国家公務員の定年を60歳から65歳に段階的に引き上げる関連法改正案をめぐり、政府は18日、2022年度から引き上げを始める方向で検討に入ったと時事通信などが報じています。当初は21年度からの開始で調整していましたが先送りし、国家公務員法などの改正案について、来年の通常国会への提出を目指すということです。
改正案には、60歳を迎えた後の給与を7割程度に減らして人件費を抑制する方針などを盛り込みます。定年は2年に1歳ずつ引き上げる案と、3年に1歳ずつとする案があり、与党の意見などを踏まえ、最終的に判断するいいます。
公務員の定年を延長することで何が変わるのか?
政府が思い描く定年延長のイメージを3つに分けて見ていきます。
まずは「給与」。現在の定年後に改めて行われる再任用では、給与が半減もしくは大きく減ってしまいます。しかし、定年延長すれば給与は3割減となるものの、再任用よりは厚遇となり不満を減らすことができます。
続いては「役職」。再任用ではかつての部下が上司となってしまうケースもあり、これでは士気が低下してしまうだけでなく、お互いにやりづらさを残すことになります。一方、定年延長では自分の経験を生かせるポストや専門職に就くことで、やる気を削いでしまうことを是正できるとしています。
そして「勤務時間」。こちらはもっと働きたいけど、現行では短時間労働の枠内でしか就労できないという人がいますが、定年延長ではフルタイムで働くのか時短勤務にするのか選べるようになるといいます。
来年の通常国会に提出する場合、年度内は予算案の審議などがあり、成立は20年度になる可能性が高いと見られています。そのため、当初は21年度からの引き上げを目指していましたが、二度の見送りで成立から施行までの準備期間が短くなることから、22年度に先送りする方向になったと記事では伝えています。
政府は公務員の定年を延長することで予想されるメリットばかりを強調していますが、実際はどうなのでしょうか?政府が推し進める関連法改正案には、ある思惑が垣間見れるとの声が挙がっています。
公務員の定年を延長する真の狙い
今回、なぜ政府が率先して、公務員の定年を延長しようとしているのでしょうか?そこには、高齢でも意欲さえあれば働ける社会にするため、まず国家公務員の定年を延長し、民間にも広げていきたいという狙いがあるといいます。社会保障制度改革の一環として政府が掲げている「生涯現役社会」。高齢者が働くことで、年金支給年齢を引き上げ、社会保障財政の安定化を図りたいのです。
しかし、大企業で見てみると、定年延長を選ぶのは少数派で、退職した後に再雇用する継続雇用が多いのが現状だといいます。17年の厚生労働省の調査によると、65歳定年を採用する企業は全体の2割弱にとどまりました。
この公務員の定年延長。少子化による人手不足対策と見る向きもありますが、ネットでは様々な反応が出ているようです。
公務員の定年延長を見ると民間もやるだろうし、国はそこまでして年金あげたくないんだなと思いました
— ゆきドラ (@cadenza00rphans) 2019年12月18日
国家公務員も定年延長でいいような悪いような。どうも体力急激に落ちるなーと思ったら、腎臓は40歳以降機能が落ちていってそれは回復したり鍛えたりできるものではないという事実を知り、なんだか納得した。最近の年寄りは若いなどと言われるが、実感としてやはり人生は50年だと思う。引退させてくれ。
— 摺墨 (@purpleisabell) 2019年12月18日
公務員の定年延長は今も結局再任用で残ってる人も多いからまあいいとして、給料7割は理解ができない。
仕事も7割にしてくれんの?常勤なのに??— み\\\٩( ‘ω‘ )و ///ぃ (@mie_PALphoto) 2019年12月18日
国家公務員の定年延長が話題だけど、地方公務員とかにこの流れが移行しないでほしい。
だって地方公務員の仕事の大半は、今後20年くらいで人間を雇ってやる理由がなくなるんだからむしろ、地方公務員の方々は早めにやめさせる方に、舵を切ってくれ。
あんなに公務員いらんよ。税金の無駄遣い。
— はぎのともぴこ (@douzui) 2019年12月19日
公務員の定年延長って、民間とは全く逆ですね。
民間だと、アメリカのように早めに稼いで早期リタイアが増えると思います。
民間だと、45歳以上で会社に残ろうとするには、今から考えておかないといけないのに#公務員の定年延長https://t.co/EIybwMYoAP
— 内向型の頂点 (@fuantensyoku) 2019年12月18日
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