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中国が洗脳「中台統一で台湾元の価値5倍」という愚民教育の恐怖

激しさを増す香港のデモ、国一丸となった韓国の反日攻撃など、東アジアが揺れに揺れています。こうした状況を「本来ならば隠すべき感情を堂々と表に出していいムードになっている」とするのは、台湾出身の評論家・黄文雄さん。黄さんは自身のメルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』で、こうした流れや相手の言い分に感情で対抗するのではなく、一歩引いて静観するのが賢明な方法だと説いています。

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2019年8月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:黄文雄(こう・ぶんゆう)
1938年、台湾生まれ。1964年来日。早稲田大学商学部卒業、明治大学大学院修士課程修了。『中国の没落』(台湾・前衛出版社)が大反響を呼び、評論家活動へ。著書に17万部のベストセラーとなった『日本人はなぜ中国人、韓国人とこれほどまで違うのか』(徳間書店)など多数。

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<東アジア>香港空港、一部で運航再開 デモ隊は再び結集呼びかけ

負の感情は拡大するのが早いものです。怒り、憎しみ、妬み、恨みなど、人の醜い部分は、通常は理性や自制心で制御されています。しかし、理性や自制心による制御が外された場合、これらは一気に人々の心に充満し、周囲と呼応して増幅、拡大していきます。

まさに今、東アジアがこの状態に陥っているようです。人々が理性や自制心をなくしていったきっかけはいろいろありました。

まずは毎週繰り広げられる香港での逃亡犯条例改正案撤回を求めるデモ。行政長官が一度審議はストップすると明言して事態は収束するかと思われましたが、撤回宣言がなかったという理由でデモは収まらず、混迷を極める一方です。

そんな中、デモ隊と警官隊の衝突で、警官隊の「布袋弾」と言われる弾がデモに参加していた女性の目にあたってしまい、失明する可能性がある重傷となりました。これを機に、デモ隊は事態を国際世論に訴えようと香港の国際空港を占拠しました。それにより、国際線の運航は乱れています。

デモ隊に一歩も譲るつもりがない中国政府は、デモ隊を痛めつけることしかしません。「中共の差し金か。香港デモ参加者を襲撃する白Tシャツ集団の正体」でも書いたように、白Tシャツの暴漢軍団がデモ隊を殴る蹴るの暴力を働き、多くの人がケガをした事件がありました。この白シャツ軍団の背後には中国政府がいると言われています。また、香港とは遠く離れたオーストラリアやニュージーランドでも、デモに賛同した香港人が「愛国的な中国人に暴力を受けたり嫌がらせを受けたりしているとのニュースもありました。

香港デモが豪大学に飛び火、民主派支持の学生に本土出身者が嫌がらせ

こちらも、「愛国的」な中国人の背後には中国政府がいると言われています。このように、中国政府は人の醜い感情をうまく操って人々を衝突させることを煽っているようです。

もうひとつの大きなきっかけは日韓関係の悪化です。こちらも韓国政府は、嫌気がさすほど韓国人の反日感情を煽って文政権の人気を維持しています。

こうして東アジアは今、負の感情がむき出しになった状態になっています。するとどうなるかというと、あちこちで様々な小競り合いが勃発するのです。何しろ妬みや嫌味やそねみなどの、本来ならば隠すべき感情を堂々と表に出していいムードになっているわけですから、人々は遠慮せずに負の感情をあらわにするわけです。以下のニュースはその好例でしょう。報道を引用します。

台湾発のドリンク店の政治的立場を巡るインターネット上の騒ぎが、台湾と中国それぞれのネットユーザーによる“魔女狩り”に発展している。蔡英文総統は10日、問題の根源は中国当局にあると指摘。経済活動への介入は「人を呪わば穴二つ」だと述べ、直ちに手を引くよう中国に呼び掛けた。

 

南部・高雄市でメディアの取材に応じた。中国当局による経済活動への介入はエスカレートしているとした上で、だからこそ各国は中国を警戒し、対抗しようとまでするのだと述べた。

 

事件の発端となった場所は、「逃亡犯条例」改正案に反対するデモやストライキが続く香港。同地に進出しているドリンクスタンド「一芳(イーファン)」の名称を使った中国版ツイッター、ウェイボー(微博)のアカウントが5日、一国二制度への支持やスト反対の立場を表明したのを受け、台湾のネットユーザーの不満が噴出した。

 

一方で、中国のネットユーザーは、これまでにインターネットやその他の手段で台湾独立を支持する言動がみられた台湾のドリンク店を取り上げ、不買を呼び掛けた。これに対し台湾側も、中国におもねるような発言をした業者をリストアップしてけん制。非難の応酬となっている。日本でも店舗を展開するCoCo都可(ココトカ)、コイティー(50嵐)、ゴンチャ(貢茶)なども騒動に巻き込まれている。

蔡英文総統、台湾発ドリンク店問題で中国を批判

報道の文章がわかりにくいのですが、要するにデモを支持しているという難癖をつけて気に入らない店をやり玉に挙げているわけです。やられた方も、やられっぱなしではいられませんから、やり返す。まさに、蔡英文総統が言うように「人を呪わば穴二つ」で、互いに陥れあっても共倒れするだけでいいことは一つもありません。

一方で、日本では「#韓国大好き」というキーワードがツイッターで話題になるなど、憎しみと逆行する動きもあります。この動きには私も賛成です。すべてが国民感情で動く韓国が展開する日本批判の言い分はメチャクチャですが、日本はこれに感情で対応するのではなく、理路整然と韓国側の非論理性を突いていけばいいだけです。

負の感情が渦巻く空気に呑まれて罵り合いに参加するのではなく、一歩引いて静観するのが身を護る最も賢い方法だと思います。

アメリカは中国を「最恵国待遇」から外し、日本は韓国をホワイト国から外しただけのことです。それだけで、中国も韓国も経済が悪化しました。それは経済基盤が弱い中韓の問題なのに、日米が悪者にされています。中韓ともに反省すべきは自分ではなく相手だという思想なのです。

今の韓国のGDPは日本の約3分の1です。この差を、朝鮮半島統一で補うというのは無理があるでしょう。韓国の反日運動は、「種族民主主義」と自称して盛り上げようとしていますが、台湾と中国が統一すれば世界一の強国になるというのと同じく、「統一へのユートピア幻想を見ているだけです。

中国国内では、台湾と中国が統一されれば台湾元の価値はいっきに5倍になるとの噂が静かに流れているそうです。この噂を本気で信じている中国人は少なくないでしょう。これが、中国の愚民教育の成果なのです。

image by: Amankgupta / Shutterstock.com

※ 本記事は有料メルマガ『黄文雄の「日本人に教えたい本当の歴史、中国・韓国の真実」』2019年8月13日号の一部抜粋です。

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