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「幸せって何?」子供からの質問に悩む親。育児のプロが導き出す答えとは

子供に「幸せってなに?」と聞かれたらあなたはどう答えますか? 簡単なようでとても難しい質問だと思います。そこで今回は、無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』著者であるパピーいしがみさんが、届いたお悩みにお返事をする形で回答。辞書には載っていない「幸せ」の定義やその意味の伝え方をお話しています。

幸せってなに?

こんばんは。パピーいしがみです。

さて、今日のタイトルは「幸せってなに?」とお子さんから聞かれた葵さんからのご相談を紹介します。葵さんには6歳の女の子がおられます。

パピーさん、すごく小さいな事かもしれませんが、なんだか分からなくなってしまって、教えて頂けたらと思います。

以前、お返事を頂いてから少しずつ良い方向に向かっているかな?と思っていたのですが、又、悩んでいます。

娘から「ママ、しあわせってなに?」と聞かれたのでしばらく考えて「ほっとしたり、うれしいなと感じたり、にこにこになれることだよ」と返事をしました。その時には「じゃあ、〇〇ちゃん、今すっごく幸せ!」と言って抱き着いてきました。

子供から「幸せ」って言われることは本当に嬉しくて「ママも幸せだよ~♪」って二人で抱き合いっこをして、1日に一度は「幸せ~」「ママも幸せ~」とやっていたのですが、ある日、仕事から帰ってくると「私、幸せじゃない!」と言ってむくれているのです。

「何があったの?」と言っても話してくれず、迎えに行ってくれた母(実家が近くなので母が幼稚園のお迎えに行ってくれています)も「帰ってきてからずっとこんな調子なんだよ。“私は幸せじゃない”なんて言いだしてびっくりした」と言っていました。

幼稚園に問い合わせてみると、どうやら同学年の強い女の子と口ゲンカして、それが続いているようなのですが、その後「幸せ~」「ママも幸せ~」の時間もありますが、少し叱ったり、自分の思い通りにならないと「私は幸せじゃない」と言ったりします。

この「幸せじゃない」という言葉がとても気になるし、あんまり「私は幸せじゃない」を連発するので「いい加減にしなさい!その言い方がイライラするんだよ!」と怒鳴ってしまいました。

それまではいい方向に向かっていると感じていたのに、又、以前のようなお互いにギスギスした関係になってしまって、なんでこうなっちゃうんだろう?と悩んでいます。

「しあわせってなに?」って聞かれて、私の説明が悪かったのでしょうか?だとしたらなんと教えてあげたらよかったでしょうか?今後、娘とどう話をしていったらいいでしょう?又、パピーさんは幸せってどんな風にお考えですか?教えて頂けたら嬉しいです。

私はまずこのご相談を頂いて「幸せ」について自分で考えて説明されたんだな、すごいじゃん、と素直にそう感じました。というのは「幸せ」って人によって違うし、それを上手に説明するのもとても難しいです。そしてグーグルや辞書で調べて見ても頭をひねるような解答も多く、ちょっと納得しにくいです。

あなたにとっての「幸せ」とは何か、ご自分でも考えてみてほしいのですが、葵さんのご相談に私はこんな風にお返事しました。

葵さん、メール拝見しました。

まず6歳の娘さんへの「幸せ」の説明ですが「ほっとしたり、うれしいなと感じたり、にこにこになれること」って、とても上手にお話されたと思います。と言いますのも「幸せ」について調べてみると、ネットでも辞書でも「え?そうかなぁ?」と思うようなことが書いてあります。

例えば、辞書では「運が良いこと」とか「うまい具合にいくこと」とか、「不満がないこと」とありますが、どれも「う~ん」ですよね。それにこれを子供に話そうとは…思いませんよね。

それからすると葵さんの「ほっとしたり、うれしいなと感じたり、にこにこになれること」は、とても的を得ているし、伝わりにくい“気持ち”を上手に分かり易く、そして簡潔に説明されていると思います。ですから「私の説明が悪かったのでしょうか?」とのご心配ですが、決して説明が悪かったとは思いません。

ただ、娘さんの感じた「幸せ」と、葵さんが感じている「幸せ」って、その大きさがちょっと違うと思うのですね。葵さんが、娘さんに「私、幸せだよ~♪」と言われた時、とてもうれしかったように、私たちが受け取る時には「今の状態に安心して満足してくれている」と感じます。

きっと嫌な事もあるし、思い通りにならない事もあるけど、それも全部ひっくるめて「でも私は今、とっても毎日が充実している」(そんな気持ちなんだろうな~)と感じるんですね。ですから「幸せじゃない」なんて言われれば、それを聞けば「辛いことが毎日繰り返されているのかな?毎日苦しいんだろうか?」と心配になってしまいます。

でも娘さんは、イヤな事があるとその嫌な事に対して、その一瞬だけを切り取って「幸せじゃない」と言っている。とっても狭い意味に「幸せ」の言葉を使っているのだと感じるのです。

なので「幸せじゃない」と言った時、その理由が分かったら「その使い方はちょっと違うよ」と言って教えてあげるだけで良かったのではないかな?と思うのですがどうでしょう?

例えば「その使い方は違うよ」と言った後、「そうか~、そんな事があったんだね。何でも思い通りになる事ばかりじゃないし、イヤな事も起きる事は有るんだね」「それに、良いことばかりが起きる事が『幸せ』なのではないから、そんな時は“こんな事があったんだ”ってママに話してくれればスッキリするかもよ」みたいな感じでどうでしょう?

