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小学校高学年の長男が「家庭内暴力」を…悩む母親が心がけたこと

昔から問題となっている、子供から親への「家庭内暴力」は何が原因で起こってしまうのでしょうか。今回の無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』では、著者のパピーいしがみさんが「長男の行動が家庭内暴力に発展してしまうかもしれない」という母親からのお悩みを紹介、その後の良い変化と理由にも触れています。

家庭内暴力

こんばんは。パピーいしがみです。

今日のメルマガはバンビさんからのご報告をご紹介したいと思います。バンビさんが勉強を始められたのは、2019年の1月でした。その理由は、激しい兄弟げんかと、家庭内暴力への懸念。

当時、長男さんは小学校5年生。次男さんは3年生。そしてまだ小さい妹さんがおられました。長男さんの態度がどんどん悪化していくことが気になっていて、最初に頂いたメールはこんな風でした。

長男は、学校ではおとなしいほうではありますが、友達もいて宿題も頑張っています。おしゃべりで、学校のことも話してくれます。時には優しく、時には頼りになることもあるのですが、幼いころから怒り続けていたせいもあり、自分に自信がなく消極的な性格です。

また、機嫌が悪い時は、何か気に障ることがあると、家族に対し、舌打ち、暴言、反抗的な態度を見せます。次男が生まれて生後半年が経ったころから、長男に怒ることが増え、常に長男・次男のケンカが絶えず現在に至ります。

長男には常に怒っていましたが、次男は可愛く、次男には幼いころはあまり怒ることはありませんでした。

長男と次男のケンカが始まると、時には殴り合ったり物に当たり散らしたり、大変なことになります。その都度、私は怒ってきました。長男に対しては、私は言葉と力でねじ伏せてきました。だからそんな私のように、長男は弟に対し言葉と力でねじ伏せようとします。

今まではそれで弟が泣いて終わっていたケンカですが、弟も小学3年生になり、物をくしゃくしゃにしたり大声で威嚇したり、時には殴りに行ったりと、長男に対抗するようになりました。その結果、私が怒り、長男と次男に怒鳴り散らし、ゲーム禁止・○○禁止と言い放ち、泣き怒りながら自分の部屋に逃げ込んだ長男を力任せに引っ張り出し、「出ていけ」と外に追い出す。こんな最悪な状況でした。

しかしある日、力任せに抵抗する長男を引っ張っても、まったく動かすことができず、逆に私が押されて力では長男に勝てなくなってきたと気づきました。このままこんなケンカが続くと、今度は私が長男に力任せにねじ伏せられ、いつか家庭内暴力や少年犯罪などに発展してしまうかもしれない!と怖くなり、思い切って講座を申し込ませていただきました。

そして…つい先日、長男が暴れました。13時から友達がゲームセンターに行くから自分も連れてってほしいと(行ければ行くと友達には言っていたそうです)。私は連れていくつもりだったのですが、午前中に行くつもりだった病院に行くのが遅れ(長男の宿題が終わるのを待っていました)、帰宅が遅くなり、昼食も遅くなりました。長女が食べるのが遅く、13時を過ぎていました。

その時点で長男と次男が軽く喧嘩をし始め、長男はイライラした感じで言葉も悪くなってきました。その嫌な言葉を聞いていると私もイライラし始め、「そんな言い方やめてくれる?そんな言い方続けるのなら連れて行けない」と。

長女が食べ終わった後もこのようなやり取りを続けた結果、長男の目つきはどんどん変わり、泣きながら怒り、近くにあったものを壁に投げつけ、棚の上に置いてあった加湿器をわざと落とし水浸しにし、近くにあった洗濯物干しを振り上げて床に叩きつけました。そして暴言を吐き続け、自分の部屋にこもりました。

私は始終、なるべく冷静に対応しようと思い、怒鳴ることはしませんでしたが、言葉にはトゲがあったと思います。その後長男の部屋に行き、しばらく話をしましたがすべて暴言で返され、今はどうすることもできないと思い一人でリビングに戻りました。

内容をご覧になってもお分かりになると思いますが、この頃の長男さんはかなり荒れています。その原因はバンビさんも感じていたようですが「長男に対しては、私は言葉と力でねじ伏せてきました」のような、一方的な叱責や常に叱り続けた今までの経過にあったのですね。

