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インドア派の子供に運動をさせることは親の“強制”にならないのか?

運動嫌いの子どもを運動好きにさせたいという悩みをお持ちのお母さんは多いでしょう。しかし、それを無理矢理やらせてしまうことは「強制なのでは…」と考え込んでしまうかもしれません。そこで、今回の無料メルマガ『幸せなお母さんになる為の子育て』では、 著者のパピーいしがみさんが強制や無理強いの意味を語るとともに運動好きになる秘訣を伝授しています。

強制・無理強い

こんばんは。パピーいしがみです。

さて今日のメルマガは「強制・無理強い」としました。

どなたも皆さん「強制・無理強い」と聞けば、すべきではないとお考えだと思います。ですが、子供の要望を聞いてばかりが良いわけではありません。チロさんからはこんなご相談を頂いていました。ちょっと一緒に考えてみましょう。

今日は5歳の息子の事でご相談をさせて頂きたいと思います。

単刀直入に申しますと「運動好きにするにはどうしたらいいか?」なのですが、長男は、友達と元気に遊びまわったり、男の子ではよくある戦いごっこをする子ではありません。

遊具での体を使った遊びをしないわけではありませんが、鬼ごっこはいつも鬼になる(足が遅い)のでイヤだと言うし、幼稚園では周りの男の子がサッカーで遊んでいても「僕はいい」と言って砂場遊びや室内遊びをしているようです。

乳幼児の頃からボールには全く興味を示さず、家庭での運動用に小さなトランポリンを買ったりしたのですが、運動には興味を持たず、今はもっぱらミニカーや電車で遊んでいます。

実は息子の性格は私によく似ていて、私は運動が苦手で外で友達と遊ぶよりも家の中で本を読む方が好きな子でした。

でもパパは、中・高・大とバスケットをやっていてインターハイにも出た人で「子供にもバスケットを教えたい、一緒に体育館で練習したい」と言っておりました。

パピーさんの仰る「子供の頃の運動」の重要性についても大々大賛成で、「運動をしてきたからこそ、少々の事ではへこたれなかったり、簡単に諦めない性格が作られていったと思う」と言っています。

が、残念な事に息子は、運動が嫌いで超インドア派。私の性格をそっくり受け継いでしまったみたいで、パパはとても寂しそうです。

もちろん子供を親の思い通りに育てようとしたってそうはならない事はわかっていますし、無理強いしたり、強制して運動をさせようとか、そんなつもりはありません。

でもこのまま全くしなくていいのか?と、とても悩ましいです。

できれば子供が運動好きになってくれて、父親と一緒にスポーツを楽しんでくれる子になってほしいのですが、それはやはり親のエゴでしょうか?

お子さんが自分に似てしまって…というお悩みはよく頂く内容でもあります。

ですが、今後小学校・中学校・高校と学校では運動は必ずあり、避けては通れませんし、体を支える為の筋肉や心肺機能(心臓や肺の活動)も運動をすることで高まります。

チロさんは「無理強いはさせるべきではない」とお考えのようでしたが、私はちょっと違う考えをしていましたので、こんなお返事をしました。

チロさん、こんにちは。メール拝見しました。

そうですか~(^^)ご主人は、インターハイに出るほどの運動が得意な方だったのですね♪

そのスポーツの楽しさをよく知っている方だからこそ「同じスポーツを子供とやりたい」「自分の持っている知識や効果的なトレーニングを教えてあげたい!」とお考えである事。とてもよくわかります。

でも、息子さんは「やりたくない」と言ったのかな?ご主人の「寂しそう」が、ちょっと切なさを感じます(^^)。

ただ、どうでしょう?チロさんは「子供の苦手な事はすべきでない」とお考えでしょうか?

「無理強い」や「強制して…」とあったり「親のエゴでしょうか?」と書かれていたことに、もしかしてチロさんご自身が「子供が望んでいないのなら運動させるべきでない」とお考えかな?とも感じたのですが、どうでしょうね?

と言うのは、私は子供の望むことだけをしていればいい、とは思わないからです。

例えば、子供がお菓子ばっかり食べていて、ご飯は食べたくない…と言っていたら、私たち親は「じゃあ、ご飯の代わりにお菓子を食べてればいいよ」とは言いませんよね。なぜなら、お菓子では栄養素が足りない事を知っているからです。

体を作る為には毎日の食事はとても大切なもので「お菓子では代用できない、子供の為にならない」と分かっています。

それに「お菓子はダメ、ご飯をしっかり食べなさい」と叱っても、それを誰も「無理強い」「強制」とは言いません。

このような事は他にもたくさんあります。

例えばゲームばかりをして「眠りたくない」と言ったら「それなら眠らなくていいからゲームをやってなさい」と言いますか?

