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NYの日本人社長が社員たちのリモートワークをまだまだ続ける理由

アメリカで最も早く新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、最も多くの死者を出したニューヨーク州の感染状況は、他州に比べると落ち着き、ビジネスパーソンも街に戻り始めているようです。しかし、メルマガ『NEW YORK 摩天楼便り-マンハッタンの最前線から-by 高橋克明』著者でニューヨークの邦字紙『NEW YORK ビズ!』CEOの高橋克明さんは、社員に対しステイホームの推奨を続けています。理由の1つとして、コメディー女優のレナ・ダナムさんがSNSで明かした新型コロナ感染体験から感じたことについて述べています。

今だからこそ、あえて、また、ステイホーム

「ニューヨークの最新コロナ状況」としては、北米全体で感染者数が急増しているカリフォルニア州、テキサス州、フロリダ州、アリゾナ州あたりに比べると、ニューヨークはだいぶ収まってきました。ピークは4月の上旬から中旬で、そこからは順調に下降線をたどっています。フロリダやカリフォルニアはとうとうニューヨークの感染者数を超えました。ただ、死者数に関しては、累計3万2000人以上のニューヨークがダントツ1位です。

理由は、どの州よりも先にクラスターのピークを迎えたので、対応策に時間がかかった、ということらしいです。他の州は、ニューヨークの惨劇をその後に生かせた、ということなのかもしれません。表現としてはあまりに不謹慎だけれども。

7月20日に、正式に「第4フェーズ」に入ったとはいえ、マンハッタンを歩いてみると肌感覚ではまだまだ「ゴーストタウン」です。弊社もブルックリンやクイーンズに在住している社員のマンハッタンへの出社はまだ許可していません。僕の一存で。彼らももうしばらくは電車移動をしたくない。できれば在宅でリモートワークをしたい、というのが本音だと思います。

とは言っても、少しずつですが、スーツ姿のニューヨーカーも街にちらほら見かけるようになりました。感染率は、「第2波」とマスコミが煽っている東京より下回るようになりました。東京の検査数自体の数が増えたから等、数字のマジックが介在するにせよ、政府のGoToなんちゃら政策が勇み足だったのは誰の目にも明らかなのではと思います。

うちの州知事、クオモさんが「新型コロナを政治化するな」「アフターコロナの社会をビフォーコロナより良いものにする!」などと発言して、高い支持を集めていることは、日本にも報道されたようなので、彼の人気も含め、知っている人も多いかと思います。

コロナを政治化するな─。この言葉の意味するところは何なのでしょう。もちろん、この先の大統領選に向けての発言だということはわかります。日本にしても、政党間の人気集めの材料にしている側面を指している言葉ということも。ただ、僕は、単純に「まずは、政治より、経済より健康を優先しようと」と捉えました。捉えるようにしました。

先週、アメリカ国民みんな知ってる、コメディー女優のレナ・ダナムがコロナ感染後、「私のCOVIDストーリー」として、初めてSNSで自身の症状を投稿したことが話題になりました。彼女が感染したのは3月。その後も、トム・ハンクスや、メル・ギブソン、オルガ・キュリレンコなど多くのハリウッド著名人が感染したのですが、僕の記憶が正しければ、最初に感染したハリウッドの有名人はトム・ハンクスでしたが、実質的には彼女の方が早かったそうです。

内容は「みんながマスクなしでパーティーをしているので伝えます。コロナウイルスは人を殺します。そして予想以上に身体と生活を変えていきます。私の体は私に反乱を起こしました。神経が焼け、手足が痺れました。味覚、匂いがなくなりました。眠れなく、起きれませんでした。コップ一杯の水を飲むなどの単純作業の後に、呼吸ができませんでした。ランダムな赤い発疹。眉間にズキズキくる激痛。これが21日間続きました」

僕なりの解釈ですが「コロナウイルスの致死率が何%とか、年齢によって変わるとか、いろいろ言われているけれど、感染したら、そんな悠長なこと言ってられないよ」ということです。データとパーセンテージにより、行政が今後の対策を考えるのは非常に重要ですが、個人がその数字に乗っかり、自分が感染しない、しても死なない、と安心するのはどうかと思います。あまりセンスのいい考え方ではない。

どっちにしろ、めちゃくちゃ苦しいようです。場合によっては死ぬし、死ななくても、死ぬほど苦しいそうです。パーセンテージで安心するより、もし感染したらと想像して、ちゃんとビビること。アンチステイホーム派には申し訳ないけれど、「世界最大のクラスター」が少しずつ解消されてきた街に住む、僕の本音です。

image by: Shutterstock.com

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全米発刊邦字紙「NEWYORK BIZ」CEO 兼発行人。同時にプロインタビュアーとしてハリウッドスターをはじめ1000人のインタビュー記事を世に出す。メルマガでは毎週エキサイティングなNY生活やインタビューのウラ話などほかでは記事にできないイシューを届けてくれる。初の著書『武器は走りながら拾え!』が2019年11月11日に発売。

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【著者】 高橋克明 【月額】 初月無料!月額586円(税込) 【発行周期】 毎週水曜日

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