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こんな時代に「文系新卒」はどんな企業へ就職すればいいのか?

コロナ禍により学生生活に大きな影響を受けている大学生たち。数ある不安のなかでも環境が厳しい中での就活の悩みは、その先の長い人生を左右するだけに深刻です。特に「文系の大学生は自分で就職先を選べるような状況ではない」と厳しい見解を示すのは『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』著者で人気コンサルの永江一石さんです。文系大学生からの相談に永江さんは、将来を見据えて全力で習得すべきことが2つあると、明解な理由とともに伝えています。

文系新卒は今どんな企業に就職したら良いか

Question

新卒就職について、永江さんの考えを教えていただけますか。例えば、もし永江さんが現在大学生だったらどんな行動、決断をするか、新卒なら今後どんな企業に就職した方が良いか、あるいは、堀江さんのようにそもそも新卒就職制度自体に懐疑的なのかなど。

私は現在文系大学生です。将来はマーケティング職に就きたいというのと、給料、やりがい、余暇時間はある程度バランスよくとりたいです。強いていえば副業等も出来るので、余暇時間を重視したいですが、公務員にはなりたくありません。世の中は常に変化していて、大企業に入れば良い時代でもないと思います。

コロナでリモートワークも大分増えました。今後新卒で就職するなら、フレキシブルで成長できるベンチャー企業や中小企業が良いのでしょうか。永江さんのブログ等も参考にさせてもらいましたが、未だ答えが出せないでいます、永江さんの意見を教えて下さい。

永江さんからの回答

とても厳しい話ですが、今はもう去年までと違い、文系の大学生は自分で就職先を選べるような状況ではなく、将来飢え死にせず生き残るために全力で行動すべき時です。わたしが今もし大学生なら、海外に脱出して生計を立てられることを目指して英語とプログラミングを学び、グローバルにつながるキャリアを必死で探します。

学生さんだと実感はないと思いますが、日本の景気はかつてない深刻な状態になっています。バブル崩壊の時もそうですが、本当に景気が悪くなるのは借りた資金が尽きて企業倒産が相次ぐ2~3年後です。今でさえ既に有効求人倍率は1.04倍と低水準になっていて、来年4月にはもっと悪くなると言われています。もし仮にワクチンが事態を解決してくれると超楽観的に考えたとしても、経済活動が元に戻るには3年以上は必要でしょう。バブル崩壊は10年かかりました。

その中で、文系の新卒は特に厳しく、仕事を選べる状況ではありません(理系や税理士など専門性のある学生は別ですが、文系は絶望的です)。就職先人気ランキング上位常連のJTBやANA・JAL、広告では電通・博報堂ですら赤字に転落。サービス・飲食業は言うまでもなく壊滅しています。

リモート環境下でゼロから新卒を育成するのも厳しい中で、文系新卒を採用する企業は激減し、公務員の倍率は10倍を超えるでしょう。「就職出来たらラッキー」というのが現実的です。

さらに、もし仮に就職できたとしても、これからの日本で働く人には大多数の高齢者を支える負担が重くのしかかります。終戦直後は平均年齢27歳だったから焼け野原から立ち直れましたが、今の日本の平均年齢は48歳です。コロナ騒動で出生率も下がり少子高齢化・人口減少は更に加速し、予測されていた80年後より早く、60年後にでも日本の人口は4,000万人を下回る程ではないかと思います。残念ですが、このままでは日本は急激に縮小し、働く世代への負担は激増します。

なので、もしも今わたしが文系大学生なら、海外に脱出しても食べていける力を身に付けることを最優先して行動します。具体的には英語とプログラミングを必死で学ぶでしょう。

英語は外国市場で活躍する前提ですし、プログラミングは全世界で共通して需要があり稼げるスキルです。もう既にお金と語学力がある人の中には日本を脱出している人も見受けられますし、これはもう現実的に考えなければならないことです。

また、もし日本で働くにしても、語学とプログラミングスキルがあれば仕事に就ける可能性も上がります。語学は元よりプログラミングだってマーケター職にとって有利なスキルになります(例えばpythonを使ってビッグデータを分析してマーケティング企画をする等)。

本当に厳しいことですが、今の日本は未曽有の大不況の目の前に立っています。文系の大学生がどこに就職しようかとのんびり選べる余裕などなく、生き残ることを考えて必死に行動しなければならない時だと認識しましょう。

image by: Shutterstock.com

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商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。

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