娘さんと葵さんの「幸せ」の捉え方が違っただけ、と考えて頂くと、冷静になれるのではないかな?と思いますがいかがでしょうね?

それと「パピーさんは幸せってどんな風にお考えですか?」と書かれていた件ですが、私は、2つの側面があると思っています。

1つは、「いいな♪」と感じる瞬間と、それを積み上げていくこと。そしてもう1つ。「いいな♪」って感じる事ができる自分に成長していくこと。そう。「幸せ」って、何かの現象が起きる事だけではなく、感じ取れる自分になっていく事でもあって、特に22目の“「いいな♪」って感じる事ができる自分に成長していく”と、何気ない普段の生活からも「幸せ」を感じ取れるようになりますし、そうなると1つ目の“「いいな♪」と感じる瞬間”も増えて、当然“それを積み上げていく”ことも増えて、「いいな♪」とか「うれしいな♪」という気持ちに満たされていきます。ですからこの二つは相互に関係しあっているんですね。

でも残念ながら多くの方は「幸せが訪れますように」と、何かとっても良いことが降ってくるかのように思ったり、願っているのですが、それだけだと気づけない事が多く、せっかくすぐ近くにある「幸せ」も、ないがしろにしてしまっている事ってよくあるんです。

もちろんこれは私なりの考え方なので、これが幸せの定義だとも思わないし、これが正しい解答だとは思っていません。それに、子供にお話しするのはちょっと難しいので「ほっとしたり、うれしいなと感じたり、にこにこになれること」で、全然良いと思いますし、1つの参考として頭の隅にでも置いておかれたらいいかな~と思います。

その後、葵さんからはこんなお返事を頂きました。

パピーさん、お返事ありがとうございました。

こんな小さなことで…と躊躇していたのですが、思い切ってご相談してみてよかったです。特に「幸せ」には2つの側面がある…とのお返事は、私には考え付きもしなかったことで、とても納得しました。

実は、パピーさんに相談する前に、この「幸せ」についてネットでも調べてみたのですが、そこに書かれていた言葉は(パピーさんがおっしゃるように)なんか違うと思っていたし、今回、「2つの側面があって、それが互いに関係している」なんて考えはどこにもありませんでした。でも、本当にその通りだと思います。

パピーさんからのお返事を頂いて、真っ先に思い出したのが、娘が生まれるまでが大変だったこと(流産を繰り返し何度も落胆し、たくさん泣きました)。そして娘は生まれてしばらくはNICUに入れられ、おっぱいも上げられなかったのです。涙を流しながら搾乳した事もありました。あの時、神様に「命だけは取り上げないで」と何度願ったかしれません。

やっと退院しても、本当に弱々しくて、その後も病院通いが続いたのに、今では、それらをすっかり忘れ、いたずらをする娘を怒鳴ってばかりいましたが、あの時、もし命を落としていたら、今はなかったんだな…と思い出されました。

あの頃、先生から「もう大丈夫」と言われて退院できた時に、心からの幸せを感じたはずなのに、「命だけは…」の気持ちが「元気でさえいてくれたら…」になり「皆と同じように…」に変化し、そして今では「いい加減にしなさい!」となってしまっています。今気づきましたが、あまりにも感謝が足りませんよね。それで「幸せって何でしょうか?」なんてパピーさんに聞いているのですから、ホント、恥ずかしくなります。

幸せとは“「いいな♪」と感じる瞬間とそれを積み上げていくこと”+“「いいな♪」って感じる事ができる自分に成長していくこと”これをしっかり忘れずに、そんな私になれるように頑張ります。

そして…ご相談させて頂いた娘の「幸せじゃない」も、言葉の使い方を直してあげるだけでいいのでは?と言っていただいて「あ、それでいいんだ…」と安心しました。

昔の辛かったことを思い出し、元気でいてくれる今が、何より私の幸せだと思ったら、少々いたずらでも、ケンカをしても「そんなのどうでもいい」と思えるようになりました。

それからは娘にイライラすることもなく「幸せじゃない」の言い方についても「その使い方は違うよ」と冷静に話ができました。こちらが落ち着いて話をしたらわかってくれて、私の態度で子供の聞き方は全然違うんだ、とこれも新しい発見でした。

小さな相談だったかもしれませんが、丁寧にお返事頂いて嬉しかったです。今後もどうぞよろしくお願いします。

なるほど。娘さんが生まれるまでにはたくさんの苦労があり、生まれてからも大変だったんですね。でも今、お母さんがそれを忘れるほどいたずらをしたり、他の子とケンカができるのであれば、きっととっても元気になってくれたのだと思います♪葵さんも言われていましたが、過去の辛かったことを思い出せば、少々の問題も「そんなのどうでもいい」ですよね♪

葵さんは「小さなこと」と言われていましたが、この「幸せ」は決して小さなことではありません。もしかしたら、みんながそれを求めているのに、明確な考えが見つからない事からも、とても大きなテーマと言えるのでは?と思います。

特に今までこの「幸せ」について、私の考えをお話したこともなかったので、今回、メルマガへのご紹介をさせて頂きました。人によって、その方が思う価値が違う様に、誰にでも当てはまる「幸せの定義」なんてないのですが、私はこんな風に考えているという事で、ご理解いただけたらと思います(^^)

image by: Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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