「森友学園」の公文書改ざんに関与させられたことを苦に自殺した近畿財務局職員の手記が18日、公開されたと、日テレnews24、TBS NEWS、時事通信、NHK、毎日新聞などが報じた。当初は週刊文春の独占スクープとして報じられたが、遺族が18日に国と佐川宣寿理財局長(当時)を相手に大阪地裁へ提訴したことで記者会見がおこなわれ、手記の内容が公開された。手記には、改ざんにいたるまでの経緯や遺書が残されていた。この手記公開を受けて安倍首相は「(すでに)財務省において事実を徹底的に明らかにした」と述べ、菅長官も「すでに調査報告書で事実関係は明らかになっており、厳正な処理が行われた」としている。
「佐川氏には誰も背けない」
手記には、3〜4回にわたる森友学園の公文書改ざんはすべて財務省理財局が行なったこと、森友学園の籠池泰典理事長(当時)との交渉は財務省が主導であったこと、指示はすべて佐川元理財局長であったこと、そして会計検査院の特別検査を巡る財務省幹部の国会答弁は虚偽であったことなどが書かれていた。決済文書の改ざんの経緯と佐川氏の指示も詳細に記載されており、「修正作業の指示が複数回あり現場として私はこれに相当抵抗しました」「管財部長に報告し、当初は応じるなとの指示でしたが、本省理財局の総務課長をはじめ国有財産審理室長などから部長に直接電話があり、応じることはやむを得ないとした」「本省からの出向組の次長は、調書の修正を悪いこととも思わず、本省の補佐の指示に従い、あっけらかんと修正作業を行い、差し替えを行ったのです」「パワハラで有名な佐川局長の指示には誰も背けないのです」と驚きの実態を明らかにしている。
「これが財務官僚機構の実態なのです。パワハラで有名な佐川局長の指示には誰も背けないのです」森友学園問題で、2018年3月に自殺した近畿財務局の赤木俊夫さんの遺族が、赤木さんの手記を公表しました。https://t.co/8xEJzmZxFX
— 毎日新聞 (@mainichi) March 18, 2020
手記公開に安倍首相と菅官房長官は
これを受けて安倍首相は18日、「まじめに職務を精励していた方が自ら命をたたれる大変痛ましい出来事であり、本当に胸が痛む」などと述べたが、「財務省においては、麻生大臣のもとで事実を徹底的に明らかにしたところでありますが、改ざんは二度とあってはならず、今後、しっかりと適正に対応していくものと考えております」と、すでに事実解明が行われたとの認識を示した。
菅官房長官も「亡くなったことに関しては残されたご遺族のみなさんのお気持ちを思うと言葉もなく、謹んでご冥福を申し上げたい」と述べたが、「すでに一昨年の財務省の調査報告書において、理財局の関与などの事実関係が詳細に書かれており、関与した職員に対しては厳正な処理が行われたものという風に承知している」として再度調査は行わない考えを述べた。記者から安倍首相や麻生大臣の責任について問われると「麻生氏はたしか給与返上とかそうしたことをやられたのだろうと思っています」と言葉を濁した。
立憲民主党は再検証チームを設置
立憲民主党の安住淳国対委員長は18日、主要野党の国対委員長会談後に「再検証チーム」を設置すると明らかにした。安住氏は、これまでの政府の証言内容と、今回明らかになった手記や遺書の内容に大きな差があることを指摘。関係者への証人喚問要求も視野に追及するという。これに対して自民党の森山裕国対委員長は「答弁や調査報告書と大きく違うところはない」とした。
この手記公開を受けて、日本のネット上では、自殺した元職員の死を悼むとともに「真相を明らかにすべき」との意見が多く投稿されている。
Twitterの声
必読。良心と正義感。こういう人こそが、生き生きと活躍できる国でなければならないはずなのに。悲惨な状況に陥っているこの国を変えなければならない。本当にこの国の将来を思うなら、絶対に放置できない問題。 #NewsPicks https://t.co/qbfclArLLI
— 平野啓一郎 (@hiranok) March 18, 2020
森友問題で他界された赤木上席。私は近畿財務局出向中、当時、金融監督第3課におられた上席から幾つものご質問を頂戴し、ご回答申し上げました。いつも笑顔で朗らかでおられました。あなたのような誠実な方が亡くなられたことは、我が国にとって損失であったと私は確信しております(弁護士山田祥也)
— 竟成(きょうせい)法律事務所 (@KyoseiLaw) March 18, 2020
遺族が公務災害の認定に係る文書の情報開示を求めたところ、財務省はほぼ黒塗りで提出。代理人も「普通、何時間働いたとか、(上司から)何を言われたかは出てくる」と呆れ顔。これでは一体何を根拠に補償されるのかさえ分からず。財務省、ここに至っても改ざんの経緯・詳細を隠蔽するのか。#森友 pic.twitter.com/HLdCus1S1O
— たつみコータロー 前参議院議員 日本共産党 (@kotarotatsumi) March 18, 2020
野党で「森友問題再検証チーム」を立ち上げ。改めて徹底検証へ。
「野党はまた森友か」「もっと大変なことがあるだろう」と政府・与党から聞こえてきそう。
しかし、そうして安倍首相を庇うあまり、一人の命を奪った。私物化・忖度政治をのさばらせた。許すわけにはいかない。https://t.co/FJL09yym2P— 山添 拓 (@pioneertaku84) March 18, 2020
安倍総理を守るために財務省が近畿財務局を指示して改ざんさせたことは明らかだ。
そして、その結果、職員が自死に追い込まれた。
それを他人ごとのように言える安倍総理は、総理以前に人間として失格だ。https://t.co/AOQzYzqsd4
— 小西ひろゆき (参議院議員) (@konishihiroyuki) March 19, 2020
弁護団、超がんばってほしい。この二人なら可能! / 1件のコメント https://t.co/ZhA6HMewCV “「内閣吹っ飛ぶ」職員の遺書に震える字 森友文書改ざん:朝日新聞デジタル” https://t.co/n5IyIV9TZo
— 渡辺輝人 (@nabeteru1Q78) March 18, 2020
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source:日テレnews24、TBS NEWS、時事通信、NHK
image by:首相官邸HP