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首相が身内にバラ撒き。予算不足で新型肺炎に殺される日本国民

日本中から不満や戸惑いの声が噴出している、政府の新型肺炎への対応。なぜ安倍政権の対策はここまで後手に回ってしまったのでしょうか。そんな疑問に意外な「原因」を挙げるのは、元国税調査官で作家の大村大次郎さん。大村さんは自身のメルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』で、政府の予備費の不足を指摘するとともに、なぜその不足が生じたのかについても「事実」を記しています。

※本記事は有料メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』2020年3月1日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め初月無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール大村大次郎おおむらおおじろう
大阪府出身。10年間の国税局勤務の後、経理事務所などを経て経営コンサルタント、フリーライターに。主な著書に「あらゆる領収書は経費で落とせる」(中央公論新社)「悪の会計学」(双葉社)がある。

新型コロナ対策が遅れを取った財政的理由

新型コロナの勢いが止まりませんね。

新型コロナに関しては、日本政府の初動の遅れが様々なところで叩かれています。

日本では今のところ感染者はそれほど多くはないですが、日本ではごくごく一部の条件に当てはまる人にしか検査を実施していません。感染の疑いがあっても検査を断られている人もいますし、政府の公報で「軽症であれば自力で治るので病院には行くな」という通知まで出しています。これは「軽症ならば感染していても放置する」ということです。つまり、政府は「これ以上拡大することを食い止める」つもりはなく病院が重症になった人を助けることにシフトをしているということです。

もちろん重症者を救うということが第一ですが、それ以前に感染拡大を防止しろよと、ほとんどの国民は思っているはずです。

クルーズ船の乗客の検査もすぐにせずにぐずぐずと引き伸ばし、衛生状況の悪い船内に、感染疑いのある人がいながら乗客乗員を2週間以上も閉じ込めてしまいました。これでは、乗客乗員にわざと感染させるようなものです。

また武漢にチャーター便を飛ばしたはいいけれど、帰国者を隔離するために用意した宿泊場所は部屋が十分に確保できておらず、一部の帰国者は相部屋になるという体たらく。感染の疑いのある人と2週間も相部屋で暮らすというのは、恐怖以外の何物でもありませんよね?しかも、チャーター便での帰国者に対し飛行機代を請求するというみっともなさ。

なぜ政府の対応が後手後手に回っているかというと、その大きな理由の一つとして「予算がない」ということがあるのです。

日本政府は年間予算が100兆円という超大きな予算規模を持っています。にもかかわらず、予算がないとはどういうことでしょうか?今回はその事情をご紹介したいと思います。

政府には予備費がほとんどなかった

あまり知られていませんが、安倍内閣になってから日本の予算の「予備費」が大幅に削られているのです。「予備費」というのは、国に何か起こったときのために自由に使えるお金のことです。

下が昨今の日本の予備費の推移です

2009年度      2兆3,425億円
2010年度      3兆2,025億円 
2011年度      2兆2,095億円
2012年度      3兆4,253億円
2013年度(安倍政権)1兆6,626億円
2014年度  ↓   1兆6,236億円
2015年度      1兆6,335億円
2016年度      1兆4,822億円
2017年度      1兆4,677億円
2018年度      1兆3,217億円
2019年度      1兆5,341億円

 

財務省統計表18表より

(経済対策予備費、復興予備など予備費全般を含む)

この推移を見ると安倍内閣になってから予備費が激減していることがわかるはずです。ほぼ半減していますね。

予備費が少ないということは、国に何かあったときにすぐに対応できないということなのです。感染の疑いのある人全員に検査ができないのも、帰国者一人一人に部屋を用意できなかったのも、クルーズ船の乗員乗客全員をすぐに検査できなかったのも、せんじ詰めれば金がなかったからなのです。

春節前に中国人の入国を拒否しなかったのも、中国人観光客が来なくで観光業が大打撃を受けとき、政府はそれを救援するためのお金がなかったからなのです。

政府は2月15日に新型コロナ対策として153億円程度の支出すると発表しました。100兆円の予算規模を持つ国が、国難ともいえる疾病の対策でわずか153億円しか支出しないとはどういうことでしょう?怒りを通り越して唖然としてしまいます。

その一方で、テレワークや時差出勤、公演や催しものの自粛要請など、政府自体は金を使わず、民間に負担をもたらすような施策ばかりを取り続けました。その挙句、学校の2週間休校の要請です。

国民もさすがにこれには怒りの声をあげだしたので、安倍首相は2月29日に慌てて会見をして、2,700億円の予備費の活用を示唆しました。が、安倍首相の会見では「2,700億円の予備費を活用する」とは言いましたが2,700億円を出すとは言っていません。「今、予備費が2,700億円残っているからそれを活用します」と言っているだけなのです。つまり2,700億円の中からいくら出すかはこれから決めるわけです。2,700億円を出してしまえば国の予備費はゼロになってしまうわけなので、全額出すことはできないと思われます。

また安倍首相は「学校の休校により仕事を休むことを余儀なくされた親には助成金をつくって対応する」と述べましたが、これも具体的にはどうなるかわかっていません。おそらく支給基準のハードルを非常に高く設定することでしょう。新型コロナの検査対象の基準を高く設定して検査数を増やさなかったように。

なぜ安倍内閣はこれほど予備費が少ないのか?

そして本当に驚くべきは、日本の予備費の残額が2,700億円しかないということです。2,700億円しか予備のお金がなかったら、もしこれから何か起こったらまったく何も対応できないはずです。たとえば、もし北朝鮮関係で紛争などが勃発したら、日本政府はどうするつもりなんでしょう?

それにしても、なぜ安倍内閣の予備費はこんなに少ないのでしょうか。少子高齢化対策で予算が回らなかった?いいえ、違います。安倍内閣は少子高齢化対策にそれほどお金は使っていません。教育関係費などは大幅に減額したりもしているのです。

ではなぜ予算がなくなったかというと、自民党の支持者回りに巨額の予算をばら撒いたからです。このメルマガで以前に、第二次安倍内閣が成立した直後から安倍首相の地元の山口県の公共事業費が激増しているということをご紹介しました。が、こういうことは山口県のことだけじゃなく、予算全体において行われているのです。だから、国の一大事に使うべきお金がなくなってしまったのです。次回は、安倍内閣がいかに身内にばかり予算を回しているかということを具体的にご説明したいと思います。(メルマガ『大村大次郎の本音で役に立つ税金情報』より一部抜粋)

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