でも、その状態を解決するには、長男さんの気持ちをわかってあげる事。親が力づくで治そう、抑えようとするのではなく、ちゃんと話を聞いてあげる事が何より大事です。ですが、子供の力が親を超えてしまった時、親がどれだけ努力をしても、改善に結びつかない事もあります。

バンビさんは、今までは力づくで長男さんを押さえつける事ができていたのが、5年生になって自分の力では止める事が出来なくなった時に、「このままではまずい」と気づいたのですが、もし気づくのがもっと遅かったら、長男さんの暴言・家庭内暴力はどんどんエスカレートしていたかもしれません。

今は、長男さんの暴言・暴力・兄弟げんかも収まってきたのですが、そのきっかけは何であったか?バンビさんはこんな風にご報告くださいました。

私は、以前から私の姉の会社で働いています。最初は仕事を覚えるのに必死でしたが、姉を近くで見続け、仕事に慣れた頃から、その姉の考え方に疑問をもつようになりました。それが不満として少しずつ溜まり、ささいなことで爆発し、先日、衝突しました。いわゆる姉妹喧嘩です。

なぜ私が怒ったかを一人になって考えてみると、姉の母や私に対する理不尽な言動があり、また、私が責任をもって仕事をしていても認めてくれず、指示?指摘ばかりする。お客さんからクレームがくると、指摘し非難する。そういう姉に嫌気がさしたんだと思います。姉は頑固で、私の話を聞こうとも理解しようともしませんでした。

そうやって姉との喧嘩の原因を考えていると、長男の事が頭に浮かびました。自分を認めてくれず、分かってもくれない。逆に非難され、指示や指摘の毎日にうんざりするし、やる気も下がる。少しずつ不満が溜まり爆発。長男の気持ちが痛いほど分かりました。

長男の気持ちが分かった数日後、こんな事がありました。

学校に登校する前、長男がテーブルに置いてあった筆箱がないと言い始めました。探しても見つからないので、段々口調が荒くなり、最終的にはランドセルを蹴ったり物にあたるようになってきました。その間も「誰よ奪ったやつ!」「○○(妹)か!?」「まじ誰よ!」などなど、暴言を吐いていました。

いつもなら私はここで、「あんたがテーブルに出しっぱなしにするから悪いんやろ?」「学校にわすれてきたんじゃない?」「なんでも人のせいにせんといて!!」「なにやってんの!物にあたるな!!」と、長男がしている行為や言葉にすぐに反応し、言い返して長男を責めていたと思います。

だけど今朝は違いました。長男の言動は変わらないのですが、私の気持ちがなぜかすごく落ち着いていて、長男だったら今どうしてほしいだろう?と考えることができたんです。とても不思議なのですが、私自身のイライラはでてきませんでした。

もし長男の立場が私なら…「筆箱を一緒に探してほしい」かなと思い、私は一緒に(長男はただ暴れているのでほぼ私一人で)探しました。だけど見つからず、長男が自分の引き出しをたまたま開けると、そこに筆箱が入っていました。すかさず長男は、「誰よここに入れたやつ!?○○(妹)??!」と妹を睨みます。妹は無言で睨まれているのに耐えていましたが、最後にぼそっと、「…ごめんなさい…」と言いました。長男は「やっぱり!!」と、まだ怒っています。

ここでいつもの私なら、「見つかったからもういいじゃん!○○もごめんって言ってるし!もともと片付けてないあんたが悪いんやろ!」とまだまだ長男を責めていたと思います。

だけど今朝は、「ごめんね、○○がそこに片付けたみたい。昨日お母さんが○○に、片付けするよーって言ったときに筆箱も片付けたみたい。ほんとにごめんね。○○(妹)にきちんと説明していなかったお母さんも悪かったね」と本当に悪かったと思い、謝りました。長男は「許さんから!」といい、怒ったまま学校に行きました。

今まで、子ども達の気持ちになって考えてみることがありませんでした。目の前の状況(子ども達の喧嘩や暴言など)を今すぐに止めさせたい!止めさせるためには、私が怒るしかない!とまで思っていました。

だけど私自身が姉に認めてもらえず、指示や指摘ばかりで嫌気がさし、怒りを溜め、最終的には爆発したことで、長男の今までの気持ちがやっと分かった気がします。そして、私ならこうしてほしかったなと、姉との喧嘩で私自身が思った気持ち、それこそが、今まで私が気づこうとしなかった長男の気持ちだったんだなぁと思い知らされました。

