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前代未聞の無観客。ついに開幕2020年プロ野球を何倍も楽しむ方法

いよいよ19日に開幕するプロ野球。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、3カ月遅れの開幕となる。試合数は2019年シーズンの143試合から120試合制となり交流戦はなし。過密日程の中、無観客で試合は行われていく。今年はいつもと全てが異なるプロ野球。誰も味わったことのないシーズンが始まろうとしている。

しかし、無観客試合だからこそ味わえる魅力がある。過密日程だからこそ楽しめるポイントがある。2020年シーズンでしか味わえない、今年のプロ野球の楽しみ方を一挙に紹介していく。

無観客試合ならではの野球の“音”を楽しむ 

通常のプロ野球の試合で当たり前に聞こえてくる音、スタジアムに響くファンの声援や歓声、鳴り物の応援、そして球場内のざわつき。しかし、これらの音が無観客で行われる試合には一切ない。

すると、どんな音がそこにあるのか。ピッチャーが投げた剛速球を捕る、キャッチャーの「バシッ」というキャッチング音。バッターが打った時の木製バットならではのバッティング音。それだけではない。これまでは耳にすることがなかった選手たちの声も聞こえるはずだ。

ピッチャーは投げる時に何か言葉を発しているのか? 野手はピッチャーにどんな声をかけているのか? 牽制球で刺されたランナーに他の選手は何と声をかけるのか? チャンスで凡退してベンチに戻った選手に励ましの言葉はあるのか? もちろん、これらはマイクの設置場所にもよるので、全てが聞こえるわけではないが、無観客だからこそ聞こえる音が必ずある。球場の様々な音が魅力になるのだ。

そして、無観客で声援がない一方、野次も浴びせられることもないので、プレッシャーに弱い選手は、もしかしたら無観客の方が実力を発揮することがあるかもしれない。また、観客の声援をパワーに変えていた選手はいつものような活躍ができないかもしれない。そのようなところも見どころの一つとなりそうだ。

image by: beeboysshutterstock

過密日程で佐々木、奥川のデビューも期待

2020年シーズンは120試合制となり、昨年より23試合減少することになる。開幕が3カ月も遅れたのに、23試合しか減らないということは、それだけ過密な日程になることを意味している。交流戦はなくなり、オールスターゲームもない。CSはパ・リーグのみ開催する方向になっているという。ドーム球場が増えたとはいえ、シーズン終盤になればダブルヘッダーを組まないと試合消化は難しくなるだろう。

また、過密日程によって選手の疲労が溜まるのは明らかで、休養を取らせることも必要となってくる。バックアップ要員やベンチワークが重要となり、変則シーズンだからこそ、監督の采配はより重要となりそうだ。

一方、連戦によって、レギュラークラスではない選手のチャンスは増えるはず。先発投手の数は6枚は必要となるだろうし、中継ぎはフル活用されるだろう。そうなれば、通常のシーズンなら、なかなかマウンドに上がれない投手にもチャンスがあり、思わぬヒーローが誕生する楽しみがある。もしかしたら、投手陣に疲れが出てくる夏場に、注目の高卒新人ロッテの佐々木やヤクルトの奥川のデビューがあるかもしれない。

移動によるコロナ感染をどう防ぐか

過密日程に加えて、今シーズン大事になってくるのが、新型コロナウイルスの感染防止。選手がコロナに感染してしまったら、試合に出場することはできなくなり、これがもし4番やエースなど主力級クラスだと大変なことになる。しかし、新幹線や飛行機など移動手段として公共交通機関を使う以上、感染リスクは避けられない。だからこそ、チームとして、球団としての体調管理、危機管理が大きなカギとなりそうだ。

日本ハムが北海道、ソフトバンクが福岡と、長距離の移動を余儀なくされるパ・リーグは、感染リスクを減らすため、開幕カード後は同一カード6連戦とする措置を発表した。

実はこれが選手や首脳陣からするとかなりつらい。勝ちが続いている場合は勢いがついて良いが、負け続けていると抜け出せなくなる可能性がある。ベンチの空気や雰囲気を変えるのはなかなか難しい。そのため、連敗ストッパーとなる「勝てる絶対的エース」や、チームを鼓舞する強いキャプテンシーを持った選手が必要となりそうだ。

また、遠征先でのストレスも溜まる一方かもしれない。ほとんどの球団が遠征先での外出を禁止することになるといい、選手たちはホテルに缶詰めとなりそうだ。もしかしたら、写真週刊誌が外出禁止を破る選手を狙うということもあるかもしれない。遠征先での外出は選手にとって大きなストレス発散となるため、モチベーションコントロールをいかに保てるかが重要となりそうだ。

2020年のプロ野球を楽しもう

誰も経験したことのないシーズンがいよいよ19日から始まる。当面は無観客での試合ということになっているが、ひょっとすると1シーズンずっと観客がいない球場で試合をすることになるかもしれない。その可能性は十分にあるだろう。

日本シリーズの開幕は11月21日。そこまでどのような試合が行われていくのか。悲観することなく、2020年しか見ることができないプロ野球として、今年の開幕を楽しみに迎えたい。

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