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コロナ禍だから商機がゴロゴロ。絶好調「DIY業界」に何が起きたか?

新型コロナウイルス感染症対策として、以前とは違う生活が始まって約1年。これだけ長くなると、家に包丁もなかった人がフルコースのメニューを作れるようになっていたり、殺風景だったベランダが花や野菜で溢れていたりと変化の例はいくらでもありそうです。その代表格として「DIY人気」周辺の事情を紹介してくれるのは、メルマガ『理央 周 の 売れる仕組み創造ラボ 【Marketing Report】』発行人の理央周さん。ブームを捉えて、買ってもらうためのホームセンター側の工夫などは、他の業界、業態の人たちにも参考になることが多くあるようです。

DIY業界に何が起きた?~新常態の中で商品ラインアップをどう揃えるべきか

ホームセンターで、家具などを自分で作る、DIY(Do it yourself)のための、工具やその資材が売れているとのことです。

この新型コロナ禍の中での巣ごもり需要で、家にいる時間が長くなったこともあり、自宅でできることの需要が増えてきたのは、このメルマガでも何回か取り上げてきました。その中で、家具も自分で作ろう、ちょっとした傷とか不具合なら、自分で修理しようといった消費行動が増えてきたこともあり、家具や、ちょっとした室内の雑貨などまでも、作るような人が増えてきたとのこと。

日経MJによると、日本DIY・ホームセンター協会のデータでは、11月の「DIY素材・用品」の全店売上高は、前年同月比で約1割増えたとのことです。新型コロナの感染が拡大した昨年の3月以降において、すべての月で、前月比でプラスになっている、とのことです。

どんなものが売れているかをちょっと調べてみますと、電動でネジをしめることができる電動ドリルなどの、工具類が人気とのことです。IKEAやニトリなんかで家具を買うと、自分で組み立てるものが大半です。

組み立てサービスなどもオプションでつけることはできますが、やはりお金もかかってしまうし、自宅に入って組み立ててもらうのは、時間も予定しなければならないし、かたづけなければならないのでちょっと、という人も多いと思います。

私も先日テレビラックを購入し、自分で組み立てましたが、大きいものになればなるほど、たくさんのネジを締める時に、手動での通常の「ねじ回し」「ドライバー」では、力もいるため手が疲れてしまいます。そんな時に、この電動ドライバーは、一瞬でできるので、時短になる上に、手も疲れず、さらに逆にネジを緩める時も楽です。

こうなると企業側も、あの手この手で工夫をして、様々な数多くの種類の電動工具を競って販売しています。DIYをやるとなると、ドライバーだけでなく、ペンチやメジャーなども欲しい、でも、1つずつ揃えるのも面倒だし、大変、という需要が多いようで、このところは、お値打ちな工具セットが人気とのこと。ITメディアによると、家具の組み立てや修理に必要な、160アイテムの工具セットが人気とのことで、4600円ほどだそうです。

このように、生活行動が変わると、消費行動が変わり、「購入するもの」の種類も、変わりますよね。

私は料理が趣味で、料理をする機会がかなり増え、腕も上がりましたが、やはりそうなると、ちょっといい調理器具も欲しくなって、圧力鍋やジュースを作ることができる、ハンディミキサーを新しく買ったりしました。それにともなって、レシピ本の数も増えたり、今まで持っていなかった調味料なんかも増えました。

同じように、DIYもまた初級者用のセットを買った人は、家具も自作するようになったり、より上級者向けの工具を買ったりするでしょうし、また、「やってみたい」「うまくなりたい」という欲求も増えるでしょうから、「やり方教室」などのコンテンツ産業にも波及するなど、DIY業界の裾野も広がりそうです。このDIY業界の伸長への気づきは、「時代の潮目」が変わっていることの、1つの証拠、ということですね。

同じことが、あなたの業界にも起きているはず。コロナ禍において、巣ごもり、行動の変化など、様々な変化が起きていますが、マーケターとして私が最も注目しているのは、「人々の時間の使い方」。

どんな人も1日に24時間しか持っていません。家にいることが増えても、外にいることが減っても、1日24時間は変わらない。時間の総数は変わらないけれど、可処分時間で何をするか、ということが変わるのです。その変化に伴って、人が買うもの、触れるメディア、やることが変わります。このDIY業界での「売れる商品」の変化も、その1つでしょう。

今一度、あなたのビジネスの周りで、特にユーザー、ターゲット層の変化に目を向けてみると、売れる商品のヒント、仕掛けのコツが見えてくるはずです。ぜひやってみてください。

image by: Shutterstock.com

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ビジネス・仕事に大事なのは、情報のキモに「気づき」どう仕事に「活かす」かです。トレンドやヒット商品には共通する「仕掛け」と「思考の枠組み」があります。このメルマガでは、AI、5G、シェアリングなどのニュースや事例をもとに、私の経験とMBAのフレームワークを使い「情報の何に気づくべきか?」という勘どころを解説していきます。現状を打破したい企画マン・営業マン、経営者の方が、カタくなっている頭をほぐし情報を気づきに変えるトレーニングに使える内容です。

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