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やつれた娘。ペットロスで悲しみに暮れる子どもに親ができること

家族の一員であるペットが亡くなってしまった悲しみ、辛さは大人でも耐え難いものがあります。それが小さなお子さんなら、なおさらではないでしょうか。今回の無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』では、妹のように思っていたペットが亡くなってしまい、元気をなくしてしまった娘を持つ親御さんからの相談に、パピーいしがみさんが親身になってお返事をしています。

「ペットロス」に落ち込む娘

本日のメルマガは「ペットロス」についてです。今日、ご紹介させて頂くチッチさんからは、姉妹のように過ごしていた愛犬が亡くなってしまい、娘さんが落ち込んでしまって、どう対処したらいいか?…というご相談を頂いていました。こんな内容でした。

パピーさん、いつも参考になるお話をありがとうございます。チッチと申します。今日は、ご相談と言いますか、今後どうしたらいいだろう?と悩むことがありまして、メールさせて頂きました。

私は、主人と娘の3人家族ですが、子供ができにくい体質で、不妊治療をずっとしていたのですが、2回の流産の後、やっと娘が生まれてきてくれました。その後も不妊治療をするのは金銭的にも年齢的にも大変だったので「一人いてくれたらそれで十分」と娘だけをしっかり可愛がって育てよう♪と決めました。

ですが幼稚園に入った時に、周りに妹や弟がいる家庭が多く「どうして私は一人なの?」「私も弟や妹が欲しい」と言うようになり、「弟や妹はムリだけど、犬か猫なら…」という事で、譲渡会でミックス犬(女の子)を譲り受け、一緒に暮らす事になりました(コリンと娘が命名しました)。

主人も私も犬と暮らすのは初めての事でしたが、この子がとても良い子で、トイレの場所もすぐに覚えて、無駄に吠える事もなく、お風呂も嫌がらないし、きっと前の飼い主さんに大切に育てられ、きちんとしつけもされたのだと思います。

娘とも姉妹のように育ち、幼稚園や学校から帰ってくると一緒に遊んだり、お休みはドッグランに行ったり、公園で走り回ったりと、犬が中心の生活になりました。犬と暮らすことはとても楽しくて、コリンのおかげで家族そろって出かける事も増え、とても充実した毎日でした。

それだけ家の中で大きな存在だったコリンですが、飼い始めて5年。突然足腰が立たなくなって、病院に連れて行ったらもともと心臓が弱かった、という事が分かりました。

それからは、横になることが多く、お漏らしもしてしまうのでオムツもし、夜になると寂しくなるのか、か細い声で鳴くので、主人や私、土日は娘もそばにいてあげたり、一緒に眠ることもありました。

そのコリンの病気が分かってから約3ヶ月後に、娘が学校に行っている間に眠るように亡くなりました。当日、娘は学校から帰ってくるなりずっとコリンを抱えて泣いていました。翌日には学校を休み、火葬場で簡単なお葬式をしてもらいましたが、

離れるのを嫌がり、泣いて泣いて、なかなか自宅に戻れなかったので、あまりつらそうな姿を見て主人が「又、犬を飼おうよ」と言ってくれたのですが、娘が「コリンはただの犬じゃない、私の妹なの。妹の代わりなんていない!」って、泣きながら訴えたのです(いつもはおとなしい娘です)。

それからと言うもの、学校には行きますが、ずっと元気がなく、食事もあまり食べられない。夜も良く眠れない、という毎日が続きました。約2週間で体重が3キロも減り、とてもやつれた感じがしました。

学校の様子はどうか、先生に聞いてみると「いつもと変りなく過ごしているようですが、何かありましたか?」と聞かれたので、事情を話し、家ではふさぎ込んでいる事、食事を残すこともある事、夜も眠れない事などを話しました。先生は「こちらでも様子を見てみますね」と言って下さり、数日後、ご連絡を下さって、注意をして見てみたら給食はやはり少なめにしてもらっているようだし、授業中も時々ぼうっと外を眺めている事が有る、という事が分かりました。

でも休み時間は友達と遊んでいるし、一人ぼっちでいる事はない、体育などもちゃんとこなしているし、きっと自分も乗り越えようとしているので、見守っていきます、とのお返事を頂きました。

