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「計画倒ればかりの息子が心配です」家庭教育のプロに聞いてみた

「やる」と言ったことをやらない。親をイライラさせ心配させる子どもの振る舞いの中でも、上位に位置づけされる行動なのではないでしょうか。メルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』著者の柳川由紀さんは、「子どもが自分の欲求に従ってしまうのは仕方がないこと」としたうえで、子どもの成長のために親が意識すべきこと、できることを伝えています。

進路ではなく針路を与えましょう

Question

息子は計画倒ればかりです。宿題の計画を描いたものの実行しない、勉強しようよ、と一緒にこちらも準備をしても友だちと約束の時間だから無理、と言います。基本的に子どもを尊重する教育方針なのですが、果たしてこの姿勢で子どもが伸びるのか心配になってきました。(小学2年男子のお母様より)

柳川さんからの回答

「子どもは親の言うことを聞かないもの」と認識しておきましょう。子どもには子どもの世界があり、子どもの都合もあります。大人が折れることも必要です。親にできることをお伝えします。

1.親の常識を見直す

子どもは「小さな大人」ではありません。大人の言うことを聞かない、自分の欲求に従う、というのは当たり前です。そうした中で、実際に失敗したり、困った体験をしたりすることによって、子どもは自分のこととして受け止め、自立に向かいます。

子どもは親の言うことを聞かなくて当たり前、それができる子どもは「小さな大人」です。大人の物差しで子どもを見ずに、ありのままの子どもを見るようにしましょう。

2.自分で責任を取ることを学ばせる

例えば、親の言うことを聞かずに、遊びたいから遊び、宿題をしなかったら、翌日学校で、先生から叱られればいいのです。実際に叱られる体験、宿題をせずに授業が分からなくなる経験をしない限り、どれだけ親が言葉で伝えても伝わりません。

子どもが自分で考え、自分で行動し、自分で責任を取れるようにするには、結果ではなくその結果によって子どもがどうしたか、という点に注目しましょう。この場合、「宿題をしなくて叱られた」という結果ではなく、「叱られた」ことによって「自分がどう思ったか、今後どうするのか」が大切なのです。

3.自分をさらけ出す場所を見つける

今の子どもたちは、親の世代と比較して、本当の自分をさらけ出す場所や、だらっとした姿を見せられる場所が少なくなりました。学校では気を使っていますし、かつては、近所の人や、駄菓子屋のおばさんなどと会話してストレスの発散場所がありましたが、今は、コンビニや自動販売機が相手です。

放課後、仲の良い友達と遊ぼうにも、習い事や塾に明け暮れる子どもたちばかりで、時間に追われ、思う存分とことんまで遊ぶことができません。だからせめて、家では自分をさらけ出せる環境を整えておきましょう。少しくらい片付いていなくても、だらだらしても目をつむることです。

家庭教育アドバイス…「心に栄養を届ける」

子どもたちが自分の「進路」を見つけるには、幼いころから親が「針路」を与えるような接し方をする必要があります。そのための一つは子どもの自立の芽を摘まないこと。自立の第一歩は親への反抗です。けれども、子どもの反抗のベースには、つねに「不安」が付きまとっています。何かを達成しようと思うからこそ不安に駆られるのです。人の心のメカニズムだから仕方ありません。

親は子どもに安心感を与えましょう。そのためには、「いい子だから」「言うことを聞くから」「勉強ができるから」などの条件付きの愛をやめ、無条件で子どもを愛している、ということを実感させることです。

一番効果的なのは、子どもの話を真剣に「聴く」ことです。しかも、聴いている間は、決してアドバイスしたり、叱ったり、不安を口にしたりしてはいけません。とことん、聴くことに徹するのです。週に一度10分ほどからスタートし、まずは、「最近、どう?」の一言から笑顔で始めましょう。
「ユキの親トレ塾」YouTube動画で配信中です。

image by: Shutterstock.com

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家庭教育のプロとして、教育相談員の経験を生かしながら、親としての接し方のコツをお伝えします。子どもは、親のサポートの仕方でずいぶん変わります。子どもの能力を最大限に引き出せるよう、まずは親力をアップさせましょう。専門である教育心理学、家庭教育学をベースに家庭の中でできる「子どもを伸ばすためのコミュニケーション術」を「親の力」に視点を置き配信予定です。乳幼児、小学生、中学生、高校生、大学生など発達段階に応じた子どもへの声掛けを具体的にご紹介します。

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【著者】 家庭教育アドバイザー 柳川由紀 【月額】 初月無料!月額508円(税込) 【発行周期】 毎月 第1月曜日・第2月曜日・第3月曜日・第4月曜日(年末年始を除く) 発行予定

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