MAG2 NEWS MENU

米国のコメディ俳優が伝える「良いニュース」のYouTubeが大反響

新型コロナウイルスの感染拡大により、医療現場の惨状や死亡者数などを伝えるニュースが世界中で増えています。そんな中、アメリカのコメディ俳優が始めた「良いニュース」だけを届けるYou Tubeチャンネルが反響を集めていると、『メルマガ「ニューヨークの遊び方」』の著者、りばてぃさんが伝えています。今回はその中から、ボストンの医療従事者を支援するニュースなど、いくつかの気持ちが和らぐエピソードを紹介してくれます。

YouTubeチャンネル「SomeGoodNews」って?

今週からお届けする「良いニュース」のコーナー。新型コロナで鬱々とした日が続く中、心のビタミンになれば幸いだ。第1回目の今回は、まさに“SomeGoodNews”「良いニュース」という今回のこのコーナーを作ろうと決めたきっかけになった“SomeGoodNews”というYouTubeチャンネルから。そう、同じ名前、だけど一番わかりやすいから良いかな(笑)

コメディ俳優のジョン・クラシンスキー(John Krasinski)さんが3月25日に立ち上げたばかりチャンネルで、新型コロナで暗いニュースが多い中、「以前から良いニュース専門のニュース番組があってもいいじゃないか」と思っていたことを実行したのだそうだ。

ジョン・クラシンスキーさんをご存知ない方のために簡単に説明すると、2005~2013年まで4大ネットワーク局のNBCで放送された人気コメディ番組「ザ・オフィス」(The Office)のジム役だった人。一般的なオフィス内の日常やゴタゴタをコメディ化したもので、個性あるキャラの中でイケメン系キャラとして人気だった。

そして、同番組出演まではレストランのウェイターだったというジョンさんはこの番組出演をきっかけに一気にスターとなったのである。オフィス以外に数々の映画やドラマにご出演されているので、アメリカ人なら知らない人はいないほどの超絶有名な俳優さんなのである。ちなみに奥様は有名ハリウッド女優のエミリー・ブラントさん。

3月末に立ち上がったばかりのこのチャンネルは2週間ほどですでに200万人ものサブスクライブ数で、2週間前に配信されたエピソード1は再生回数1500万回超。物凄い反響となっている。ジョンさんの話や番組構成が面白いというのもあるけど、それだけ何かしらの良いニュースを求めている人がいたり、思わずシェアしたくなったのかも?
Some Good News with John Krasinski Ep. 1

ちなみにエピソード1では、明るいニュースや感動のエピソードを中心とした情報を発信するメディアをいくつか紹介しており、例えば以下のInspireMoreなどがある。5分で幸せになれるメールニュースを配信しているとのことなのでご興味ある方はどうぞ。
InspireMore

なぜに良いニュースが必要とされ、ここまでの反響となっているのか?それは、これまで経験したことのないほどの大変な状況になっているから。ニューヨークは3月16日からの本格的な自宅待機以降、毎日のように陽性と判断された感染者数、入院者数、ICU入院者数、死亡者数が報じられている。

州知事や市長の会見もそうだが、大変だという状況を中心に報道するメディアがほとんどなので(もちろん医療現場の惨状や死亡者数を報道することで“Stay home”の重要性を伝える意義もあるが)、これまでどおりテレビやニュース報道を見ていた人たちは急に暗いニュースばかりを目にするようになる。それに正しく情報を得て、正しく怖がり、正しく備えるのが重要なので、まったく情報を入れないわけにはいかないのだ。

でも、もうかれこれ1ヶ月は続くこの状況はなかなかきつい。気分転換しようにも外に出ることを控えている状況では、気分転換もなかなかうまくいかなかったりする。もう自分一人の力ではどうすることもできないって人もいるのではないだろうか。

だからクリエイターや影響力のあるインフルエンサーはそれぞれの方法で少しでも前に進めるような何かを提供しようとしていて、ジョンさんも気分が明るくなったり癒されたりする良いニュースを中心に届けようと思ったのだろう。

それに、新型コロナ問題は、まぁ、どう考えても長期戦となる。よく、「新型コロナの終息」はいつか?という質問をみかけるが、終息はしばらくこないだろう。考えてみれば当たり前だが、ワクチンや確立された治療法があってはじめて終息を迎えられるのだから。でも、「収束」は年内中にはするかな?というところだろうか。

「終息」? or 「収束」?