今までこんな辛い気持ちにさせていたことに気付いた時、胸が締め付けられ、申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。そして長男には、「今まで、辛い思いをさせていたね。お母さん、妹や弟のことばかりかばう事が多くて、辛かったよね。今までごめんね」と学校から帰った後、思ったことを素直に言いました。
長男は遊びながら、「???うん」と言い、遊び続けていましたが、その目は涙目になっていました。

長らく受けてきた叱責で、長男さんにうっ憤がたまっているとわかったバンビさん。「どうすればいい?」とか「長男さんを落ち着ける為に」ではなく、長男さんへの一方的な叱責を謝り、ご自分の態度を改めた結果、長男さんの雰囲気は変わっていきました。

あれから2年。バンビさんからご報告を頂きました。

いつもありがとうございます。バンビです。とても時間がかかりましたが、やっと53章まで終える事ができました。今では長男が中学2年生になって、毎日慌ただしい日々を送っています。

2年前、パピーさんに送ったメールを読み直してみました。長男の暴れようにこんな事もあったんだな…と思い出しました。メールを読み返すまで、当時の事をすっかり忘れていました。こんなひどい状況だったのかとぞっとしました…。

現在ですが、兄弟げんかはとても少なくなりました。稀にふざけ合いから言い合いになりひやひやしますが、手がでる一歩手前でお互い抑えているような感じで、しばらくすると収まります。

長男は2年前に比べると、暴れる事はなくなりました。元々話すことは好きなので、会話によく入ってきます。お願い事をすると「え~」と言いながらもしてくれます。なので自然に会話も増え「ありがとう」と言う場面も増えました。

相変わらず人が嫌がる言葉を言ったりする事がありますが、昔よりとても少なくなりましたし、長男がそんな事を言う時は必ず、相手に嫌な言い方で言われたときだと気づきました。なんの理由もなしに嫌味を言っているんじゃないんだと気づくと、自然と小言は減っていきました。

まだ時々私が小言を言ってしまい、長男の顔がイラっとした表情になるときがあります。そんなときは言い方を間違えた!と私もすぐに気づき、小言を早めに切り上げれるようになりました。

次男も癇癪はもうほとんどありません。時々、あっイライラしてるな~と思うときもありますが、こちらが普段通りの口調で冷静に話すと、すぐにいつも通りの次男に戻り、爆発することはありません。最近では自分から進んでテスト勉強をし、その姿をみて私も嬉しくなり夜遅くまで勉強に付き合いました(以前の私なら勉強するならもっと早い時間にしなさい!と怒っていたと思います)。期末テストもとても良い結果で家族みんなで「頑張ったね~!」と盛り上がりました。

長男の自己肯定感はまだ低いと思います。せっかちな私はまだゆっくりと待ってあげる聞いてあげることができない時があります。だけどこうやって2年前に比べると、良い方向に向かってるのかなと思えました。前に心配していた家庭内暴力は今の所大丈夫そうです。

そして確実に笑顔は増えています^_^

このメールを頂いて、本当に良かったと胸をなでおろしました。

小学校5年生…このぐらいの年齢からだんだん腕力もついて、背丈もお母さんを追い越し、又、自分で考える事も増えてきて、今まで力で押さえつけられていた子は反逆を始めます(男の子も女の子も)。

バンビさんが「このままじゃまずい」と気づいたタイミングは、本当にぎりぎりで、あれから2年たった今、よくぞここまで修正された!と私も驚くほどでした。

もちろん過去には、中学生・高校生で荒れに荒れたお子さんが、お母さんが態度を改めた事で変化した事例もありますが、それは珍しいケースと言わざるを得ません。

もし「力づく」で子供を押さえつけている場合、できるだけ早い段階で、間違っていたやり方に気づき、修正しなければ家庭内暴力はもちろん、誰も対処できないほど暴れ、警察沙汰になることもあります。「手遅れ」という言葉はできるだけ使いたくないですが、そうなる前に不安があったら修正してほしいのですね。

ちなみに、すでに家庭内暴力が起きてしまった時に、解決できたご報告はこちらでご紹介しています。

第390号 思春期真っ只中でも…2

この時も、お母さんの考え方が変わったことが、子供に変化をもたらしました。よろしかったらご参考になさってくださいね。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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