場の雰囲気を壊さぬように、あるいは人間関係が悪化しないようにと考えるがあまり、口に出すことをつい避けてしまう「否定や拒絶」の言葉。しかし、本意ではない「肯定や受容」の言葉の多用が、かえって周囲との関係をこじらす原因になっていることもあるようです。今回の無料メルマガ『システマティックな「ま、いっか」家事術』では著者の真井花さんが、そんな状況に陥る理由を解説するとともに、「否定や拒絶」をハッキリと示すべきと記しています。
最強になるには
さて、本日は使わない言葉のお話。
家庭や仕事で毎日いろいろな会話をしますよね。そして、そこでほとんど意識せずに
- はい
- そうだね
- 分かりました
と言っていると思います。それはそれでいいんですよね。逆にこっちはどうでしょうか。
- いいえ
- 違うと思う
- 反対だなあ
多分直近1週間の間に使ったシーンを思い出せるくらいじゃないでしょうか。それだけ意識して使う言葉なんでしょう。
ワタクシごとですが、仕事が多忙すぎて身体を壊したころ、まさにこんな感じでした。返事は「はいとYesと喜んで」しかないなどと冗談で言いますが、ホントでしたね。その後、健康を取り戻したのは、言葉をちゃんと使えるようになったからだと思うんですよ。それは先に挙げたような
- 否定と拒絶
の言葉です。
- いえ、違います
- 反対です
- 必要ありません
- やりたくないです
- イヤです
- 止めなさい
…こういう言葉ですね。日本では、どうしてだか──多分人間関係でナミカゼを立てること自体が嫌われるから、こうした言葉をそもそも使わないようにしているんだと思うんです。ま、私の人生では、こういう言葉たちをどうやっていつ使うのか教えてもらったことはありません。多分みなさんも同じなんじゃないでしょうか。
逆にいえば、常に
- 肯定と受容
の言葉を使うように習慣づけられていますよね。「前向きに検討します」が「ま、やらないわけじゃないけど期待しないでね」の意味になるのは、ハッキリした言葉として否定・拒絶が嫌われているからでしょうね。
いや、でもさ。おかしいですよね、ソレ。肯定と受容の言葉しか使わないなんて、ムリがあると思うんですよ。いつもいつも肯定・受容ばかりしていたら、
- 肯定と受容がデフォルト
みたいになってしまいます。気持ちと合わない言葉を使い続けるせいで自分の気持ちも分からなくなってしまうんだと思うんです。私が身体を壊した遠因も、きっとソコにあるんだと思っています。
また、当然のことながら、否定や拒絶される経験も少なくなります。そうすると、いざ否定・拒絶されたときに
- すっごくショック
なんですよね。そりゃそーだ。経験すると「慣れ」るわけだから経験しなくちゃ「慣れ」ないもんね。いつも「うんうん、そーだよね」だったのが「違うんじゃないの」「やめなよ」とか言われたら、全人格が否定されたかのような気持ちになっちゃうかも。オオゲサだなあ( ̄∇ ̄)
……よく子供の頃に
- イヤなことは、イヤって言うんだよ
って親に言われましたけど、現実の体験としてイヤって言っても通用しないことがあります。あの、子供のころのくすぐりっこって苦手でしたね~。ちょっと年長の子が本気でやると、勝てないんだもん。で、やめてって言ってもやめてくれなかったりするでしょ。そうすると、拒絶の言葉に効力がないことを学んじゃうんですよね。
閑話休題。
肯定や受容だけじゃなく、否定や拒絶もフツーの反応のはずです。これをハッキリ示せるだけで、周囲の人に対する自分の態度も明確になります。これが実に
- 悪くない
んですよ。気持ちと合わない言葉を使って、イヤそうな態度をとられるより、周囲からみても扱いやすいんです。人間関係をこじらせているのは、この、気持ちと合わない言葉を使い過ぎているからじゃないんでしょうか。否定したり拒絶したいことは、ちゃんとそう言った方が上手くいくんです。
つまり、否定や拒絶が人間関係を悪くするというのは
- 日本人の杞憂にすぎない
ということです( ̄∇ ̄)
ヤだ。違うもん。やりたくない。今日は是非この言葉から( ̄∇ ̄)
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