せっかくなので「終息」と「収束」についてNHK文研が詳しく説明してくれているので確認しておこう。完全に問題が終わる場合に使うのが「終息」。終息宣言や戦争が終息した、などで使う。一方、収束は「(状況・事態などが)ある一定の状態に落ち着く」という意味。ただし、病気自体が「収束する」という言い方や書き方はしないとのことで、問題や感染状況が落ち着いた際に使うとのこと。

当該ページからさらに引用すると、

「新型肺炎の「完全制圧」の場合には「終息」、(完全制圧ではないにしても)新型肺炎に関する(社会的)状況などがかなり落ち着いてきた場合には「収束」、ということになります。」(NHK文研)

…とのこと。

ワクチンや確立された治療法がない状況では、社会的な状況が落ち着いた状態の「収束」はするかもしれないが、「終息」ではないのだ。なお、この状況を踏まえて、新型コロナ以前と以後として様々語られはじめているので、詳しく特集でお届けする。
新型肺炎の「終息」? 「収束」? | ことば(放送用語) – 最近気になる放送用語 | NHK放送文化研究所

そんなわけで徐々に「収束」するかもしれないが、どう考えても長期戦になるので、心構えや準備が必要だ。どんな生活をしていけば良いかを真剣に考えはじめると、毎日繰り返される暗いニュースばかりではなく、世の中はまだまだ捨てたもんじゃないと思わせてくれる良いニュースが必要なのだと思う。

ちなみにジョンさんのチャンネルに影響受けて“SomeGoodNews”をSNSで配信始めている人たちがけっこういるとのことなので、同じようなことを考えていたり、共感した人たちが多いのだろう。

ジョンさんの“SomeGoodNews”ではいろんな良いニュースを伝えてくれているので、ここでご紹介しきれないけども、例えば、ミュージカルのハミルトンが、キャンセルでみにいけなくなってしまった小学生の女の子に、サプライズでハミルトンのキャストがZoomで参加して歌ってくれたりとか。子ども喜ぶ顔はそれだけで癒される。
Hamilton Original Broadway Cast Zoom Performance “Alexander Hamilton”

ジョンさんの実家があるボストンの病院で、まさに最前線で戦う新型コロナ特別医療チームの皆さんに、感謝の気持ちを伝えるため集まってもらった直近の配信も素晴らしかった。

ボストンの地元プロ野球チームといえばレッドソックス。ボストンの地下鉄に乗ればレッドソックスの帽子をかぶったファンを必ず見るくらい人気だ。でも今年はMLB大リーグ開幕延期ということで、残念がっているファンも多く、当然、医療従事者の皆さんも野球感染の楽しみがないまま毎日必死に働いてくれている。

そこで、レッドソックスファンなら知らない人はいない永久欠番34番を付けていたデビッド・オルティーズ選手をゲストに招待するサプライズ。永久欠番にまでなった選手が登場するだけでも感動のご様子の医療チームの皆さんにさらに良いニュース。レッドソックスのボストンの球場のチケットをこの病院のスタッフ全員に生涯タダで提供するとのこと。すごい。

スタッフ用の席があるそうで、番組司会のジョンさんも16年以上も狙っているチケットなのだそうだ。それが一生分ってすごい。ちなみに病院はBeth Israel Deaconess Medical Centerで働くスタッフの皆さん。さらにさらに、番組最後に通信会社のAT&Tがアメリカ国内の看護師や医師の皆さんの携帯電話代3ヶ月分を無料にすると宣言。

AT&Tは契約内容にもよるがスマホ利用の場合はだいたい100~200ドルほど。命がけで治療にあたってくれている看護師や医師の皆さんにとっては小さいことだけども、少しでもお礼の気持ちを伝えたいということなのだろう。ジョンさんの番組で良いニュースと一緒にこうした企業の支援も広まっていくのはすごいことだと思う。

image by: nevodka / shutterstock

りばてぃこの著者の記事一覧

ニューヨークの大学卒業後、現地で就職、独立。マーケティング会社ファウンダー。ニューヨーク在住。読んでハッピーになれるポジティブな情報や、その他ブログで書けないとっておきの情報満載のメルマガは読み応え抜群。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料で読んでみる  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 メルマガ「ニューヨークの遊び方」 』

【著者】 りばてぃ 【月額】 初月無料!月額880円(税込) 【発行周期】 毎週 水曜日 発行予定

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け