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総理の資質ゼロ。菅義偉氏がTVで言い放った官僚脅しの独裁者発言

先日掲載の「菅新総理『ショボい記者会見』に見た日本の不安と暗闘。参謀不在で危機に」では記者会見における準備不足が指摘された菅首相ですが、失言や暴言も連発しているようです。今回のメルマガ『きっこのメルマガ』では人気ブロガーのきっこさんが、その呆れた発言の数々を紹介。殊にテレビインタビューで堂々と官僚を脅した大暴言については、「総理の資質ゼロの最後のトドメ」とし厳しく糾弾しています。

安倍晋三以下のポンコツ総理誕生

推理小説を最後のページから読み始めるような、最初から結果の分かっているバカバカしい茶番劇も終わり、とうとう「令和おじさん」が令和になってから就任した記念すべき第1号の総理大臣(仮)になってしまいました。何で(仮)なのかと言うと、こんなヤラセのデキレース、あたしは認めていないからです。

それにしても、今回の総裁選中の菅義偉氏の失言や暴言には、本当に呆れ果ててしまいました。まず最初に呆れたのが、9月2日の出馬会見での発言です。菅義偉氏は「国の基本理念」として「自助・共助・公助」と述べたのです。ようするに、困ったことがあったら、まずは「自分で何とかしろ」、それが無理なら「家族や友人、知人に助けてもらえ」、それでもダメなら、ここで初めて「国を頼れ」と言ったのです。

今日まで7年8カ月にも及ぶ安倍政権による悪政によって、金持ちと庶民の格差、中央と地方の格差など、様々な格差が拡大してしまいました。麻生太郎のような大金持ちの家に生まれた子どもと、パートで食い繋いでいるシングルマザーの子どもでは、人生のスタートラインがまったく違います。こんな社会にしておいて、誰も彼も一律に「自分で何とかしろ」と言うのは無責任過ぎます。

まずは、誰もが同じスタートラインに立てる社会にするのが政治の役割ではないでしょうか?誰もが同じレベルの教育を受けられ、同じレベルの医療を受けられ、同じレベルの社会保障を受けられる社会にするのが政治の役割ではないでしょうか?今、日本の子どもは、7人に1人が貧困で、ひとり親家庭の場合は2人に1人が貧困で、学校が休みの日は給食がないので1日1食だと言われています。こんな状況なのに、仮にも総理大臣に内定している候補者が国民に向かって「自分で何とかしろ」だなんて、これは「無責任」を通り越した「職務放棄」です。

次にあたしが呆れたのは、9月8日のTBSテレビでの「自衛隊は憲法の中で否定されている」というトンデモ発言です。自民党政権は、これまでずっと「自衛隊は軍隊ではないので合憲である」と言い続けて来たのに、政府見解と真逆のことを言い出した総理大臣候補、一体どうしちゃったのでしょうか?

さすがにコレは失言だったと自覚したようで、菅義偉は翌9日、大慌てで釈明しました。しかし、またいつもの「言葉足らずだったため誤解を招いたかもしれない」というお決まりの前置きをしてから「自衛隊は憲法に違反するものではないというのが政府の正式な見解だ」と述べたのです。前日には「自衛隊は憲法の中で否定されている」とハッキリ発言しているのですから、誤解する余地などありません。どうして自民党の閣僚たちって自分の過ちを素直に認めないのでしょうか?

これまで安倍晋三氏が「憲法への自衛隊の明記」を主張して来たのは「自衛隊は憲法の中で否定されている」からではなく「多くの憲法学者が自衛隊を違憲としている」からです。7年8カ月も安倍晋三氏の右腕として官房長官をつとめて来たのに、その安倍晋三氏がどうして「憲法への自衛隊の明記」を主張していたのかを知らなかっただなんて、それ以前に「政府の正式な見解」を知らなかっただなんて、あまりにもポンコツ過ぎます。

お次は9月10日のテレビ東京での発言です。この番組の「○・△・×」で答えるコーナーで、「消費税は将来的に10%より引き上げる必要はあるか?」との質問に「○」と回答した菅義偉氏は、これからは少子高齢化が進んで人口減少は避けられないと説明した上で「国民にお願いをして消費税は引き上げざるをえない」と述べたのです。

これには、自民党内部からも批判の声が相次ぎました。少なくとも1年以内には総選挙があるのに、このタイミングで増税の話などされては、自民党の衆議院議員たちはたまりません。そして菅義偉は、翌11日、またまた大慌てで釈明したのです。この時は「消費税引き上げはあくまでも将来的な話で、今後10年は引き上げる必要はない」と述べました。でも「あくまでも将来的な話」と言われても、タイムマシンで過去に戻って引き上げることなんてできないのだから、引き上げる場合は100%「将来の話」なんですけどね。

と言うか、そもそもの話として「少子高齢化」や「人口減少」を何とかするのが政治なのではないでしょうか?あの「言うだけ番長」の安倍晋三氏ですら、具体的な方策もやる気もないくせに「出生率1.8」などと、目標だけは掲げていたのです。それなのに、今度の総理大臣は最初から「少子高齢化が進んで人口減少は避けられない」と断言して丸投げですか?そしたら完全に「安倍晋三以下のポンコツ」じゃないですか。

ここまでの発言だけでも、菅義偉の「総理の資質ゼロ」を証明するには十分ですが、投開票日の前日の9月13日、最後のトドメが炸裂しました。この日のフジテレビで、「内閣人事局の見直し」について質問された菅義偉は「見直す必要はまったくない」と断言したのです。そして、その上で「私どもは選挙で選ばれている。何をやるという方向を決定したのに、反対するのであれば異動してもらう」と述べたのです。

この意味不明な発言を正確な日本語に翻訳すると「私たち政治家は選挙によって国民から選ばれた存在なのだから、私たちが進める政策は国民の総意である。もしもその政策に反対する官僚がいたら、内閣人事局の権限で異動してもらう」という意味、つまり、官僚への脅しなのです。こんなことをテレビで言うなんて、もはや総理になる前から独裁者ぶりが全開です。

だいたいからして、森友学園問題で財務省の官僚たちが公文書を偽造したり隠蔽したりして自殺者まで出したのは、この「内閣人事局の権限による異動」を恐れたからです。加計学園問題も同様ですし、安倍政権が改革の目玉とした「働き方改革法案」に正当性を持たせるために、厚労省の官僚たちが調査データを改竄したのだって「内閣人事局の権限による異動」を恐れたからです。

内閣が各省庁の人事権を持ち、官僚主導から政治主導に切り替えるという方法論は、間違ってはいません。しかし、それは、正しい政権が正しい政治を行なうという場合に限った話です。これまでの安倍政権のように、政治を私物化し、自分のお友だちやスポンサー企業に税金をバラ撒き、その数々の悪事の証拠隠滅のために「内閣人事局の権限による異動」をチラつかせて官僚たちに公文書の偽造や国会での虚偽答弁を強要するなんて、もはや暴力団と何ら変わりません。

それなのに、これほど数々の問題を生み出した「内閣人事局」を見直しすらせずに、これまで通りに権力を握り続けると宣言した菅義偉。そして、テレビを使って官僚たちに脅しを掛けた菅義偉。こんな安倍晋三以下のポンコツ総理、本当に呆れるし、心から恥ずかしいし、とてもじゃないけど日本を任せるわけには行きません。近々行なわれるであろう総選挙で、トットと下野してもらいましょう!

(『きっこのメルマガ』2020年9月16日号より一部抜粋)

image by: 菅義偉 - Home | Facebook

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