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中国に屈せぬ周庭と黎智英は共産党に殺されるのか?日本よ香港の勇者を守れ

10日、香港で起きた一連のデモ活動の中心的人物で「民主の女神」と言われた周庭(アグネス・チョウ)さん(23)や、中国に批判的な論調の新聞・雑誌を発行する香港メディア『壱伝媒(ネクスト・デジタル)』の創業者・黎智英(ジミー・ライ)氏(71)らが、香港国家安全維持法に違反したとして相次いで逮捕された。NHKニュースなどが報じた。ネット上では、周庭さんを応援する多くの日本人から、香港および中国当局への怒りと、周さんへの応援メッセージが投稿されている。

image by: 周庭さんTwitter

Twitterには10日夜から11日朝にかけて、「#FreeAgnes」や「#周庭氏の逮捕に抗議する」など、周さんの逮捕に抗議するハッシュタグが登場し、トレンド入り。現在も、多くの応援コメントがハッシュタグと共に投稿されている。

image by: 周庭さんTwitter

香港当局は10日、23歳から72歳までの男女10人を香港国家安全維持法に違反した疑いなどで逮捕し、その中の一人に周庭さんがいたことが判明している。香港の地元メディアの報道によると、逮捕時の周さんは手を後ろに回された状態で連行されたという。

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香港の反中メディア王も逮捕

10日に逮捕された10人には、反中国的な論調のタブロイド紙『アップルデイリー(蘋果日報)』を発行するメディア企業『壱伝媒(ネクスト・デジタル)』の創業者であるジミー・ライ氏も含まれていた。ライ氏は自宅で逮捕されたが、香港当局は本人を連行して同本社内を200人体勢で捜索したという。その捜索の様子はアップルデイリー紙の公式Facebookで生中継され、世界中の人々を震撼させた。

「ライ氏を応援して」株価、一時344%急騰。たった2日間で1000%に

今回のジミー・ライ氏の逮捕を受け、香港の民主派活動家らが投資家に対して、SNS上で壱伝媒を支援するよう呼び掛けたため、10日には一時株価が344%まで急騰したという。同社の株価は、最終的に183%高で取引を終了している。フランスのAFP通信などが報じた。

また、11日にも同様の働きかけが行われたため、たった2日間で同社の株価は1000%も値上がりし、2014年以来6年ぶりの高値となっている。

ユニクロにヒントを与えた男。元グループ社員が語る、ジミー・ライ氏の素顔

ジミー・ライ氏は、2014年の雨傘運動や2019年の大規模デモに自らプラカードなどを掲げて参加していた他、香港民主化運動に自ら資金を提供し、アメリカにも直接出向いて、ポンペオ国務長官らと会い、支援を呼びかけていた。在日アメリカ大使館は公式Twitterで、ポンペオ氏が今回のライ氏の逮捕を受けて「香港の極めて厳しい国家安全維持法の下で逮捕されたという報道に非常に心を痛めている。中国共産党が香港の自由を骨抜きにし、市民の権利を蝕んでいることが改めて証明された」とツイートしたことを日本語で明らかにした。

壱伝媒グループの台湾支社に勤務していたことのある日本人男性によると、ライ氏は1981年に現在のファストファッションの先駆けとなった服店「ジョルダーノ」を香港で創業。ライ氏と同い年であるユニクロ創業者の柳井正氏は、この「ジョルダーノ」によって製造小売業(SPA)の可能性を知り、のちにユニクロを世界で展開していくこととなったという。

1990年、「ジョルダーノ」の株を売却した資金で、香港にてメディア企業「壱伝媒(ネクスト・デジタル)」を創業。タブロイド日刊紙『アップルデイリー(蘋果日報)』や雑誌『壱週刊』、テレビ局などを香港と台湾に展開し、反中メディアの中心的な人物として知られるようになった。

同元社員の男性は、ライ氏の意外な素顔について以下のようなエピソードを明かした。

「台湾支社に勤務していたとき、ジミー・ライ氏の部屋がある階でエレベーターが止まりました。中に入ってきたのがライ氏本人で、居合わせた同僚たちは緊張のあまり一瞬にして無言に。目的の階に着くと、先に社員らを降ろし、ライ氏は「開」ボタンを押して自ら扉を手で押さえて最後の一人が降りるまで待っていたんです。過激な反中メディア王として、そして強面の外見とは裏腹に、とても紳士的な人物でした」

「明日の新聞が白紙だとしても私は買う」

現在、創業者ライ氏が逮捕されても日刊紙の『アップルデイリー』は発行を続けている。香港の民主派議員、邵家臻氏はフェイスブックで「アップルデイリーが明日、白紙の山だったとしても、私はそれを買う」と投稿し、同紙とライ氏の支持を表明している。

安否が気になる周庭さんの今後

今は何といっても、10日に逮捕された周庭さんの安否が心配だ。今後、彼女は無事に帰宅することができるのだろうか?

イギリスに渡った香港の民主活動家の羅冠聡氏は、「アグネスは一緒に闘ってきた友人の一人です。独裁政権である中国共産党(CCP)は国安法違反「国家分裂」の容疑で23歳の女性を逮捕。彼女は無罪だが、無期刑を受ける可能性がある。日本の皆様のサポートが必要です」と、周さんが逮捕された当時の写真とともに、日本人へ応援を要請するツイートを投稿した。

経済や政治の面でのしがらみによって、中国や香港当局の横暴に対して強い態度に出ることができない日本政府。このまま政府が中国にダンマリを決め込むのであれば、私たち日本人が自ら声をあげるべき時ではないだろうか? 今こそ、彼女たちには日本人のサポートが必要だ。

source: NHKニュースAFP通信

※本記事内のツイートにつきましては、Twitterのツイート埋め込み機能を利用して掲載させていただいております。

image by: 美国之音莉雅 / Public domain、User:Okstartnow / CC0

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