨガやピラティス、瞑想(メディテーション)ですが、世界一忙しい街とも言われるニューヨークでも近年ブームが続いているようです。世界の流行発信地であるニューヨークの動向を伝えてくれる『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者でNY在住のりばてぃさんが、メディテーションの無料クラスを初体験。瞑想アプリなどでイメージしていたものとは少し違ったその様子をリポートしてくれました。

本格的?なメディテーション

精神を落ち着かせて集中力を高める効果があるなどの理由から、近年、ヨガやメディテーションが人気だ。ニューヨークでも本格的なコースを受けることができる。ヨガは何度も経験していたが、メディテーションは興味はあったけど、なぜかこれまで受けたことがなかった。せいぜい、アプリの簡易的なメディテーションのみ。 例えば、Breatheというアプリは、各種メディテーションプランの他に、アップルウォッチ用の通知がある。10秒かけて息を吸って10秒かけて息を吐く…というもの。ピロン!と通知が来るので、その度にスーハーしている。他にはHeadspaceというメディテーションアプリのガイダンスに従ってメディテーションできるものも試したりした。

ご参考:BreatheMindspace

これらのアプリが提供してくれるガイダンス付きの精神統一がメディテーションだと思っていた。でも、こういうのだけじゃなかったのだ。 つい先週、友人の誘いで、無料のメディテーションクラスに行ってきた。シャンバラ・メディテーション・センターというところで、全米各都市にセンターがあり、各センターごとに様々なメディテーションクラスや催しを開催している。

例えばニューヨークは以下:
Shambhala Meditation Center of New York

ウェブサイトを見ただけでも本格的。初めてなのに大丈夫かな?と不安だったけど良い意味で予想を裏切られる体験だった。会場は、ビルの3階の一室。程よい静けさの清潔な空間。とてもゆっくりとした優しいトーンで話す人が受付にいて、いかにもメディテーション関係の方という感じだった。 心が落ち着くと所作も落ち着くのかも?なんてことをぼんやり考えながら、指定の場所に靴を置き、メディテーション室へ。部屋には、10個ほどの座布団と少し高さのある、あぐら用の四角いクッションが置かれていた。開始時間10分前ほどだったが、すでに2人ほどメディテーションをはじめていた。目を閉じ、あぐらをかいてじっと座っている。 友人と小声で会話しながら、座る席を決めて座って待った。しーんと静まった室内。正面には仏教にまつわるような掛け軸やろうそく、小さい鐘、水の入ったグラスなどが置かれている。また1人参加者が増えて全部で5人。

しばらくして、男性が部屋におじぎをして入ってきた。正面の線香のようなものやろうそくに火をつける。そして、私たちのほうを振り返ってさっと見渡し、「今日はろうそくは消しておこう」と言い、点けた火を手で消した。 そして、正面端に用意されたざぶとんに座り、そのすぐ横に置かれている丸く大きな鐘のようなものを、ゴーン…と軽く鳴らした。男性はまっすぐ前を見据えている。視線はどこを見るでもない、「空」(くう)を見ているような感じだ。これから始まるのかな?とわくわくしながら背筋を軽く伸ばして同じように「空」(くう)を見てみる。

数分経過。相変わらず男性は「空」(くう)を見ている。他の参加者もほとんど動かずじっと座っている。これってこのまま進むのかな?なんだか自分だけ置いてけぼりの気分に。 上述したBreatheやHeadspaceのアプリではたいがい音声ガイダンスが流れる。テーマごとにガイダンス内容は違うが、例えば、「Allow yourself to listen to the sounds around you」(周りの音を聞いてください)とか、「自分の吐く息に注目して、鼻から吸って~スゥ~~~~ハァ~~~」とか。よく使われる単語には、”Confidence”や”Positive”などがあり、メディテーションの音声ガイダンスを聴くだけでも心の平穏が保たれそうなものとなっているのだ。

こういったガイダンスはいつ来るのかなぁ~?とわくわくしながら待っていたけど、正面で私たちに向かって座っている男性は変わらず「空」(くう)を見ていた。ひとまず、「空」(くう)を見て集中しよう。 1点を見つめると集中できる。マラソンでも経験している。走っている少し先の道路をじっと見ながら走ると、いわゆる、マラソンハイという集中状態になる。マラソンハイの感覚を思い出しながら「空」(くう)を見つめる。そして、またしばし時間が経過。感覚的にはだいぶ時間が経った…ように感じた。

自然に近い姿でメディテーションするべきだと思っていたので、時計は外し、スマホもバッグに入れていた。時間がまったくわからなかった。でもこういうときは感覚的に経った時間の3分の1程度と考えたほうが良いので、おそらく7分ほどだったのだろう。 1時間のメディテーションだったので、60分中たったの7分。先が遠い…。相変わらず男性は微動だにせず「空」(くう)を見ている。もしかして、このメディテーションって何のガイダンスもないまま行うやつ?ようやく状況を把握。

肝心の、誘ってくれた友人は隣で平気そうに「空」(くう)を見ながらぼんやりしている。そっか、そっか、こういうパターンね。ただひたすら「空」(くう)を見るやつね。あと50分ほどかぁ…。どうしよう。心構えが周りと全然違いすぎてついていけない。 でも、どういうメディテーションかわかったので、そこからはむしろ集中。考えないといけないことをいろいろ考え始めていった。正しいメディテーションの仕方なのかはわからなかったけど、ひたすらぼんやりと「空」(くう)を見ながら考えることにした。

シーン…と静まり返った部屋。正面の「空」(くう)を見つめる男性。窓の外からはニューヨーク名物のクラクションや時折、救急車のサイレン音も聞こえてくる。完全に無音ではない。けれども、周りに会話が無く、ただひたすら自分の考えに集中できるので、外の音は次第に気にならなくなっていった。

おそらく30分経ったあたりで、参加者がもう1人増えた。慣れた手つきで座布団を整え座った。そして入れ違うように1人部屋を出ていった。このメディテーションは好きな時間に自分の好きな時間だけ参加するパターンのようだ。 だいぶ考えることは考えつくしたので、そろそろ部屋を出たかったけど、友人はまだ「空」(くう)を見ているので、1時間やり切る決心をした。あと半分。ひたすら「空」(くう)を見る。そして、マラソンハイのような状態になったところで、正面の「空」(くう)を見ていた男性が、開始時と同じように鐘をボーンと鳴らした。

最後に、シャンバラの教え?のような冊子の一説を読み終了。参加者は静かに座っていた座布団を整え各自部屋を出ていった。終始、穏やかな空気が流れていた。1時間何にもせずに、スマホも見ずに、そして誰とも会話しなかった。特に気分がすっきりしたわけではなかったけど、なかなか貴重な体験だ。 そして、最初にどんなメディテーションであるかの説明が一切無かったことから勘案するにこのスタイルは当たり前なのだろう。

またやりたいかと言われるとよくわからない。けれども、家やオフィスではなく、専用の会場で周囲の邪魔なく自分の考えに集中できる空間はなかなか無いので、日々の忙しさで混乱しているとか、とにかく忙しすぎるという人は、ジムで筋トレするような感覚で参加するのも良いのかなと思う。 ちなみに友人は、最初の20分で考えるべきことをすべて考え終えてしまったので、残り40分は人生を振り返り、未来の途中で時間がきたそうだ。

image by: Shutterstock.com

りばてぃこの著者の記事一覧

ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 メルマガ「ニューヨークの遊び方」 』

【著者】 りばてぃ 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 毎週 水曜日 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け