以前から比べてあまりにも変わってしまった娘をなんとか元に戻してあげたいと思うのですが、どう接してあげたらよいかわかりません。

ペットロスでウツになる事もある、と聞きますし、娘の場合は、自分の妹とさえ思っていた存在だったので、もし何か良い対処の仕方があったら教えて頂ければ…と思ってご相談させて頂きました。専門外でしたらすみません。でも何か言葉を頂けたら嬉しく思います。

チッチさんの気持ち。痛いほどわかります。

ペットロスについては詳しい知識があったわけではないのですが、私も愛犬を亡くした経験があったので、こんなお返事をしました。

チッチさん、こんにちは。娘さんの事。心配ですね。でもきっと、チッチさんご自身も、コリンちゃんが亡くなったこと、かなり辛い思いをされていると思うのです。

そして娘さんにとって、初めての死別を経験したこと。又、それが自分の妹のように一緒に育った相手であったこともあり、かなりショックは大きいと思うのですね。

ご主人が「又、犬を飼おうよ」と言ってくださった時の、娘さんが発した「コリンはただの犬じゃない、代わりなんていない!」の言葉も、どれだけコリンちゃんが大事な存在だったのか、が分かります。

それに「新しいペットを迎える提案」は、ちょっと早すぎたかな?と思います。確かに新しいペットと暮らすことは、ペットロスの改善には最も効果があるみたいですが、やっぱり心の準備がありますからね。

娘さんにとっては、妹のような存在だったコリンちゃんが亡くなって、すぐに考え方を切り替える事は出来なかったと思うのです。

悲しい時にはまず、しっかり悲しむこと。そして一緒にいてくれた日々に感謝をすること。又、命は尽きる事を知る事も大事な事だと思うのです。

娘さんは、コリンちゃんが亡くなって2週間で3キロ体重が落ち、ふさぎ込む姿を見てご心配もされているようですが、私は、チッチさんがされてきたコリンちゃんへの対処や最後までの看取り、そしてしっかり悲しむことをなさった事も含め、きちんとその姿を見せられて、それはすごく娘さんにも良い経験になっただろうな~と思っています。

ですからどうでしょう?このペットロスも含め、チッチさんが一緒に乗り越える姿を見せてあげるおつもりで、いろいろ試してみたら?と思うのです。

実は我が家でも13年、犬を飼っていました。最後は老衰で亡くなりましたが、グレーできれいだった毛並みも真っ白になり、ご飯も食べれなくなり、寝たきりでガリガリになりました。

もちろん、おしっこもウンチも垂れ流し。私と妻も交代で看病し、亡くなった時には(父には申し訳ないのですが)父が亡くなった時より辛くて、約1年ぐらいは引きずったと思います。

私としては、時が解決してくれるだろうと思っていましたが、それでも気持ちが軽くなったことがありましたので、いくつかご紹介すると、まず「こんなものが癒してくれるんだな」と驚いたのが、犬がつけていた首輪でした。皮でできた首輪は、犬の匂いがしみ込んでいて、それを嗅ぐと、とても落ち着くのです。今でもまだ生きているみたい…そんな気持ちになりました。

そして過去に撮った写真や動画。特に小さいころに撮った写真は何度も何度も見返しました。そして妻と「あの時はこうだった、ああだった」とボロボロになった机や椅子の脚を見て、思い出に浸りました。

そして妻の友達が作ってくれた羊毛フェルトのぬいぐるみは、驚くほど気持ちを穏やかにしてくれました。そのぬいぐるみを触ることで、気持ちが和らいだことを思い出します。

そして近くにあるショッピングセンターのペットショップへも良く出かけました。私は「あれだけ辛い思いをするのなら、もう動物は飼いたくない」とは思っていましたが、子犬や子猫を見ればやはりかわいいので、出かけるたびにそこに寄って、見て帰ってくることもよくありました。

今回、チッチさんからご相談をいただいて、ペットロスについて調べてみると、克服する上でとても大切なのが「思いっきり泣くこと」なのだそうです。又、「家族や友人など、同じ経験をした人と悲しみを共有する」のも大事で、やっぱり自分の中で、整理できる事が何より大切な事のようです。それとぬいぐるみを触る事は「ぬいぐるみセラピー」とも言われるそうで、ぬいぐるみを抱いたり、話しかける事で心の安定を図る事もできるそうです。そうやって考えてみると、私がやっていたことは、理にかなっていたのかな?と思っています。

それでどうでしょう?

「こうしたら娘さんが元通りになる」という確証はないのですが、コリンちゃんとの写真や思い出の品などを飾って、いつでも過去を振り返ることができる、そんな場所を作ってみたらいかがでしょうか(我が家は作りました)?