「歯磨きめんどくさい」と言っても「じゃあ、歯磨きなんてやめていいよ」とも言いません。

子供よりも知識があり「子供に必要」だと分かっている親だからこそ、食事をしっかり摂る事も、十分な睡眠時間を取ることも、歯を磨くことも「しなさい」って言うのです。

私はそれと同じぐらい「運動」って必要だと思っています。

だから子供に運動をさせる事は「無理強い」だとも「強制」だとも思いません。

私が子供たちの幼稚園時代、運動させたのはスイミングでした。それは水泳選手にしたいわけではなく、継続的に全身を使った運動する事と心肺機能を高める為に最適だと思っていたからです(この先、授業でプールもありますし)。

もちろん、それをどうしてもその子が受け付けない、イヤでイヤでしょうがないとしたら、無理にはさせませんが、もしスイミングがどうしてもダメだったら、きっと他の運動を探したでしょうし、それでもだめなら一緒に運動をしたと思います。それは「(種目は何でも)運動は必要だ」と考えていたからです。

チロさんが「悩ましい」と思われたのは「運動の必要性」よりも「子供の嫌がることをさせるべきではない」の比重が重いからでは?と思うのですがどうでしょうね?

でも食事や睡眠や歯磨きと同じように「運動は必要だ」とお考えになると「強制・無理強い」「エゴ」だとはお感じにはならないと思うのです。

今回「運動好きにするにはどうしたらいいか?」というご相談を頂いたのですが、好きになる為には、なによりそこで喜びを感じる事です。

特に運動は、最初は難しくても、それができた時に「やった♪できた!」と達成感や満足感に満たされます。誇らしい気持ち、嬉しい気持ち、楽しい感覚。それらは「又、体験したい!」と思わせてくれます。

でもその喜びを感じる前に、行動を起こさなければ絶対に「できた!」の経験はできませんよね。なのでまずはチロさんの「強制・無理強い」という考え方をやめて「必要だから運動するんだ」と、お子さんを運動に馴染ませてあげて欲しいと思うのです。

それは何か特別なスポーツをすることではありません。体操教室でもいいし、もちろんスイミングでもいいし、スポーツジムの幼児教室のようなところでも良いです。

運動に触れさせて「できた♪」の喜びを増やすこと。

それを続けていくことで「運動って楽しいな♪」と経験してくれるでしょうし、一緒に筋力やバランス、そして心肺機能なども高くなっていきます。

もし子供が嫌がってもすぐに止める事を考えるのではなく「運動は大事な事だからやるんだよ」と話してあげて欲しいと思うのですね。それは決して「強制」でも「無理強い」でも「エゴ」でもないと私は思います。

ただ、ご主人のなさっていたバスケットボールは、5歳の息子さんですと、まだちょっと早いかも?と思います。

と言いますのも、バスケットボールの魅力は、あの小さなゴールにバサッと吸い込まれるようなシュートですよね。

でもバスケットのゴールって一般用で約3メートル、小学生のミニバスでも2メートル60センチと、幼稚園のお子さんの身長と腕力では、高すぎて届かず「楽しさ」を感じにくいのです。

どちらかと言うと、高学年用のスポーツなので、今は今の年齢で楽しめるものをやってみる事がいいのかな?と思いますがいかがでしょうか?

その後、チロさんからお返事を頂いて、まさに「子供が望んでいない事はすべきでない」とお考えだったとお聞きしました。

そして「自分も運動が嫌いだったんだからしょうがない」という思いで、私が「食事や睡眠と同じほど必要だったら強制とは思いませんよね」とお話したことが、とても衝撃的だった、と言われていました。

そして今、その時の息子さんは大きく変わったとご報告頂きました。ご紹介しますね。

パピーさん、ご無沙汰しています。

4年ほど前に「子供が運動好きになるにはどうしたらいいか?」とご相談させて頂いたチロです。

あの時は「子供が嫌がるのならしょうがない」と考えていて自分では何もせずに、子供が運動を好きになるような方法を求めていました。

でもパピーさんから「子供がご飯を食べたくないと言ったら、眠りたくないと言ったら、言うままにしますか?」のようなご質問を頂いて、私の考えが音を立てて崩れて「私は考え方がずれていたんだ」と衝撃を受けました。

