MAG2 NEWS MENU

支離滅裂な転職を繰り返していた女性が「アドラー心理学」に救われたワケ

世の中のさまざまな出来事を「アドラー心理学的に解釈するとどうなのよ?」という視点で切り取る、6月11日創刊のメルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』。著者で公認心理師の永藤かおるさんが、世の中のさまざまな出来事を「アドラー心理学的に解釈するとどうなのよ?」という視点で切り取り、一見すると心理学とはかけ離れているけど実は根っこがつながっている興味深いお話を毎号お届けいたします。今回は特別にメルマガ創刊号に掲載の2コーナーを丸ごと公開いたします。まずは、永藤さんがアドラー心理学的な視点で世の中を解釈するコーナー「アドラー的にどうなのよ」では、永藤さんが転職を繰り返した挙句にアドラーと“再会”するまでの経緯をご紹介。そして読者からの質問にお答えするコーナー「ちょっと御相談がありまして」では、男性からのお誘いに悩む自称“タレ目丸顔”の受付業務の女性からの相談に「アドラー的視点」で回答しています。

世の中を「アドラー心理学」で見るためのヒントが満載、永藤かおるさんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

「それってアドラー的にどうなのよ」

このメルマガでは世の中で起きているさまざまな出来事を取り上げ、アドラー心理学的な視点で解釈するとどうなのか、を綴っていきます。とはいえ永藤のメガネで見ているので、いささかの歪みはご容赦ください。ここでしか書けないこともどんどん書いていきます。

まずは、アドラーを知ってる人も知らない人も。

アドラー心理学の創始者、アルフレッド・アドラー(1870-1937)。ウィーン出身のハンガリー系オーストリア人で、ユダヤ人。日本の感覚でいえば、明治の始めから昭和の始めまで67年間生きた人。生きていたら今年151歳。 亡くなって84年。

私にとっては、ひいおじいさんくらいの年齢なのですが、皆さんにとってはいかがでしょう?

この人が、1世紀前くらいに打ち立てたのが「アドラー心理学」です。「個人心理学」ともいわれています。

じゃあそのアドラー心理学ってどういうものなのか、という全体像について、ご存じない方にはこちらがおススメ(さりげなく宣伝)。

● 『悩みが消える「勇気」の心理学 アドラー超入門』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)

で、ワタクシはそのアドラー心理学を研修やら講座やらカウンセリングやら物書きやらの中心に据えて、日々お仕事をしているわけなのですが、この「アドラー的にどうなのよ」という視点でものごとを見る、ということを始めてから、かなり、かーなーり、「ホニャララ」になったよ、というお話です。

そもそもアドラー心理学を学ぶ前のワタクシは、

電機メーカーOL→ビジネス誌編集→放浪者→アルバイト学生→語学学校教師→Web制作会社よろず担当という、客観的に見たら非常に支離滅裂なキャリアを歩んでいました。

ある日、突然会社がなくなる、という、もらい事故みたいなキャリア変更や、3日間のバイトのはずだったのに気づいたら9年いた、という会社もありましたが(気づくの遅い)、基本的にはどれも自分で選んだ道。

そう、他人から見たら迷走はなはだしいし、キャリアコンサルタントの方から見たら「ダメな転職事例」のオンパレードだったとしても、自分にとっては全部意味のある「正しい」選択の積み重ねだったのです。

仕事ばかりではありません。

プライベートを含め、生活全般で誰かに何か言われても、

「いんや、私は何にも間違ってない!」
「これが正解!」

と、頑なに自分を正当化し、意地を張り続けた数十年。

それゆえに、人間関係で大問題を抱えて、にっちもさっちもいかなくなった時(これをアドラー心理学では『ライフタスクに直面したとき』と言いますね)、

「うわぁぁぁぁぁーーーー!!」

となってしまったのです。

「私が全部悪いんかーーー!?」
「どうすればいいか誰にも訊けないーーー!」

まあ、そこでアドラー心理学に出会う(厳密に言えば再会する)わけですが。そのいきさつの詳細は、無料で読める当メルマガのサンプル号内コラム「YOUはどうしてアドラーに?」で記した通り。

で、学び始めてみたら、今までの自分の頑なさみたいなものがボッコボコに、グニャングニャンにされるわけです。

それもなんて言えばいいんだろうなぁ、なんか、合気道とかで触れてもいないのに吹っ飛ばされるような感じ?

もしくは、ガチガチに固まった身体が、ちょっと触れるか触れないような施術でふわっと力が抜ける感じ?