人であれば仏壇がその役割を担ってくれますが、あまり悲しい雰囲気を作りたくないとお考えでしょうから、「楽しかった思い出」として、きれいに飾ったり、家族と一緒に撮った笑顔の写真を並べたりすることで、娘さんが一人で沈むのではなく「思い出を語り合う」事で悲しみを薄められるのではないかな?と思うのですね。

娘さんは、学校にもちゃんと行っているとの事ですから、心にぽっかり空いた穴も、時間の経過とともにだんだんに埋まっていくと思います。本人のスピードで心が癒えていくのをお待ちになって、ご両親も一緒にペットロスから乗り越えていってほしいな~と思いますが、いかがでしょうか?

チッチさんからご相談のメールを頂いたのは、2月に入ったばかりの頃でした。

ですが暖かくなってきたある日、こんなお返事を頂きました。

パピーさん、お久しぶりです。先日は、ムリなご相談をしてしまい申し訳ありません。ですがお返事を頂き、パピーさんの経験談を読んだら、私の気持ちがとても楽になりました。

実は私もコリンの事は、もう一人の娘のように感じていて、とてもつらかったのです。でもそんな姿を見せる事は、娘をより不安にさせると思って我慢をしていました。

なので「チッチさんが一緒に乗り越える姿を見せてあげるおつもりで」とか「写真や思い出の品などを飾って、いつでも過去を振り返ることができる、そんな場所を作ってみたら」とのご提案で、私自身の気持ちが癒されたのでした。

愛犬を失くしたことのあるパピーさんに気持ちをわかってもらえた、と思うとすごく楽になったのと同じように、きっと私が娘の話し相手になったり、辛い思いを共有することで娘も楽になれるのだろうと思って、パピーさんが提案してくださったように、ちょっとおしゃれな飾り棚を作りました。スマホに入れてあったデータではなく、写真にして写真立てに並べ、小さなアルバムも作り、思い出の品も一緒に飾りました。

驚きですがそれだけで、私の気持ちはずいぶんと軽くなりました。学校から帰ってきた娘も気に入ってくれて「ここにコリンのおもちゃもおいていい?」と自分が持っていたおもちゃも置いて、メモリアルスペースができました。

そのおかげで、学校から帰ってくるとすぐにそこに来て、しばらく写真を見て、その後、宿題をする…というサイクルができ、部屋にこもりがちだったのが、以前のようにリビングで過ごすことが増えました。

登校するときも「今日はこの写真を持っていく」とアルバムから1枚抜き出して持っていきます。思い出した時にそれを見る事で寂しくならず、授業も集中できるそうです。

そして今はもう、以前のように泣くことは無くなりましたし、写真を見ては涙を流す事もありません。前と同じように会話をして、ご飯も食べれるようになって体重も戻りました。きっとメモリアルスペースがあることで、以前と変わらず「そこにいる」という気持ちになれるのだと思います。

コリンが亡くなったばかりの時の娘の憔悴ぶりからすると、ずいぶん元気になってくれました。そして、これがパピーさんが言われる「包む」なのだろうな~と感じました。

よく「辛い気持ちは分け合う」と言われますが、具体的にどうしたらいいか分からなかったのですが、気持ちを共感する事がこんなにも不安から解放してくれるんだと、今回勉強させて頂きました。

娘さん、元気になったみたいで良かったです。又、チッチさんご自身も、実は辛かったことを隠していた、とあって、まさに「一緒に乗り越える」ができたみたいです。

娘さんの「アルバムから1枚抜き出して学校に持っていく」も良いアイデアですね♪そうすることで学校でも不安になったら写真を見て、安心して切り替えができるんだと思います(^^)

でも、今回の事。チッチさんもご心配だったとでしょうが、娘さんにとっては、とっても大きな経験になったと思います。「正しく悲しむ」という言葉が適切かどうかはわかりませんが、無い方が良いように思える「悲しみ」も、それを経験することで強くなれます。

深く悲しむことができるほど、大事な存在だったとわかりますし、自分ではどうしようもない別れが有る事。大きな悲しみを経験しても、そこを乗り越える事が出来た事も、今後別の悲しみがあっても「自分には乗り越えられる」と思える基礎になると思うのですね。これも一つの成長に繋がりますからね♪

貴重なご報告をありがとうございました(^^)

image by: Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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