誹謗中傷だけでなく、詐欺、炎上、そして殺人事件まで起きているSNSの世界から、自分の子どもを守るためには何をすればいいのでしょうか? 今回のメルマガ『子どもを伸ばす 親力アップの家庭教育』の著者で家庭教育アドバイザーの柳川由紀さんは、ネットのマナーやモラル、取り扱い方を知り、活用するために重要な「ネットリテラシー」の高め方を紹介しています。
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ネット社会の危険から子どもを守るには
1.ネットリテラシーって?
SNSの世界では誹謗中傷、詐欺、炎上など多くのトラブルがあふれています。そんなトラブルに遭わないためにはネットリテラシーを高めることが大切です。
「ネットリテラシー」とは、「ネットにおけるマナーやモラル」と言う意味のほかに、「ネット情報の取り扱い方を知り、それを活用する能力」と言う意味が含まれています。
この能力が低いと、様々なトラブルに巻き込まれます。子供のうちからネットリテラシーを高めておく必要があります。
2.ネットリテラシーが低いとどうなる?
本人が何の気なしに投稿した情報でも、悪意あるリツイートやデマとして拡散されてしまう
危険性があります。
例えば、煽り運転の事件が挙げられます。ニュースになったドライブレコーダーの映像から「ガラケー女性を特定」したというデマが流れました。「犯人を見つけてあげよう」と言う善意からの行動から、犯人探しをがスタートし、特定された女性の実名や写真が拡散していきました。
しかし、特定された女性は、全くの別人だったのです。犯人扱いされた女性は、投稿者と拡散者を起訴し勝訴しました。
そもそも善意から始まったものが、思わぬ危険を孕み、人を傷つけてしまった例です。同じように、コロナ禍における「トイレットペーパー買占め騒動」も発端は、「トイレットペーパーは中国で生産されているため、コロナ禍で物流がストップして品薄になるのでは?」という何気ない一人のつぶやきでした。
一方で、気を付けていても個人情報が分かってしまうこともあります。自分は「個人情報」を投稿したつもりがなくても、「投稿した写真」が個人情報の手掛かりになります。数年前にも、瞳に写った背景を手掛かりに住所を特定され、ストーカー被害に遭ったという事件がありました。
SNSに何気なく投稿する写真、コメントは大量の情報元です。例えば、「今、塾からの帰り」などと毎回投稿すると、何曜日の何時ごろに塾が終わるかが分かってしまいます。ネットリテラシーが低いために、投稿して大丈夫か、リツイートしようとしているのは、正しい情報か、このコメントは誹謗中傷にならないか、などを考えずに行動してしまう危険性があります。
親として子供たちにリテラシーを高く持たせ、情報を判断する能力を身に着けさせることが求められます。
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3.ネットリテラシーを高めるには
では一体どうしたらいいか? それは、「意識と学び」しかありません。普段から、「この投稿は本当なのか」と疑うこと。鵜呑みにするのではなく、一旦立ち止まって考えること。
「前にも同じ画像が投稿されたことはなかった?」「投稿したアカウントは普段何をツイートしている?」などを意識しながら情報を整理し、投稿された情報がデマかどうかを見抜けるようにすることが必要です。
また、子ども向けの書籍やリーフレットも活用しましょう。政府の広報ではインターネットテレビ動画も出ています。
・IPAセキュリティセンターでは、漫画本が出ています。
・文部科学省の児童生徒向け啓発資料もあります。
・ちょっと待って!スマホ時代の君たちへ2021年度版小学校低学年用
・政府広報オンライン(インターネットテレビ)
他にも探せばたくさんあります。これらを上手に活用して、子供たちのネットリテラシーを高め、安全な「情報網」生活を心がけましょう。
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