「運動が重要だと考えていたら、それを強制・無理強いとは感じない…」

本当にその通りだと思います。

私は食べ物の好き嫌いも、ゲームのやり過ぎも、かなり叱っています。でも運動だけは「しょうがない」って変に理解が良くて…。偏っていますよね。

それを克服させようともしていなかったし、最初からトライさせる事もさせていませんでした。大反省です。

そこで息子に「小さい頃の運動はとても大事なんだって。スイミングと運動教室とどちらかやってみよう」と言いましたら、あっさりと「じゃあ運動教室へ行くよ」と言ってくれて、週3回の運動教室に行くことになりました。

その教室はとてもアットホームで、遊びながら運動し、マットや鉄棒、かけっこやボール投げ、相撲やタグラグビーと、たくさんの運動を教えてくれました。

子供の運動だけでなく、親へのレクチャーをしてくれる時間もあって、幼少期の運動が、自分の身を守ったり、怪我や不慮の事故を防ぐこと。脳からの筋肉への神経ネットワークは運動ら作られていくことなど、幼少期からの運動習慣がいかに将来の体の能力向上と、脳の発達に良いかを教えてくださいました(パピーさんが大切だと言っておられた理由が、そこでやっと理解できました)。

そして運動を続けると太り気味だった体がシュッとしてスリムになり、グングン背が伸びました。

動作も機敏になって、鬼ごっこをしても負けなくなり、相撲をとっても(体が大きいので)学年優勝したり、どんどん活発な子になっていきました。

小学3年生になった時に、ミニバスをやっていた同級生から「ミニバスやろう!絶対〇君向きだから!」と言われて、練習を見に行ったら監督さんから熱烈な歓迎をうけて、あれよあれよという間にミニバスをやることになりました。

今、まだ9歳ですが、身長が150センチ以上あります。ミニバスをやっている子は大きい子が多いですが、それでも頭一つ抜きんでていて、ミニゲームでは、新人の体操着姿の息子がゴール下でボールを待っていて、パスをもらってポンとシュート。なんとその作戦で上級生チームに勝ってしまいました。

チームメイトたちもとても喜んで、監督さんからもおだてられ、もちろんパパも大喜び。すぐに入部を決めて、その日にパパと一緒にバスケシューズを買いに行ったほどです。別の日にパパがフリースローをやって見せると「カッコいい!」「僕もできるようになりたい!」と大興奮でした。

今年はオリンピックで日本女子バスケが銀メダルを取りましたが、それも食い入るようにテレビを見ていて、今はゲームよりバスケットが楽しいそうです。

最初はシュートだけだったかっこよさも、今はノールックパスだったり、ドリブルだったり、フェイントだったり、いろんな「かっこよさ」と「できるようになりたい!」という気持ちが強いみたいです。

私も、主人も子供の変化にとても喜んでいます。

思えばあの時「この子は私にそっくりで運動神経がないから」とあきらめていたら今の息子はないと思います。あの時にパピーさんに私の固定観念を崩して頂いて、本当に感謝しています。ありがとうございます。

つくづく「親が決めてしまってはダメだな」と思いますし、チャレンジもせずに諦めたら子供の可能性を絶ってしまうと痛感しています。

今回、私の事をメルマガでご紹介して頂けるとお聞きして、同じ失敗をなさるかもしれないお母さんやお子さんが減ってくれるといいな~、と思います。

チロさん、ご報告をありがとうございます。

以前、チロさんが「父親と一緒にスポーツを楽しんでくれる子になってほしい」と言われていたこと。結果的に願ったとおりになっちゃいましたね(^^)。

あの頃は「まだ運動が苦手って決めちゃうのは早いのでは?」と思ってお返事を書いたのですが、すぐに方向転換をして頂けて良かったです。

そして今、息子さんは「ゲームよりバスケットが楽しい」と言われているようですね。それはなによりです♪

是非、お子さんの「楽しい」を応援してあげて下さい。熟練のお父さんと一緒に練習されると、どんどん上手になると思いますから(^^)。

これからが楽しみです。ご報告ありがとうございました。

image by: Shutterstock.com

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【著者】 石神明生 【発行周期】 毎週日曜

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