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心理のプロが伝授。毎日が単調で退屈な人は「何かをぶっこめ」

これと言った「不満のタネ」があるわけではないけれど、日々の生活が単調すぎてつまらないと感じている方、少なくないようです。そんな状態から抜け出すためのヒントをレクチャーしてくれるのは、公認心理師の永藤かおるさん。永藤さんは、世の中のさまざまな出来事を「アドラー心理学的に解釈するとどうなのよ?」という視点で切り取り、一見すると心理学とはかけ離れているけれど実は根っこがつながっている興味深いお話が満載のメルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』で今回、毎日がつまらなくて仕方がないという主婦の方からの相談に、まさに目が覚めるような回答を示しています。

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ちょっと御相談がありまして:「なにもないのです」

Question

アラフィフ、パート。家族は夫と、離れて暮らす会社員の息子ひとりです。具体的になに、というのではないのですが、なんだか毎日が楽しくありません。

去年の春、息子が就職して、家を離れてから、力が抜けてしまったような気がします。そんなに子ども中心で生きてきたわけでもないし、ベタベタした母子関係だったということでもありません。逆に反抗がひどかったとか、関係性が悪かったというわけでもありません。子どもが巣立ったら、自分の時間に余裕が生まれるかも、と楽しみにしていたくらいなのに、いざ夫と二人暮らしになると、なんだか全然生きる張り合いがないのです。

夫はコロナ禍で、在宅勤務の日もありますが、特段手がかかるとかということもありません。息子が使っていた部屋で、淡々とテレワークをしています。仲が悪いということもありません。いいということもありませんが。私自身の仕事は、コロナの影響はあまり受けません。むしろ少し忙しくなったくらい。

「何が不満」とか「誰が嫌だ」というのはないのですが、とにかく自分の毎日がつまらなくて仕方がないのです。起きて、食べて、仕事して、ご飯を作って、お風呂に入って、寝る。それの繰り返ししかしていない自分。人生100年時代と言いますが、残り半分の人生がこんな状態だとしたら、生きている意味がわかりません。

【永藤より愛をこめて】

うーん、なかなかしんどいですね。

「ありません」「ないのです」が文中にたくさんちりばめられていて、そのひとつひとつから、空虚感というか、空っぽな箱を見つめて固まってしまっているような気配を感じます。

ひとことで「空の巣症候群」ですね、と言ってしまうのは簡単です。でも、言われた側としては「そうだけど、だから何?名前つけて欲しいわけじゃないわよ」ですよね。

私たちは、役割を与えられて、それがなんだかわからなくて無我夢中で取り組んでいるときは、面白いもつまらないもなく、ただ必死でそれをこなすのに精一杯です。それが父とか母とかいう役割だったり、部長という役割だったり、先生という役割だったり、店長という役割だったり。

あなたの場合は、「お弁当を作ったり、面倒をみたりする母」という役割を20年くらい果たし、そしてその役割がひと段落した。気づけば「妻」という役割は、もう空気みたいになっている。仕事での役割も、特に問題ない。

同年代なので、遠慮なく言えば、多分更年期症状も重なって、なんだか気持ちが鬱鬱としたりささくれ立ったりしがち。でも、何も、誰も悪くないから、このモヤモヤした気持ちをぶつける場所がどこにもなくて、全部自分で抱えてしまっている。これはしんどいですよ。

じゃあどうすればいいのか。

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これは一つの提案にすぎないのですが、「起きて、食べて、仕事して、ご飯を作って、お風呂に入って、寝る」の単調なリズムを崩す何かを、生活に「ぶっこんで」みませんか?

「あらヤダ、はしたない、『ぶっこむ』なんて」。

えっと、わざとです。多分その、生きている意味が分からないくらいの単調さには、なにかを「ぶっこむ」くらいの勢いがあった方がいい気がするのです。

それは、「人生で一度は体験してみたかったこと」とか、「始めるのに勇気がいるけれど、でもやらなかったら死ぬとき後悔するかもしれないこと」とか、「ちょっと無理めだと思っていたこと」とか、そんなことを、今年中にやる、とか、3か月以内にやる、とか、そんなちょっとした勇気を出してみるのです。

髪を今までにないくらいむっちゃ明るく染める?いいじゃない!ベリーダンス始める?いいじゃない!コロナ収束したら一人旅する?いいじゃない!気になっていた子ども食堂のボランティアしてみる?いいじゃない!バンド結成しちゃう?いいじゃない!

法に触れたり人の道を外れたりするようなことさえしなければ、何をしたって自由です。薄いグレー一色で何もないキャンバスに、今から原色やネオンカラーでバンバン模様を描いていく。それがこれからのあなたの毎日です。その一色目、何色にしますか?

※本記事は有料メルマガ『公認心理師永藤かおるの「勇気の処方箋」―それってアドラー的にどうなのよ―』2021年8月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会に初月すべて無料のお試し購読をどうぞ。

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image by: Shutterstock.com

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有限会社ヒューマン・ギルド 取締役研修部長 公認心理師(登録番号: 29160号) 。日本アドラー・カウンセラー協会認定シニア・アドラー・カウンセラー。日本アンガーマネジメント協会認定 アンガーマネジメント・ファシリテーター 平成元年 三菱電機株式会社 入社。その後、ビジネス誌編集、語学専門学校専任教師など、20年以上にわたるビジネス経験を経て、自身が働く中で壁に当たった際に出会ったアドラー心理学を修得。 現在、日本におけるアドラー心理学の一大拠点であるヒューマン・ギルドにて、アドラー心理学研修講師(企業・自治体、教育機関、個人等)、カウンセリング、書籍執筆などを担当。

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【著者】 永藤かおる 【月額】 ¥440/月(税込) 初月無料 【発行周期】 毎月 第2金曜日・第4金曜日

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