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Facebookが本腰を入れた「メタバース」が注目を浴びる5つの理由

Facebookが「メタバース」の取り組みに力を入れ始めたというニュースをご存知でしょうか?それ以降、時折耳にするようになったメタバースですが、あまりよくわかっていないという方は多いと思います。そこで今回は、ウェブアナリストとしてマイクロソフト、アマゾンジャパンなどに勤務し、コンサルタントとして独立した小川卓さんが詳しく解説。自身のメルマガ『小川卓の「海外ウェブマーケティングニュース解説」』でメタバースについて迫ります。

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「メタバース」ご存知ですか?

ここ数ヶ月で「メタバース」なる単語が広まってきました。
皆さんも単語は聞いたことがあるけど、なにか?と言われると説明しにくいかもしれません。

そこで今回はこの「メタバース」について解説すると共に、どう今後を変えていくか。
そんなテーマでお届けいたします。

今回ピックアップしたのは以下の記事。

Facebook’s First Big Investment into the Metaverse, and What it Means for the Future of the Company

Facebookが「メタバース」に対して社内で投資を行って取り組むよ!という話ですね。

CEOのザッカーバーグのインタビュー記事がVergeで公開されたのが2021年7月

「ソーシャルメディアの会社からメタバースの会社に変わる」という宣言を社内で行ったようです。

■メタバースとは?

メタバース(metaverse)とは、英語の「超(meta)」と「宇宙(universe)」を組み合わせた造語です。

意味合い的に訳すると「仮想空間」の意味合いを持ちます。この考え方自体は長年存在しており、技術の進歩と共に進化してきました。

インターネット黎明期の掲示板やチャットにおける交流、その後もオンライン上のコミュニティは沢山ありました。そして覚えている方もいるかと思いますが、仮想空間の先駆けでもある「Second Life」が2003年にリリースされました。日本では特に2007年頃にSecond Lifeが盛り上がり、多くの企業が参画しました。

Second Lifeに“電通島” 「バーチャル東京」オープン (2007年)

その後の状況は皆さんも御存知のとおりです。

ただ「仮想空間」的な考え方はその後も様々な形の姿をとっていきました。オンラインゲーム(MMORPG)も1つの仮想空間ですし、どうぶつの森やFortniteなどもそうでしょう。

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■メタバースが注目を浴びている5つの理由

1)VRやARのゆるやかな進化

メタバースが目指している最終状態は「向こう側で生活出来る」という事だと考えています。

なお肉体的な物は現実世界にしか無いのですが、「人格」は仮想空間に用意出来ます。

例えば複数のTwitterアカウントを別キャラで演じていたりとか、インターネット黎明期からある「なりきりチャット」などもそうでしょう。

また現在一つのブームにもなっている「VTuber」などもここに該当します。

つまりメタバース用の人格さえあれば(それが現実の人格と同一であれ、そうではないであれ)社会的な活動を向こう側で行うことは可能です。

その中で大切なのがVRやARが少しづつ浸透し始めたことです。

現在の形が最終形になる事はなさそうですが、仮想空間にあたかも自分が入り込んだような世界に向けては着実に進化しています。

現在の仮想空間の多くは、アバターキャラを「操作する」というUIになっていますが、自分自身が動き回るという感覚をより手軽に持てるようになる道筋は出来てきたのかなと。

2)メタバース上での経済活動の実現(NFTと仮想通貨)

さて「向こう側で生活が出来るようになる」ということは「社会的な活動」が出来る状態を指します。

仮想空間内で経済活動が行われるようになればゴールが大きく近づくのではないでしょうか。

そこで大切なのは、こちらも流行りの言葉でありますが、NFT(非代替性トークン)の登場です。

技術的な説明は省きますが、デジタルデータの「所有証明書」であり、メタバース上で経済活動を行う上でも非常に重要な仕組みになります。

ちなみに「代替性トークン」というのもあり、こちらは主に仮想通貨などを指します。

そして今後の仮想通貨の勃興もメタバース世界実現に貢献をしていくことでしょう。

メタバース上での世界では暗号通貨を中心に経済活動が行われることが想定されます。

(Second Lifeの時もリンデンコインというのもがありました)。

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3)スマートフォンゲームの中での「β版メタバース」

「Fortnite」や「あつまれどうぶつの森」などスマートフォンゲーム内でコミュニケーションを行い、擬似的な社会活動そして経済活動のやりとりが行えるゲームが増えてきました。

出来ることは限られていますが、そこにはコミュニティがあり「向こうの世界」が存在します。

そしてこれを多くの方が体験していることで慣れが生まれてきます。

つまりよりメタバースを受け入れられる状態が整ってきたということを指します。

よりメタバース的な体験をしている人口の割合が今後増えていくことでメタバースの動きは更に加速するでしょう。

4)下地としてのソーシャルメディアの浸透

ソーシャルメディアは10年間で利用者を大きく増やしました。

複数のソーシャルメディアを利用するのは当たり前で、Twitterで「複垢」を持つ人も多いのではないでしょうか。

私はソーシャルメディアはメタバースの一番ベースだと思っており、オンラインコミュニケーションの敷居が良い意味でも悪い意味でも下がったことはインターネット上での一番の大きな変化だったと考えています。

5)コロナ禍による「リアル」の難しさ

ここは説明不要ですね。

多くの方がリアルであう事が相対的に難しくなり、オンラインコミュニケーションが結果的に増えているのではないでしょうか。

私も人と会う機会は格段に減りましたし、全てのクライアントとはオンラインでやりとりをしています。

■メタバース実現に向けての課題

当然課題は山積みです。ザッカーバーグ氏が言う通り

「現状のオンラインコミュニケーション技術は未完成であり、より優れた技術が必要である」

という事は間違いありません。

メタバースは「UI」や「UX」が一番の課題です。

パソコンやスマートフォンのように、新たな世界が出来るときにはハードウェアも必ずセットでした。

メタバースも目指すべきゴールに対してARやVRゴーグルなどのハードウェアが必要になるのは間違いないでしょう。

今回説明した内容により機運が高まっているのは間違いなく、今後多くの企業が取り組んで行くことでしょう。

新しいスタンダードになるかはわかりませんが、個人的には実現してほしいと思っていますし、我々が夢見た世界の一つでもあるのではないでしょうか。

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image by: Shutterstock.com

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ウェブアナリストとしてマイクロソフト、ウェブマネー、リクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパン等で勤務後、コンサルタントとして独立。ブログ「Real Analytics」を2008年より運営。全国各地での講演は500回を突破。HAPPY ANALYTICS代表取締役、デジタルハリウッド大学院客員教授、AVANCELLMONT CAO・UNCOVER TRUTH CAO、Faber Company CAO、日本ビジネスプレスCAO、SoZo最高分析責任者、ニフティライフスタイル 社外取締役、ウェブ解析士協会顧問。ウェブ解析士マスター。渡米・渡英歴合計14年。University College London (英国) 卒業・早稲田大学大学院理工学研究科 卒業

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