とにかく、世の中や身の回りで起こる出来事を、学びによって得た「アドラー心理学」というフィルターを通して見る癖がつくようになってから、ワタクシは「ホニャララ=“楽”」になったわけですよ。

もちろんものの見方も人の考え方も十人十色。

何かを強制するつもりは1ミクロンもありませんが、もし、今いろいろしんどい人がいたら、こんな風に見るとあなたも楽になるかもね、ということがお伝えできたらと思っております。

時事ネタをアドラー心理学の視点から見ていったりね。

世の中を「アドラー心理学」で見るためのヒントが満載、永藤かおるさんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

ちょっと御相談がありまして:「幻想を抱いてくれるな」

このコーナーでは、皆様からお寄せいただいたご相談や質問にお答えしたり、一緒に考えたりしていきます。形式も、Q&Aだったり、対談形式だったりと、柔軟に。今回は初回につき、永藤の知り合いからの相談を、本人に許可取りつつ微妙にボカシてみました。

Question

流通系大手で、長年受付をやっています。どうやら私の顔は、必要以上に親しみやすく見えるらしく、いろいろな方に声をかけられます。業務に関係のあることであれば、仕事なので笑顔で丁寧に答えるようにしています。しかしながら、それ以上の「何か」を期待されたり、勝手な幻想を抱かれたりすることが連続して起こると、本当にうんざりします。

先日も取引先の男性から「ぜひ二人でお食事に」と言われましたが、そもそもコロナ禍で家族でも友達でもない人と食事に行くなんてありえないし、その人に対してもまったくその気がないので丁重にお断りしたところ、ものすごい不機嫌な顔で捨て台詞を吐かれました。曰く「そんな顔で気をもたせるなよ」と。

気をもたせたつもりは一切ないし、もちろん過剰なお世辞やらボディタッチやらはまったくしていません。「なんなんだろう、腹立つわー」と思いながら、自分のタレ目丸顔を恨む日々です。

【永藤より愛をこめて】

ああ、うん、そうですね。明るい笑顔と丁寧な接客のタレ目丸顔の人。そりゃ親しまれますわ、一方的に。

私たちは誰もが見た目の印象に左右されます。『人は見た目が9割』という本がベストセラーにもなりましたし。「見た目で損をする」、例えばすこぶる機嫌がいいのに「怒ってる?」と言われてしまうようなタイプの方からすれば、あなたはずいぶん得をしているように見えるかもしれません。ちやほやされてる、とか、ひいきされてる、と思われるかもしれません。でもそういうことじゃないんですよね、あなたが言いたいのは。嫌なものは嫌なんですよね。

今からいうことが100点満点の答えかといわれると、もっと効果的なことがあるかもしれませんが、まあそこはひとつ。ちょっと意識を「目つき」に向けてみてはいかがでしょうか。

業務上笑顔で丁寧に、という行動面は今のまま変えず、「目つき」だけをお仕事モードにする。それは「死んだような目で口角だけ上げる」ではないので、その点は間違えないでいただきたいのですが、「目つき」って割とその人が戦闘モード(業務用)なのか、オフモードなのかがくっきりと出ると思うのです。

そこがあいまいなまま、ただ笑顔だと、あなたのお仕事での丁寧さや親切さに対して、「なんかこの人、オレに気があるんじゃないかなぁ」と勘違いしちゃう輩が今後も出てきてしまうと思うのです。「わがまま聞いてくれるんじゃないかなぁ」とかね。

私が個人的に思う「目つきの使い分けのプロ」は、航空会社のCAさんたちです。とくに日本のエアラインのCAさん。常に笑顔だし、最高に丁寧で親切だけど、たぶんプライベートで見せる目つきとは違う、接客のプロの目つき。そんじょそこらの下心を寄せ付けない、あの目つき。あれが意識できたら、「腹立つわー」なことがかなり減ると思いますよ。

※本記事は有料メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』2021年6月11日創刊号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

世の中を「アドラー心理学」で見るためのヒントが満載、永藤かおるさんのメルマガ詳細・ご登録はコチラ

 

image by: Shutterstock.com

永藤かおるこの著者の記事一覧

有限会社ヒューマン・ギルド 取締役研修部長 公認心理師(登録番号: 29160号) 。日本アドラー・カウンセラー協会認定シニア・アドラー・カウンセラー。日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメント・ファシリテーター 平成元年 三菱電機株式会社 入社。その後、ビジネス誌編集、語学専門学校専任教師など、20年以上にわたるビジネス経験を経て、自身が働く中で壁に当たった際に出会ったアドラー心理学を修得。 現在、日本におけるアドラー心理学の一大拠点であるヒューマン・ギルドにて、アドラー心理学研修講師(企業・自治体、教育機関、個人等)、カウンセリング、書籍執筆などを担当。

有料メルマガ好評配信中

  初月無料お試し登録はこちらから  

この記事が気に入ったら登録!しよう 『 公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ― 』

【著者】 永藤かおる 【月額】 ¥440/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 第2金曜日・第4金曜日

print

シェアランキング

この記事が気に入ったら
いいね!しよう
MAG2 NEWSの最新情報をお届け