「自分のすることに責任を持ちなさい」とは、誰しも子供の頃に親や先生からよく言われていた言葉ですよね。しかし、大人になって「自分以外」の人、例えば部下が受け持った仕事に対しても責任を持つということが出てきます。「他人の仕事に対しても責任を持てない人は年収が上がらない」と話すのは、無料メルマガ『サラリーマンで年収1000万円を目指せ。』著者の佐藤しょ~おんさん。佐藤さんは、責任の大きさによって変化する「年収のメカニズム」について解説しています。
責任の範囲
仕事には責任が付きものです。責任が無い仕事は、それは趣味や遊びと一緒です。
そしてあなたのサラリーは、責任の大きさによって上がるのです。
若い頃というのは、自分がやる仕事にだけ責任を負うわけです。これができない、つまり責任を感じられない人や、責任から逃げる人、責任を全うしない人には未来はありません。ここでたまに勘違いをする人がいるんです。例えば、
■ こんなに安い給料なんだから、この程度の仕事で十分なんだよ
みたいなことを言う人です。給料が安いから自分の仕事に責任が持てないという人は、この先給料が上がることはありません。上司やマネジメントはここで最初の選別をしているんです。安い給料なのに、自分の責任を全うしようとしている人が、次のステージに行けるわけです。
でもこの次元の仕事は簡単なんですよ。だって自分のことだけやっていれば良いんですから。自分がちゃんと仕事をしていたら、それだけで自分の責任は全うできるわけですから。
ところがこういう人は、次のステージの階段を登らされるわけです。所謂抜擢というヤツですが、リーダーなり、マネージャーなりという役職につけられて、それと同時に責任の範囲が大きくなるわけです。
これはどういうことかというと、自分がやっていないことにも責任を持たされるということです。今までは自分がやったことだけに責任を持てば良かったのが、ステージが上がると自分がやっていないことにも責任が生じるわけです。
チームリーダーは、自分のチームの誰かがやった仕事にも責任を持たされるわけです。つまり、自分がミスをしていなくても、チームの誰かがミスをしたら、その責任を取らされるということです。フツーに最悪で、最初のウチは「なんでオレが責任を取らされるんだ?」って思うわけです。
そんなのやってられないって? 役職者とヒラの人の給料の差分って、この責任を取らされることで生じるわけですよ。自分以外の人の責任を取らされることが、サラリーの差分になっているんです。だからこれは仕方ないんですね。それがイヤならずっとヒラでいるしかありません。
そんな構図の中で生きていると、
● どうやったらチームの他のメンバーがミスをしないようになるか?
と考えるわけです。これが組織の進化とか発展に繋がるわけ。責任を取らされるから、それがイヤだからミスをしない組織を作ろうと考えるわけですね。
そのためには、人のやっている仕事を自分の仕事だと思うことが大事になるわけです。自分以外の人間が、何を、どうやっているのか?を自分事にして考えないと、自分の知らないところで、誰かがミスを犯すわけです。それは最悪でしょ。だからチームメンバーの仕事を管理しなきゃならないわけです。それを管理職というわけ。
これを最初に考えた経営者って賢いですよね。こういう構図で働かせたら、どうにかして自分の責任を回避したい(つまりこれはエラーが起こらない組織を作るということです)と考えて、そのマインドが全ての部署に伝播したら、組織は猛烈な勢いで改善されちゃうわけですから。
ですから私は、会社の運営上での画期的な発明は、組織ごとに責任を委譲して、好きなようにやらせつつ、上手く行かなかったら責任を取らせるという「管理職」という役職だと思うんですよ。これに、信賞必罰で報いたら、能力がある人はドンドンと組織を改善して高い給料をもらうようになるし、ダメな人は自動的にダメだということが炙り出されてしまうんですから。
責任というキーワードが、あなたの年収と密接な関係があるということを理解したら、仕事のやり方が変わってくると思うんですよ。
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