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なぜ麻生氏は未曾有の事態に解散総選挙をしようとしているのか?

永田町が騒がしい。ポスト安倍に名を連ねる政治家たちの動きが活発化。連立を組む公明党は早期の解散については慎重だが、自民党の実力者たちは次々と会談を行っている。そんな中、この秋の解散を声高に叫んでいるのが、麻生太郎副総理兼財務相だ。

麻生氏がこだわる秋の解散

30日付の朝日新聞によると、公明党の斉藤鉄夫幹事長と会談した麻生氏は、「選挙の時期について意見を交わし、麻生氏が今秋の解散が望ましいとの考えを伝えた一方で、斉藤氏は早期解散に慎重姿勢を示した」と伝えている。

6月に入り、安倍首相と麻生副総理が2人で会談を行う回数が増え、おそらくそこで麻生氏から「この秋の解散」の進言がされているのだろう。

東京都では新型コロナウイルスの感染者が1日で107人に達するなど、収束の気配すら見えない中、なぜ麻生氏は秋の解散にこだわるのか。そこには麻生氏の苦い経験が垣間見れる。

麻生総理が経験した苦い経験とは?

ご存知の通り麻生氏は、第92代内閣総理大臣として、2008年9月24日から2009年9月16日まで、第1次麻生政権を率いた。

当時、自民党内で圧倒的な人気を誇っていた麻生氏は「選挙の顔」として期待されていた。前任の福田康夫元首相は支持率が低く、選挙を戦えない。そのため、麻生氏は解散、総選挙を行うことを前提に首相になったとも言われていた。

総理就任後、ほどなくして解散しようと試みた麻生氏だったが、当時はリーマンショックの真っ只中。世界を襲った経済危機は日本も例外ではなく、周囲からの反対もあったことから、麻生氏は解散を断念。結局、任期満了近くまで総理の座につき、そこから解散総選挙に打って出た。

しかし、結果は惨敗。自民党は記録的な大敗を喫し、政権を民主党(当時)に明け渡すことになった。麻生氏にはこのトラウマがあり、だらだらと長く政権を維持するよりは、野党の足並みもそろっていないこの秋なら選挙に勝てると見込んでいるのだ。来年まで引き延ばして、追い込まれ解散になるようなことは避けたいというのが本音だろう。

麻生氏は自身が総理大臣であった当時のリーマンショックと、現在の新型コロナウイルスの現状を重ね合わせている。だからこそ、麻生氏はこの秋の解散を声高に叫んでいるのだ。

党利党略だけを考えた解散はありえない

そんな麻生氏の思いとは裏腹に、秋解散について自民党内の反応は鈍い。加えて、先月30日に記者会見をした公明党の山口那津男代表も「まだブルペンに入っている状況ではない」と話し、野党どころか自公の足並みすら揃っていないのが現状だ。

しかし、安倍首相は麻生氏を最も信頼していて、度重なる2人だけの会談の中で、「解散話」がどう転がるかわからない。もし、自民党が勝つことだけを考えて、コロナ禍の中で解散総選挙に打って出たとしたら、国民のことを第一に考えているとは到底思えない。

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コロナで倒産や解雇で明日からの生活に不安だらけの今、解散だなんだって?以前は国民に信を問うって解散しまくってたけど、問うことすら放棄している。麻生氏再登板なんて誰が言い出したのか…責任とれるのか?まさかの本人か?#解散風  #勝手に吹かすな

— すずめ (@3J6DF35JPXm0ztw) July 2, 2020

今衆院解散して、勝てると思ってるのかな⁉️😵 安倍、麻生さんはじめ、自民党って相当な自信家だな⁉️😵 世間とズレズレだな⁉️😡#モーニングショー

— 無知者の逆説 (@sabanyann) July 2, 2020

感染対策が不徹底な「日本モデル」の場合第2波ではなく第1波の残り波。大量死者数を出しつつある欧米型でないことを祈るが安倍麻生が考える秋の解散総選挙は飛んでしまうのでは。安倍ではこの残り波さえ乗り越えられないのでは。今安倍モデルではない真の総合対策が必要だ。 https://t.co/zIy6KHmt8W

— 佐藤 章 (@bSM2TC2coIKWrlM) July 2, 2020

麻生氏が公明幹部に「今秋の衆院解散・総選挙が望ましい」ーーコロナ対応の不手際、黒川問題、河井夫妻の選挙買収…夏休みを過ぎれば国民はみんな忘れる、チャンスだとでもいうつもりか。
安倍首相がいま行うべきは、国会を開き疑惑の説明を尽くし、責任をとって辞めることだ。https://t.co/Gw9nSyDxsj

— 山添 拓 (@pioneertaku84) July 1, 2020

おはようございます。「野党の態勢が整わないうちに」と麻生氏が秋解散のススメ。解散は党利党略(私利私略)とはいえ、コロナ第二波に備えるべき時に無責任すぎます。そもそも、これほどの不祥事や停滞感の下で勝てると思うのか。舐められた野党は共闘準備を急ぐしかありません。
シダの仲間@砧公園 pic.twitter.com/4CmQP8mc7h

— 冨永 格(たぬちん) (@tanutinn) July 1, 2020

麻生副総理は追い込まれ解散で大敗した経験もあるので、任期1年となる今秋に解散、というのはわからなくもないが、国民としてはまだまだ衆院選という雰囲気ではなかろう。
しかし、五輪の状況、第二波、米大統領選、東アジア情勢等不安定要素が多いのも事実。 https://t.co/3bVYDdQ86n

— 茨木信三郎 (@shinzo3704) July 2, 2020

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source: 朝日新聞

image by:Pollyanna1919Wikimedia Commons経由

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